
日常でも熱中症で救急搬送されるような温暖化現象です。
スポーツを行う際はより熱中症の対策をして競技に臨んで欲しいと願っています。
熱中症は命を落としてしまう危険が伴ってしまいます。
ですから、対応の仕方で手遅れとならないよう、知識をつけて、わからなければ専門家に連絡すべきです。
健康第一であり、安全管理した中でのスポーツ活動に励んでください。
私は長年プロバスケチームでアスレティックトレーナーとして活動していました。
選手の健康や怪我の対応を任されていた役割です。
現在はプロチームを卒業して栃木県宇都宮市でミズノ治療院スポーツマッサージを開業しています。
今回熱中症に関して、記していきますので参考にしていただければと思います。
熱中症対策として

熱中症の基本的な理解
熱中症は暑い環境で体調が崩れる総称です。
運動中は体温が上昇しやすく、適切な水分と塩分のバランスが乱れると症状が出やすくなります。
早期の発見と適切な対応が命と健康を守ります。
現場では、夏場のバスケットボールでの練習で室温が高くなると、頭痛やめまい、吐き気といった初期サインの観察が重要です。
観察と記録、適切な休憩と急冷がカギとなります。
気温、湿度、熱中症の対策として熱中症指標計を活用して危険レベルを把握しておくことはとても大切です。
また練習前に水分補給をすること、前日体調不良の際は決して無理しない、ゲームなどで夜更かししない、朝食など食べてエネルギーを補給しておくことなども大切であり、このような事を軽視することで発生しやすくなってしまいます。
本記事の目的と対象読者
長年プロバスケットボールチームでアスレティックトレーナーとして活動してきた経験と知識とスポーツ医科学の知見を踏まえ、熱中症予防の実践知識を提供します。対象は指導者・保護者・選手です。
熱中症への対策
- リスク要因の把握と環境対策の理解
- 水分補給と栄養の基本を知ること
- 緊急時の初期対応と安全な運用方法を学ぶこと
具体例として、炎天下の午後練習で体温が38.5度を超えそうな場合は直ちに日陰へ移動し、十分な休憩を確保します。
子どもは大人より体温調節が難しいため、年齢別の目安を守りましょう。
通常バスケットボールは体育館で実施しますが、登下校時に倒れてしまうといったケースが起こっているので、練習中だけでなく、帰宅しても油断してはなりません。
実践的な手順としては、プレー中は適切な間隔で短い休憩と水分補給を義務化します。
塩分はスポーツ飲料で補い、食事でも塩分を適度に摂取します。
データ面では、熱中症発生は室内練習場より屋外で多く、湿度が高い日ほどリスクが上がります。
観察日誌の活用と温湿度計の導入を推奨します。
落とし穴として、水分補給の不足や塩分不足は体調不良を招きます。
初期対応を遅らせると重症化するためことに繋がるので万一に備えて準備しておくことがポイントです。
体調不良で練習を抜けたといってもそのあたりで休んでいて回復しない事もあります。
冷房のある部屋、全身を冷却するプールや氷の準備、すぐに救急車を呼べる準備も必要となります。
1. 熱中症が発生しやすい条件

高温・高湿度環境と運動強度の組み合わせ
夏の体育館では温度と湿度が高くなると、体温を下げる調節が難しくなります。
走るやジャンプの連続は体温を急速に上げ、体内の熱バランスを崩します。
具体的には、連続で短距離走を行う練習後に頭痛や吐き気を訴える選手が増えるケースが見られます。高強度が続くほど、脱水と循環系ストレスが同時に生じやすく、数分でパフォーマンスが低下します。
実践的な対策として、インターバルを挟んだ練習を取り入れ、1回あたりの連続動作を5分程度に留め、10分間の休憩で体温を下げる時間を確保します。
観察ポイントを共有し、自己申告の熱性症状を見逃さない体制を整えましょう。
特にバスケットボールの選手は日差しに慣れていないケースが多く、外でのラントレなどで長時間日差しにあたるだけでも相当なダメージとなります。
