ジュニア世代 ドーピング バスケ プロ選手 ユース世代

【激痛】選手が化膿性汗腺炎で腫れ上がった際に皮膚科で処方された薬

汗腺の解剖図解

悩む少年

突然脇の下が腫れてしまいとても痛いんだけど..?
うみが溜まっている感じなんだけど何科に行けばいいんだろう?
薬は何を使えばいいんだろう

 

こんな悩みにお答えします

 

私は現在プロバスケチームでトレーナーとして活動しています。

トレーナーとしても30年以上のベテランです。

選手は突然予想もしていない怪我や痛み、体調不良などがでてトレーナーも対応に追われます。

 

今回プロ選手がOFF明けに脇の下が腫れて激痛だと訴えてきました。

数日で段々と痛みと腫れが増してきて、手をあげておかないと脇の下が痛いとのことです。

練習や試合に影響するため、すぐに皮膚科に受診しました。

 

結論

  1. 腫れた原因がなにか特定するために病院を受診する
  2. 病院は皮膚科を受診する
  3. 膿(うみ)が痛みの原因となり、切開/注射吸引/薬での対応が一般的
  4. 内服薬(抗生物質)は飲みきろう
  5. 病院へ行く時間がない場合は市販薬で様子を見る
  6. 行けるタイミングで病院受診
  7. アスリートはドーピングに対応した薬を使うように
  8. 薬の調べ方はGlobal DROまたは薬剤師のためのアンチ・ドーピングガイドブック

 

【激痛】選手が化膿性汗腺炎で腫れ上がった際に皮膚科で処方された薬

皮膚解剖図解

 

化膿性汗腺炎とは

皮膚には毛穴があり、その横に汗の道もあります。

アポクリン汗腺という汗が出る道があり、ここにバイ菌が入ることで炎症が起き、膿(うみ)が溜まって化膿します。

この状態がひどくなると腫れ上がり、痛みも伴う状態が化膿性汗腺炎となります。

 

腫れ上がった時の対処方法

化膿性汗腺炎

上の写真は実際に脇の下で化膿性汗腺炎となり、腫れ上がった状態です。

腕を下げると圧がかかってとても痛く、この選手は以前も起こったということで、今回2回目の症状となります。

化膿性汗腺炎は再発するケースが多い症状とも言われています。

腫れた時の対処方法

まず皮膚科に受診して原因を突き止めましょう

 

原因が何かは素人判断では難しいこと、似たような症状で別の原因も考えられるんです。

 

本人曰く、脇の下のデオドラントを塗ったら腫れたとのことですが...
JUNK TRAINER

少し強いタイプのデオドラントを塗ったとのことですが、今回初めて使用したわけではないので、原因は不衛生だったのではないかと思っています。

 

膿(うみ)を取り除く方法

うみを取り除く方法としてはいくつかあり、その時の状況によって医師が判断して処置をします。

  1. 切開して膿(うみ)を出す(重症)
  2. 注射で吸引してうみを取り除く(中症)
  3. 内服薬などでとりあえず様子を見る(軽症)

今回のケースでは腫れがすごかったので、膿が溜まっているのかと思い、医師が注射で吸引を2箇所実施しましたが、膿(うみ)は出てきませんでした。

まだ表面上に膿(うみ)が溜まっていなく、内服薬と軟膏にて様子を見ることとなりました。

 

注射を2箇所したことで余計痛くなったと文句を言ってました笑
JUNK TRAINER

 

実際に病院(皮膚科)での対応

皮膚科

病院は皮膚科を受診しましょう

 

1.切開して膿(うみ)を出す

今回のケースの選手は、前回なった時にどのように対処したのか確認したら、切開して膿(うみ)を出したとのことでした。

膿(うみ)が出たら痛みも軽減し、その日から練習は行ったということでした。

 

2.注射で吸引して膿(うみ)を出す

化膿性汗腺炎でうみが出た

今回は注射で吸引するも、まだ膿(うみ)が溜まっていなかったので、膿を取り除くことはできませんでした。

注射で2箇所刺したため痛みが増したと言って、この状態では明日練習はできないと言っていました。

 

翌日練習後に膿(うみ)が注射をしたところから出てきていました。

 

