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熱中症指標計WBGTを活用して現場で対応する熱中症対策

2023年4月4日

熱中症

学生さん

熱中症ってどんなことに注意すればいいんだろう?
熱中症の測定器は何がわかるの...?

この記事ではそんな疑問にお答えします!

JUNK TRAINER

現在プロバスケチームでアスレティックトレーナーとして活動しています。

春を過ぎて5月になると急に暑さも増してきて急な気温や天候の変化に体が適応できなく熱中症になりやすい時期になります。

プロチームでは熱中症指標計を使用して、その日の気温や湿度WBGTを参考にして練習メニューを調整しています。

夏場はもちろん春先も熱中症対策をしてスポーツに打ち込んで鍛え上げていきましょう。

熱中症とは

熱中症とは、気温や湿度などの環境や体調から体温が上昇して、発汗によって体内の水分と塩分のバランスが崩れて、体温の調節機能が働かくなってしまい、体温の上昇やめまい、失神、けいれん、頭痛などのさまざまな症状を起こす状態となり、意識が朦朧として危険な状況にもつながります。

そのため、上記のような症状がある場合は速やかに運動を中止して、体を冷却し、救急搬送の手配をして専門家の対応をしてもらう必要があります。

熱中症の4つのタイプ

症状のタイプによって熱失神、熱けいれん、熱疲労、熱射病と分けることができます。

これらを総合して熱中症と言います。

熱中症指標計

京都電子工業さんのWBGT-203Aという熱中症指標計を実際に活用していますので、こちらの指標計で説明します。

電源を入れると最初にWBGTが表示されます。

SELECTボタンを押していくと気温、相対湿度、黒球温度、WBGTの順番で表示が切り替わっていきます。

WBGTは屋外と屋内では算出方法が異なります。

さらに室内では無風の状況だと思いますので、指標計5回程度振ってから10秒待って測定を確認するようにしましょう。

WBGTが28°c以上になると激しい運動は避ける、31°c以上の場合は運動を中止するというレベルとなってしまいます。

しかし、現在の日本の夏はWBGTが31以上になってしまうことが連日のように続くエリアもあるので、練習メニューの調整、空調や扇風機の手配など環境整備もポイントになります。