短時間や朝方などまだ日中のような高温化では行わないようにすべきです。
体育館設備の不足と救護体制の課題
冷房設備の不足や換気の不十分さは環境温を上昇させます。
湿度対策のための除湿機導入や扇風機の適切な配置、日陰スペースの確保が不可欠です。
救護体制が整っていないと初期対応が遅れ、症状が悪化します。
現場での水分補給指示、安静の判断、救急連携の連絡手順を事前に全体で共有します。
実際の訓練として、温度計と湿度計を常設し、危険 signaling を全員が理解している状態を作ります。
コーチは選手全員を把握できないケースもあります。
選手同士、仲間の異変があれば速やかに報告して、対応していく必要があります。
熱中症は命にも関わるケースなのでバスケットボールよりも健康が優先されることは常に意識しておくべきです。
水分・塩分不足の影響と発汗量の個人差
水分と塩分の不足は血液量の低下と循環不全を招きます。
発汗量には個人差があり、同じ練習でも脱水リスクは選手ごとに異なります。
汗の成分は個人差が大きく、塩味の濃さや汗の粘度にも差が出ます。
こまめな水分補給と塩分の摂取は急激な体温上昇を抑える要因となります。
具体的には、練習前後の体重測定で水分喪失量を把握し、目安として練習中は20〜30分おきに150〜250mlの等量水分を補給します。
スポーツドリンクは5〜7%程度の糖濃度と適度な電解質を選び、塩分は1日あたり約3〜6gを目安に各選手の体重と活動レベルに合わせて調整します。
水分補給の一つの目安として、練習後におしっこに行って排尿できる状態にしておけば脱水は防ぐことができているという証拠になります。
2. バスケットボールの特有リスク要因

激しい運動と体温上昇の関係
バスケットボールでは瞬間的な加速やジャンプを繰り返すため、体温が上がりやすい環境になります。高温多湿の条件下では汗の蒸発が妨げられ、体温調節が難しくなります。
具体的には、試合の後半や激しい局面での走行量が増えると、心拍数と体温の上昇ペースが加速します。
体育館自体の温度が高い場合、選手の発汗量がさらに増加するケースも見られます。
チームや体育館によって環境は異なります。遠征にいけば異なる環境でコントロールしにくくなりますのでより一層注意が必要です。
発汗量が多い選手では水分と塩分の不足が早く生じ、血圧の安定が崩れやすくなります。
運動強度とのバランスを意識し、適切な休憩を挟むことが重要です。
試合前の水分計画とハーフタイムのクールダウンが、パフォーマンスと安全性の差を生みます。
中学生や高校生になるとプレイタイムも長くなっていきます。
ハーフタイムにもコーチの戦術によってのミーティングが長くなってしまうケースもあります。
上手く休む時間も確保して後半戦でもバテずにプレイできるように対策をしましょう。
長時間のプレーと休憩不足
連続プレーや疲労蓄積は体温管理能力を低下させます。
頻繁な休憩と体温低下を促すクールダウンが不足すると、熱中症リスクが高まります。
例えば、ハーフタイム後の再開時に体温が0.5度以上上昇している場合は、追加の休憩延長が有効です。とはいってもコーチの采配にコントロールできないケースもあるので、対策グッズなどで体温上昇を抑えるアイテムを活用してリカバリーが短時間でもできるよう工夫して欲しいです。
バスケ部の熱中症予防対策として
近年温暖化によって毎年のように熱中症でのニュースも増加しています。
そのため各地での救急搬送も多忙となり、救急車がすぐに来てくれるとは限らないケースもあります。
しっかりと予防対策をして現場で対応できるようにしておきましょう。
都道府県バスケットボール協会や日本バスケットボール協会のホームページにも熱中症対策の特設ページが設けられていますのでご確認いただければと思います。
日本スポーツ協会でも掲載されていますので参考にしてください。
○ JSPO (日本スポーツ協会) 熱中症対策ページ>>
https://www.japan-sports.or.jp/medicine/heatstroke/tabid523.html