2週間くらいかかって、腫れも軽減してスッキリしました
JUNK TRAINER

 

3.薬で対処して様子を見る

病院では内服薬と軟膏と痛み止めを処方していただき様子を見る形となりました。

処方された薬

  • アモキシシリンカプセル250mg(細菌汗腺を治療する飲み薬)
  • ゲンタマイシン硫酸塩軟膏0.1%(細菌感染を治療する塗り薬)
  • カロナール錠500mg(熱を下げたり、痛みを和らげる薬)

3つの薬によって翌日痛みがかなり軽減していたので無事練習は行えています。

 

薬の効果を実感!無事練習ができてひと安心です
JUNK TRAINER

 

病院へ行く時間がない場合はどうするれば

病院にいく時間がなくて

一番は病院受診して原因を突き止めることが最善な方法です。

しかし、どうしても仕事など病院へ受診する時間が取れないケースもあるかと思います。

 

自分の症状が化膿性汗腺炎なのか確認する

確認する方法

  • ネットで検索する
  • 知り合いの専門家に確認する
  • ドラックストアの薬剤師さんにみせて判断

どうしても時間がなくすぐに病院へ行けない時はこのような対応策になるのかと思います。

 

市販薬で様子を見る

  • 初回の症状の場合
  • 以前にも同様な経験がある場合

初回の場合は、専門家に確認してもらうことが良いですが、ドラッグストアの薬剤師さんに確認してもらい、最適な薬を選んでもらいましょう。

以前にも同様な経験がある場合は、使用していた薬を試してみて様子を見て、行けるタイミングで病院を受診しましょう。

 

今回処方していただいた薬の内服薬は抗生物質になります。

抗生物質は市販されていませんので、病院へ受診し、診察を受けて適切に処方してもらいましょう。

ゲンタマイシン硫酸塩軟膏も市販されていません。

違う抗生物質からなる製品は販売されていますので、代用として使用することは可能です。

  • ドルマイシン軟膏
  • ドルマイコーチ軟膏
  • テラマイシン軟膏
  • テラ・コートリル軟膏

 

 

 

悪化するようなら病院受診する

市販薬と病院でもらう処方薬は全く同じ成分とは限りません。

市販薬で様子を見ても改善しない場合は、時間ができたら病院へ受診したほうが賢明です。

 

病院受診のデメリット

  • どの病院へ行けばいいのか調べるのが面倒
  • この病院で大丈夫なのか不安
  • 診察時間と仕事が合わないので都合がつけられない
  • 待ち時間が長すぎる

病院受診のメリット

  • 原因がわかり適切な対応ができる
  • 原因不明の場合や精密検査が必要なら、別の病院を紹介してくれる
  • 市販薬で悪化すると無駄に出費してしまう
  • 他の悩みもついでに確認でき、治療にも発展する
  • 良い病院ならホームドクターとして信頼できる

病院選びは大変ですが、行かないこと(行動しないこと)には進展しないので、時間を作って受診したほうが良いです。

 

アスリートの場合ドーピングに対応した薬なのか確認

ドーピングに対応した薬

アスリートの場合、ドーピング検査の対象選手は、薬の摂取も注意しなければなりません。

バスケットボールの場合

  • Bリーグ選手
  • Wリーグ選手
  • オールジャパン
  • 国体
  • 各カテゴリー日本代表選手

上記の大会やリーグに関わっている選手はドーピング対象選手となります。

国体も対象の大会なので都道府県を代表する高校生も対象となるので知識をつけよう!
JUNK TRAINER

 

対応した薬の検索方法

  • Global DRO
  • 薬剤師のためのアンチ・ドーピング ガイドブック

市販薬を調べるには薬剤師のためのアンチ・ドーピング ガイドブックが便利です

 

選手がドーピングに関して確認すべき点に関してはこちらの記事を参考に
【わかる】選手がドーピングで実際に確認すべき7つの事

 

Grobal DROで検索

ドーピングに対応した薬を検索できるサイトです

参考サイト

https://www.globaldro.com/JP/search

Global DRO

アモキシシリン

Global DROから各項目を選択します。

  1. ユーザータイプ
  2. 競技
  3. 薬の購入国
  4. 検索に薬の名称を入力

いくつかの薬名が表示されたら、確認したい薬名をクリックすると検索できます。

WADA禁止表国際基準のステータスにて緑色の枠で禁止されていないとなっていれば使用可能な薬となります

 

