コンタクトスポーツでは鼻を折ることはよくあることです。
私の関わっているバスケットボールでは相手選手の肘が顔に入り鼻骨骨折となるケースがよくあります。
私は現在プロバスケチームでトレーナーとして活動しています、実際に私もバスケットボール中に鼻骨骨折を経験しています。
この記事では鼻骨骨折をした際の対処方法やフェイスガードに関して解説していきます。
この記事を読むことで、万一鼻骨骨折をした際にどのような対応をすれば良いか参考にしていただければと思います。
バスケットボールだけではなく、サッカーなどその他のスポーツでも同様に対処できます。
結論
■鼻骨骨折をした場合
鼻骨を骨折したら、しっかり整復して元に戻しましょう。
ただし、整復する際は麻酔をしても激痛となるので心してください。
鼻は曲がって固まると、曲がったままとなってしまいます。
■フェイスガードはどこで作れるのか
フェイスガードは病院のリハビリ室に出入りする技師装具士に作成依頼します。
整形外科の病院関係者に事前にオーダーメイドで作れるか、万一の為に確認しておく。
■フェイスガードに関して
フェイスガードはオーダーメイドで作った方が競技中はより安全で視界確保、違和感も少ないです。
ただし費用は3-4万円程度で高く、納品に3-7日間くらいかかる。
オーダーメイドで作れない場合は、既製品でも対応できますが、工夫が必要となります。
鼻骨骨折とは
鼻が折れたと言っても、実際には鼻の軟骨(鼻中隔)と鼻骨の部分で曲がってしまい、骨折となります。
放置すると曲がったままくっついてしまい、見た目も印象が悪くなります。
そのため、鼻はしっかりと整復して元に戻した方が懸命です。
この時に圧が目にも抜けてきて痛いです(経験者)
鼻骨骨折の対処方法
- 病院に受診
- 整復する /局所麻酔で日帰り治療、麻酔してもかなり痛いです。
- 内固定 /1週間くらい鼻の中にガーゼを入れて安定させます
- 再受診 /状態をチェック 1週間くらいから鼻が固まり始めてくる
- 外固定 /フェイスガード装着にて競技開始
鼻骨骨折では鼻血が止まっても、運動中に鼻血が出てくることは十分考えられます。
競技復帰の目安は試合や大会の状況によって異なってきます。
基本的に鼻はぶつけなければ何とか競技はできるため、フェイスガードを装着すれば行えます。
試合に出場するためには
いつ復帰させるか
- 基本的には医師の判断が基準になります。
- コンタクトなしで競技動作を確認し、鼻血や痛みなどないか確認して調整します。
- フェイスガードの準備ができなければコンタクトプレイは開始させない。
- オーダーメイドのフェイスガードにて練習を行い、修正点を改善し試合出場できるる
- ただし、大切な試合の場合は既製品でも鼻血がでないレベルであれば試合出場する場合もあります。
そのため、チームでは万一に備え既製品のフェイスガードは常に持っている状態となります。
しかし、既製品はそもそも外国人の顔の形状のもののため、日本人の顔には全く合わないのも事実であり、なかなか厳しい限りでありますが、ないということの方が問題なので、遠征時でも常に備品の一つとなっています。
フェイスガードを入手する
フェイスガードを入手するには2つの手段があります。
- 病院などの技師装具士にオーダーメイドで作ってもらう
- 既製品のものを使用する
オーダーメイドのフェイスガード
オーダーメイドでフェイスガードを作る手順
- 整形外科など病院関係者にオーダーメイドでフェイスガードが作れるか確認
- 病院によっては非対応なところが多いので、いざという時のために作れる場所を探しておく
- 対応してくれるところに電話してアポの日程を調整
- 病院や施設へ行き、対応してもらう/どの形、色、素材選びなど
- 石膏を使って顔の型取り
- 専門家の制作期間
- 再び行き、調整/修正
- 実際に装着して運動して再び微調整
- 完成
大体の流れとしては、上記のようになると思います。
サッカーやバスケのプロチームのトレーナーに聞くのも近道だよ
オーダーメイドのフェイスガード
視界に入るタイプだと照明に反射してまぶしい場合もあるので黒ベースが一般的
フェイスガードも様々でクッション材のあるものとないものがあり、選手の好みもある