3. 熱中症予防の実践的対策

事前準備と環境整備
練習前に会場のスペースを実測して動線を描き、熱がこもりやすい区域を把握しておくことも必要です。
暑熱環境を想定して、扇風機の配置や窓の遮光位置を具体的に決定します。
現場で湿度と温度を測定できる機器を用意し、試合日には温湿度の基準値を全体で共有します。
室温が高止まりしそうな場合の作業中止ルールを事前に決め、過度な室温上昇を未然に防ぎましょう。
普段と異なる遠征、合宿、練習試合、大会などは環境が大きく異なること、緊張してしまい疲労しやすく、いつもよりも悪条件になりやすい点もあるので、チームで声がけして対策をしていくことが予防として有効です。
水分・塩分の適切な補給タイミング
練習開始1時間前から水分計画を作成し、喉が渇く前に一度に大量に飲むのではなく段階的に摂取します。
プレー中は2〜3回ごとに小量を補給して脱水を防ぎます。
塩分を含むスポーツ飲料や補給食品を、休憩ごとに組み込みます。
体重の1%程度の急激な変化を見逃さず、その場で補給量を微調整します。
休憩・冷却の具体的な運用方法
3〜5分の短い休憩を適切な間隔で挟み、頭部と首の冷却を優先します。
冷却ブランケット、氷嚢、冷却タオルを組み合わせ、局所的に体温を下げます。
観察リストには皮膚温や脈拍、頭痛の有無を追加し、初期サインを見逃さないよう日次でチェックします。
異常を感じた選手は直ちに休ませ、医療スタッフと連携して対応します。
体調不良となると以下のような症状が発生してきます
熱中症の初期症状
・視界がおかしく違和感が出る
・頭痛が起こって集中できなくなってくる
・手の指先が痺れて違和感が出てくる
・呼吸が乱れていつもと違う感覚
・汗をかいていたのに急に出なくなった
・顔色が悪く青ざめている
・急に動きがおかしくなってスタミナばて
このような症状が起こったら一度コーチにその旨を伝えて練習から抜けて対策に移行しましょう。
4. 緊急時の対応と救急処置

初期対応の優先事項
熱中症の疑いがある選手を安全な場所へ移動させ、衣服を緩めて体温の放散を促します。
涼しい場所で横になるよう声を掛け、頭を高くして安静を保つと効果的です。
脱水が疑われる場合は、少量ずつ飲水を促します。
意識障害がある場合は飲水を避け、救急を要請します。
吐き気がある場合は無理に飲ませず、体を横向きにして窒息を防ぎます。
日陰や体育館隅で休んでもなかなか体温を下げることができません。
首、脇、鼠蹊部などに氷で冷やすと良いですが、実際にはそれだけではなかなか改善できません。
プールに入って全身を冷却する方が明らかに良いという事もあります。
しかし、症状によっては歩行困難となってしまうので極力冷房のある部屋で、扇風機を回して体全身の冷却をした方が良いと救急救命の講習会でも指導を受けました。
体調不良者を放置せずに、状態を観察できる方の付き添いも必要となります。
夏休みでは学校の保健室の先生が参加していない事も多いのでこの辺りの確認もしておきましょう。
○ 熱中症になった際の救急処置はこちら>>
https://www.japan-sports.or.jp/medicine/heatstroke/tabid915.html
重篤化を防ぐための判断基準
頭痛が強く長引く、嘔吐を繰り返す、意識が混濁する、けいれんが生じる場合は直ちに重篤化の兆候として対応します。
患者の表情が蒼白になったり、反応が鈍くなった場合は要注意です。
体温が39度以上で持続する、呼吸が乱れる、皮膚が冷たく粘つく状態は緊急対応を要します。
意識が朦朧としていたり、立っていられないケースでは専門家の対応が必要となります。
救急車の手配を速やかに行うことが、事故防止となり命を守る事につながるベストな判断となります。
○ 重篤な熱射病の際の処置はこちら>>
https://www.japan-sports.or.jp/medicine/heatstroke/tabid916.html