ゲンタマイシン

カロナール

今回検索した3つの薬は全て使用可能ということです。

  • アモキシシリンカプセル250mg(細菌汗腺を治療する飲み薬)
  • ゲンタマイシン硫酸塩軟膏0.1%(細菌感染を治療する塗り薬)
  • カロナール錠500mg(熱を下げたり、痛みを和らげる薬)

 

ドーピングの検査実施には2つの方法があります

  1. 競技会検査
  2. 競技会外検査

競技会(時)とは

大会の試合後に実施されるドーピング検査です

代表例としてオリンピックの試合後、メダリストは必ずそのままドーピングの検査となります。

競技会外検査とは

いわゆる抜き打ち検査にあたります。

ある日突然、ドーピング検査員が自宅やクラブハウスに訪れて、その場で検査を行うケースです。

このような選手は競技力に優れていたりと、事前にADAMSという居所情報を登録している選手が対象者です。

 

薬剤師のためのアンチ・ドーピング・ガイドブック

100ページ程度のガイドブックとしてダウンロード可能なので、自分ではよくわからない場合、病院へ受診した際やドラッグストアで購入する際にこちらを携帯やタブレットにダウンロードしておいて専門家に見せて、記載されている中から処方してもらうようにすれば、問題なく使用できるかと思います。

参考サイト:日本薬剤師会

https://www.nichiyaku.or.jp/activities/anti-doping/about.html

  • 携帯やタブレットにダウンロードしておく
  • 病院の診察時に医師にこちらの項目から処方してもらうように伝える
  • ドラックストアでは薬剤師さんに見せてこちらから選んでもらおう
選手を病院へ受診するときは、このガイドブックから処方してもらってますよ
JUNK TRAINER

 

薬剤師のためのアンチ・ドーピングガイド

薬剤師のためのアンチ・ドーピング ガイドブックのP38に市販薬での化膿性疾患用薬の項目にいくつかの製品名が記載されています。

見出しの『市販薬で様子を見る』の項目で紹介したゲンタマイシン硫酸塩の代わりになる軟膏の中に2つの製品が記載されています。

 

ドーピングに対応した化膿性の皮膚炎の軟膏

  • ドルマイシン軟膏
  • テラマイシン軟膏

この2つはドーピングに対応した製品になるということになりますので、アスリートも使用可能な軟膏になります。

 

このようにしてドーピングに対応した薬を調べることができますよ
JUNK TRAINER

 

 

 

まとめ

まとめ

化膿性汗腺炎に関して記してきました。

病院(皮膚科)に受診したほうが原因がわかり、適切な薬が処方される。

抗生物質は市販薬ではないものが多く、処方薬になるので、都合がつかない場合以外は病院受診が最適だと思います。

 

まとめ

  1. 腫れた原因がなにか特定するために病院を受診する
  2. 病院は皮膚科を受診する
  3. 膿(うみ)が痛みの原因となり、切開/注射吸引/薬での対応が一般的
  4. 内服薬(抗生物質)は飲みきろう
  5. 病院へ行く時間がない場合は市販薬で様子を見る
  6. 行けるタイミングで病院受診
  7. アスリートはドーピングに対応した薬を使うように
  8. 薬の調べ方はGlobal DROまたは薬剤師のためのアンチ・ドーピングガイドブック

抗生物質は処方薬でしか入手できないケースが多い。

アスリートはドーピングに対応した薬を処方してもらおう。

市販薬を使用する際は次の2つの軟膏がドーピング対応となる。

  • ドルマイシン軟膏
  • テラマイシン軟膏

 

化膿性汗腺炎の方やアスリートで薬選びに困っている方の参考になれば幸いです。

 

 

こちらの記事もどうぞ

【手のケア】バスケ選手が冬に繰り返えすひび・あかぎれ5つの知識

続きを見る

スタミナ要因となる乳酸性作業閾値(LT値)に特化した『カツサプ』

続きを見る

-ジュニア世代, ドーピング, バスケ, プロ選手, ユース世代,
-,