実際に上の写真では7月中旬の群馬県で朝8:30に記録したものです。

早朝にもかかわらず、WBGTは29.6°cと非常に高音となっていて、一時間後には31以上に変化しています。

気温は33.9°cとすでに高温となり、湿度が51.1%と低買ったのでとてもカラッとしていますが、その分日差しと暑さでつない環境となっています。

1時間程度のワークアウトにて軽い頭痛になる選手がいて、熱中症の初期状態ともなっています。

プロチームでもバスケットボール選手は屋内スポーツのため、直射日光にあたりながら運動する機会は極端にすくないので屋外での環境適応能力は低いものです。

練習後にすぐに入れるようにプールを設置し、氷の準備、経口補水液など準備していても危険な環境となってしまいます。

夏場の環境での運動は注意して対応し、練習メニューを作成しても状況によっては回避して中止することも必要になります。

コーチングをすることに対して、生命の安全第一が最も優先順位が高いので考慮してスポーツ活動を行うようにしましょう。

熱中症対策

体調管理

スポーツ現場では春でも急に気温が高くなってくると体が順応できていないことから夏場の暑さでなくとも熱中症になりやすい傾向です。

ゴールデンウィークあたりの4月下旬から試合や大会も多くなり、スポーツ現場でも熱中症が増えてきます。

そのため、体調管理やコンディショニングの調整も影響してきます。

よくありがちな点としては、夜更かしによる睡眠不足、食事や水分補給による影響、風邪など体調不良化でのスポーツ実施などが原因となるケースがあります。

水分補給

スポーツ実施の30分前に500ml程度の水分補給を行なっておくこと、練習中の水分補給もしっかりと行うことは熱中症対策としてとても大切です。

普段の私生活から水分補給を意識して多めに摂ることも大切です。

体水分量が減少すると怪我のリスクも高まってしまいますので、熱中症のみならず日頃から水分補給を意識する必要があります。

塩分補給

運動中に水分ばかり摂っていても塩分濃度が薄まってしまい、熱中症となってしまいます。

スポーツドリンクや経口補水液等でナトリウムを含んだ水分を補給することで予防できます。

最近では熱中症対策のドロップなどいろいろなアイテムもありますので活用しましょう。

体重管理

汗をかく量が多くなると水分が放出され体重の減少が明らかになります。

練習前後で体重を測定しておくことで、どのくらい体重が減少したのかイメージしやすくなります。

いかにリカバリーを意識して行うか、食事をしっかり食べて回復させるかということもコンディションを良い状態にする秘訣です。

脱水症状の確認

練習後にオシッコに行けるくらいの水分量を補給しておくということは練習中に一つの目安にもなります。

プロ選手等のアスリートは試合後にドーピング検査が実施されることがあるため、大量に汗をかいてもオシッコを出さなければなりません。

そのため、日々水分を多く摂取する意識も養われています。

学生でも練習後にオシッコに行けるように水分補給を行うようにしましょう。

喉が渇いたと実感した時にはすでに脱水症状の状態になっています。

また上の図よのようにオシッコをした際に尿の色をチェックして変化を意識しておくと脱水状態をイメージしやすいです。

尿の色が濃くなっていくと脱水状態が進行しているということです。

熱中症対処方法

安静/冷却

熱中症でも軽症で熱湿疹や熱けいれんの軽症であれば冷却して涼しい場所で安静にしてスポーツドリンクなど塩分を含んだ水分補給を行うことで回復することが多いかと思いますが、その後体温上昇してくるケースもありますので、その日はしっかりと休養を摂って保護者にも連絡して様子を見るようにしましょう。

少しでも不安要素があるのであれば医療機関を受診して専門家に対応して持った方が安心です。

熱中症はその時の体調が良くない状態や一度熱中症になったことがある方は、熱中症になりやすい傾向だと思います。

救急車の手配

熱疲労やかなり食ったりしている際は速やかに救急車の手配をすべきです。

熱中症は最悪命を落としてしまうこともあります、判断を誤ったことで取り返しのつかないケースもあります。

早急に緊急体制を確立して対応しましょう。

本人は意識が朦朧としていても、少し休めば大丈夫です。と言いがちです。

周りに迷惑をかけたくない心理から生まれる言葉で、迷ったら搬送した方が安全です。

保護者への連絡

社会問題にならないよう、すぐに保護者にも連絡をして状況の把握をしてもらいましょう。

ここをおろそかにしてしまうと、スポーツ現場で大きなトラブルに発展してしまいます。

経過観察

体調回復して大丈夫と思っても、その日は安静にして1日様子を見るべきです。

スポーツ活動は特にその日は練習には参加せず体力の回復をすべきで、夜になって体温が上昇することも十分あります。

翌日からのスポーツ再開もたいち雨が回復したからといって状況を見て検討しなければならず、確認しながら進める必要性があります。

私も熱中症に1度なりました

私も一度熱けいれんを起こして手指が痺れ視界がおかしくなって、異常な現象になったことがあります。

炎天下で仕事をして起こったケースです。

関東から初めて西日本の広島に移籍した際に西の暑さが関東とは比べ物にならないことを実感しました。

バスケットボールの3×3の大会が広島で行われ、以前所属していたチームよりトレーナーの派遣が難しいので現地で対応して欲しいとのことでした。

炎天下の中試合が開催され、外に出ている時間は1時間程度でしたが、体に異変を感じ手指が痺れ視界がおかしくなってきたのです。

これはおかしいと思いつつも、仕事があるため何とか対応していました。

幸いチームが予選で負けてしまったため、仕事も早く終わったことは良かったことでしたが...

意識はしっかりしているので涼しい喫茶店で休んで回復を待って、回復してきたと思い帰宅しましたが、その後自宅で39度の高熱となりました。

水風呂に30分程度浸かって体を冷却し、経口補水液を飲んで平熱まで下がりましたが、熱中症の怖さを体験することができました。

数時間経ってから高温となり、体温調節機能が異常となりコントロールできなくなっていたのだと実感しました。

翌日には通常に回復し、本来のチームの仕事は問題なく実施できましたが、環境の変化の適応、直射日光に慣れていないことで発生したのだと思います。

まとめ

熱中症の対策として

・熱中症指標計を活用してWBGTを把握する
・体調管理も大切
・水分補給+塩分補給
・氷や空調の準備
・心配なら救急車を手配して専門家に任せる
・保護者に連絡

上記のことを実施することで熱中症の予防や対応は可能だと思います。

熱中症対策をして、場合によっては練習プランも見直して、暑い中でも強化できるように運動に励んでください。

この記事が参考になれば幸いです。

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