中学生や高校生は怪我の経験値も少なく、チームの状況によっては練習を休んでしまうとメンバーから外される事などもあり、練習をやりながら怪我とうまく付き合っている人も多いかと思います。
怪我をした時に、テーピングで固定すれば怪我をしていても大丈夫という考え方が先行してしまい、場合によってはさらに悪化させて復帰が大幅に遅れてしまう事もあります。
私はプロチームでトレーナーとして活動し、数多くの学生チームにもトレーナーとして活動していました。
この記事では正しい怪我の対応や予防の知識を理解することができます。
この記事を読むことで、自分自身で対応するセルフケアも含めて、怪我をした部分に対して適切な対応ができるよう解説していきます。
結 論 |
テーピングでは怪我は治らない テーピングは運動時に怪我の再発や予防に活用するもの 柔軟性や可動域、筋力強化、アイシング等のセルフケアが怪我の回復に大切 |
テーピングでは症状は改善しない
テーピングを実施する事でプレイできることは十分可能な場合はあります。
特にチームにトレーナーがいたり、近くの接骨院などの医療機関に経験値の高いトレーナーの方がいた場合、同じようなテーピングでも効果や機能が巻く人によって大きく異なるので、プレイできてしまう場合もあります。
ただし、試合や大会でどうしてもという場合は仕方ないケースもありますが、プレイできても悪化する可能性は高いので、調整するリハビリ期間が必要になるかと思います。
テーピングをすることで痛みは軽減できても、治るわけではなく、スポーツを行う際の対処方法なわけなのです。
運動時の予防として
テーピングは怪我をしないように予防として行う場合があります。
プロ選手など試合が多いリーグ戦の場合では、怪我をしてしまうとその後の試合に欠場しなければならなくなる為に予防のテーピングをします。
もし捻挫をした場合でもテーピングを行なっていれば軽傷で済んだり、その後の試合には出場できる状態になったりと、あらかじめ予防としてテーピングを行うことで、最悪のアクシデントを防ぐことは可能になります。
怪我の再発防止の為
怪我をして復帰する際に、完全に良くなってから復帰できれば良いのですが、実際には慣らしながら徐々に練習に参加していくケースは多いかと思います。
その際にテーピングで再発しないよう保護することで、練習に参加できる要素も増えていくかと思います。
痛みや負担を減らす為
同じ部位のテーピングにも様々な方法があって、ただ固定して保護するだけでなく、痛みを軽減させることや負担を軽減させるテーピングの方法もあります。
テーピングすることで、練習や試合での痛みや動きをコントロールすることも可能なわけです。
テーピングのテクニックで改善
パッと見た場合、同じテーピングでも引っ張り加減や圧のかけ方で効果が大きく異なるということです。
特にキネシオテープは使い方によっては大きな違いが出やすい、テーピングの種類となっています。
患部を改善させるには
テーピングはあくまでも運動するための手段としての対処方法です。
テーピングをしたからといって患部の症状が改善されるわけではないので、それ以外のアプローチをしていく必要があります。
柔軟性向上
怪我をした場合、腫れたり、安静にする期間もあるため、関節や筋肉などが硬くなってしまいます。
そのため、筋肉や筋膜の動きを出すように柔軟性を向上させる必要が出てきます。
柔軟性を向上させる方法
- ストレッチ
- マッサージ
- 筋膜リリース
- 入浴
- 筋力トレーニング
- 可動域訓練
など
上記の方法を用いて柔軟性を向上していくことが大切となります。
例えば足関節の場合
足関節を捻挫すると筋肉の機能低下が起こり、硬くなり足首が反りにくくなります。
足首が反りにくい状態で無理に動き出すと、くるぶしの後方に痛みが出てきます。
柔軟性が低下して、筋肉が硬くなり、無理に伸ばされることで痛みがでているような現象です。
このような場合はストレッチボードを活用して段階的に柔軟性を高めていきましょう。
ストレッチボードの活用の仕方はこちらを参考に
関節の可動域獲得(動きを改善)
筋肉が固い事も影響しますが、関節の組織が固まってしまう事で関節自体の動きが悪くなってしまいます。
その状態で運動する事で、曲がりが悪いことによって別の部分に負担がかかりやすくなってしまいます。