滑りやすいものや滑りにくい素材もある。
上記のタイプはベルトが1本で耳にかかってしまう。
この選手のオーダーでは最初は鼻の真ん中に心棒があったが、どうしても視界が気になるので取り除いてしまった。
耳までかけるタイプであったが、結果的に耳までは必要ないという結論となった。
ベルトは2本タイプである。バスケットボールの場合、試合の流れが止まりやすいので、その際に一度取り外す機会も多い。
そのため、マジックテープ部分の耐久性もポイントとなる。
また汗をかき、汗だまとして溜まりやすくなるので、素材によってズレやすくなる場合もある。
顔の型をとる際に、アミをかぶって準備中。どうしても試合に間に合わせるため、急遽対応してもらったため、控室もなく、空き空間での実施しました。
顔の型を石膏を使って型取っているところ。このような工程で制作は進んでいく。
トレーナーの準備として
- どこでオーダーメイドで作成できるのか確認
- 制作期間はどのくらいか確認しておく
- 既製品を準備して万一に備える
- 1日でも早く制作してもらえるよう交渉
- 選手と同行して素材や形状など細かく指示
- 納品や支払いに関して
技師装具士の方によって作り方や素材なども異なるので、オンリーワンの一点ものとなります。
顔は成人では大きさは変わらないので、一度作れば何かの際は、ずっと使えるのも良い点です。
既製品のフェイスガード
現在既製品として市販されているものはミューラージャパンさんから出ているフェイスガードが一般的に入手しやすい。
ワンサイズなので、一つのタイプである。
フェイスガードとクッション材が入っている。
クッション材は厚いクッションと薄いクッションの2タイプ準備されている。
鼻の高い外国人に基準があっているタイプのため、日本人が使用するとかなり隙間ができてしまい、視界に入ることがマイナスポイントである。
そのため、ジャンプにて下へズレやすく、通常では使用できない場合もある。
その対策としては伸縮ソフトテープ50mmで前額部に貼り付けて、頭の長さを確認し、後のバンドに引っ掛けて前額面まで戻して粘着面どおしをくっつけることで下方へのズレがなくなるので試してもらいたい。
既製品としてはベストチョイスなので、フェイスガートなしでプレイさせることはできないので、万一の際にはなくてはならない存在となる。
日本では既製品を取り扱うメーカーとしては、ミューラージャパンさんから出ているフェイスガードのみとなります。
まとめ
フェイスガードはオーダーメイドで作った方が圧倒的に装着感はよいが、費用と日数がかかるため、プロチームの場合、既製品の準備も必須となる。
学生にとってはオーダーメイドは高価な品物となってしまうため、既製品でうまく対応することもポイントとなる。
そこまで多い怪我ではないため、学生ではあまり使用頻度は高くないとは思うが、万一に備えてチームのトレーナーは準備しておいた方が良いアイテムである。
結論
■鼻骨骨折をした場合
鼻骨を骨折したら、しっかり整復して元に戻しましょう。
ただし、整復する際は麻酔をしても激痛となるので心してください。
鼻は曲がって固まると、曲がったままとなってしまいます。
■フェイスガードはどこで作れるのか
フェイスガードは病院のリハビリ室に出入りする技師装具士に作成依頼します。
整形外科の病院関係者に事前にオーダーメイドで作れるか、万一の為に確認しておく。
■フェイスガードに関して
フェイスガードはオーダーメイドで作った方が競技中はより安全で視界確保、違和感も少ないです。
ただし費用は3-4万円程度で高く、納品に3-7日間くらいかかる。
オーダーメイドで作れない場合は、既製品でも対応できますが、工夫が必要となります。
鼻骨骨折に関しては、実際に起こってから慌ててオーダーメイドで作れるところを探すと、実際になかなか見つからないということがよくある。
そのため、万一に備えて、事前に見つけておくと、実際にフェイスガードが納品され試合に出場できるタイミングが異なってくるかと思うので、速やかな対応ができるかがポイントとなる。
この記事があなたにとって参考になれば幸いである。
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