救急受診までの連携手順
- 現場での初期情報を関係者で共有し、救急車要請時には症状と経過を伝える。
水分摂取量、意識状態、体温の変化をメモする。
- 連絡先リストを常備し、搬送先の病院情報を事前に確認する。
競技場の救急設備やAEDの場所も把握しておく。
- 救急到着前も涼しい場所・陰の確保と安全管理を継続する。
選手の体温を測定し続け、変化があれば報告する。
5. 対策グッズと活用法

携帯型冷却ツール
現場での即時冷却は熱中症予防の要です。携帯型ツールは重量と携帯性と機能性を重視して選びましょう。
- 凍結時間と再利用性を確認する
- 皮膚直接接触タイプかタオル包みタイプかを選ぶ
- 体温低下に必要な冷却時間が得られるかを評価する
運動時の活用は、局所冷却と全身の温度管理を組み合わせると効果的です。
スポーツドリンク・補給グッズの使い方
水分だけでなく塩分とミネラルを補給することが重要です。
- 試合前後とプレー中の小刻みな補給を習慣化する
- 場面に応じて塩分を含む飲料を使い分ける
- 疲労感軽減を目的とした補助成分の選択肢を適度に取り入れる
補給グッズは選手の嗜好に合わせ、飲みやすさと携帯性を重視してください。
観察・記録用アイテム(セルフチェック・体調ノート)
自己管理は早期発見の第一歩です。
記録を習慣化して体調変化を捉えましょう。
- セルフチェック表を試合前後で活用する
- 体重変化と尿の色を簡易メモに残す
- 水分摂取量と補給タイミングを日付とセットで記録する
Q&A
バスケットボールで熱中症にならないためにはどうしたらよいですか?
練習環境を把握し計画的に進めることが基本です。外気温が高い日は屋内練習へ移行するなど、練習時間と環境を調整します。
練習前に温度と湿度を測定し、条件に応じた休憩と水分補給を取り入れます。
体重変化を記録して補給量を微調整します。
選手はどんな症状に注意すべきですか?
初期サインは頭痛、めまい、吐き気、立ちくらみ、倦怠感です。
症状が続く場合は涼しい場所へ移動し、必要に応じて救急対応を検討します。
体温が38.5度を超える場合は重篤化のリスクが高まります。
冷房のない体育館での対策はどうするべきですか?
換気を最大化し扇風機を活用して風の流れを作ります。
日陰を確保し冷却タオルや氷嚢を活用します。
観察リストで体調の変化を早期に拾い、休憩タイミングを強化します。
まとめ
本記事の要点の振り返り
熱中症は高温多湿環境と激しい運動強度の組み合わせで発生リスクが高まります。
体育館の換気状況や床材の冷却性、応急処置用具の配置が初期対応のスピードに直結します。
バスケットボール特有の発汗量や休憩の取りづらさは、選手ごとの体温管理に差を生みます。
試合中の水分と塩分補給計画を具体化し、氷袋や冷却ジェルの活用を組み込むことが重要です。
予防は事前準備と環境整備、選手観察の習慣化から始まります。
補給グッズは個別の体重変動や体調傾向に合わせて選定し、使用時の安全性を事前に確認します。
効果的な実践のための次のステップ
環境モニタリングを日常化し、温度・湿度・風速データをクラウドで共有して練習計画に落とし込みます。
直近の6週間分のデータをグラフ化し、熱中症リスクが高まる条件を特定します。
発汗パターンを把握するため、試合前後の体重変化と尿色の変化を3段階で評価する簡易シートを導入します。
体重変化が1.0%以上続く場合は水分補給量を調整します。
緊急時連携の手順を事前に演習し、救急車要請時の伝達情報を標準化します。
実際の場面を想定したロールプレイを月1回実施します。
熱中症は事前の意識、事前の知識、事前の準備で実際に発生してしまった際に慌てずに対応することができます。
コーチだでなく、選手、チームとして環境整備して安全なスポーツ活動を実施できる体制を構築して欲しいと願っています。
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