関節の動きが悪くなる要因として
- 筋肉が硬くなる
- 筋膜が癒着する
- 腫れが出て動きが悪くなる
- 組織が修復中
- 筋肉のバランスが悪くなり動きに制限
関節の動く範囲を正常にすることで、他の部位への負担をかけないこと、全身の動作の崩れを引き起こす原因にもなるので改善させる必要があります。
筋力強化
怪我をするとその部位の筋力がかなり低下してしまい、全体のバランス感覚も悪化してしまいます。
そのため、しっかり強化していく必要があります。
筋肉の役割として
- 力を発揮するための筋肉(アウターマッスル)
- 安定感・固定感を出すための筋肉(インナーマッスル)
怪我をした際に先ず強化するのはインナーマッスルになります。
安定化感やバランス感覚を取り戻すことが先決です。
チューブを使ったトレーニングや自体重のトレーニングなど地味なトレーニングですが重要です。
筋肉の働きには
- 縮めて使う
- 固定して使う
- 伸ばされながら耐える
という筋肉の収縮形態があり、理解することで効率よく強化できます。
筋収縮形態の詳細はこちら
【筋収縮形態】筋肉にある3つの働きを理解しライバルと差をつけろ!!
怪我をしてしまった時よりもさらに強化して再発予防するようになると尚良いです。
怪我する前とおなじに戻っても、そのレベルでは怪我が起こるということです。
筋肉に刺激を入れて動かすことで、柔軟性が向上し、関節可動域も改善されやすくなるので、相乗効果が期待できる部分であります。
動作習得
怪我をしてしまったシーンをよく思い出して見てください。
怪我のタイプとして
- アクシデント(外力)
- 自分自身による(自爆)
アクシデントで仕方がない場合と自分自身に問題があって怪我をしてしまった場合とでは大きく異なってきます。
特に自分自身の動きをコントロールできなかった事で怪我をした場合、そもそも筋力や体の使い方に改善点があったということになります。
自分自身による怪我が起こるケース
- 筋力不足、体重をコントロールできない
- 動きのクセにより起こりやすい怪我につながる
- 体の使い方や怪我予防の動作習慣が未完成
- セルフケア不足で疲労による筋肉の硬さ
- 怪我の不完全状態での復帰により再受傷
このような点から自分自身による怪我は発生します。
悪い動作や体の使い方を改善して怪我が起こる可能性のあるリスクを減らす必要があります。
練習後のアイシング
練習や試合で使うと身体は炎症症状が出ます。
機械や携帯電話でも同じように長時間使用すると熱を出すの同じようなことです。
特に怪我をしている部分はより負担が多いので、熱を発しています。
ひどく炎症が出ると腫れとなって水を出して熱を抑えようと反応するわけです。
そのためクールダウンで、アイシングをする必要があります。
アイシングをする事で患部の炎症を抑えることができるので、次に使う時に状態をよくすることができるというわけです。
アイシングの詳細はこちらを参考に
【必須】選手のアイシングで怪我の予防と回復に
まとめ
怪我をしてそのままにしておいてもある程度は回復していくけれど、しっかりとした対応をすることで完治することができることは多い。
まとめ
- テーピングでは怪我は治らない。
- テーピングは、保護したり、固定したり、サポートしたりすることで試合や練習を行えるようにしてくれる対処方法である。
- 怪我をすると、硬くなり動きが悪くなるので、ストレッチや関節可動域を出す動作を行おう。
- 怪我をすると筋力が低下するので、まずはインナーマッスルの強化をしよう。
- 怪我が起こった要因として自分自身の体の使い方をを見直そう。
- 運動後は炎症が起こりやすいのでアイシングで患部を冷却しよう。
上記のような取り組みを心がけていれば、テーピングをして無理に試合や練習を行っても、負担は徐々に軽減されていくので、回復方向に向かいます。
プロ選手も自分自身の体を大切にして、競技に集中できるように努力しています。
学生の方は、怪我に慣れていないことが多く、痛みや怪我の事、ケアの仕方までわからないことの方が多いかと思います。
怪我に対して対応できるように知識もつけていきましょう。
この記事が参考になれば幸いです
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