チーム モンゴル

モンゴルで活動するきっかけとなった手術の対応

2020年4月22日


 
2013年からおよそ2年弱の間、モンゴルのプロバスケットボールチームで活動した。

なぜオファーが来たのかは、白鴎大学に関わっている際にモンゴルの留学生がいたことが影響している。

そして、日本で前十字靭帯の手術を2名対応したことがきっかけとなっている。

その辺りを記していきたい。
 
 

モンゴルから一本の国際電話

当時リンク栃木ブレックスでヘッドトレーナーとして活動していた。

選手のケアをしていたら、知らない国際番号からの電話であった。

電話に出ると、白鴎大学時代の教え子(アナラ)の留学生からの電話であった。

もう1人白鴎大学にはモンゴルからの留学生がいて、バタという。

2人ともモンゴルではモンゴル代表選手で活躍していた選手である。

バタとはその2年前の東アジア大会でモンゴル代表の選手として出場し、私は日本代表のトレーナーとして大会に出場し、南京で再開している。

そして実際に予選で試合もしている。日本が勝ったが前半は互角の試合展開となり、ヒヤヒヤしていた。

その電話の会話は

友人
バタが前十字靭帯切ったんですけどどうすればいいですか?
モンゴルで手術できないの?
JUNK TRAINER
友人
モンゴルだと前十字靭帯の手術が4例しかなく怖いんです...

日本か韓国で手術したいんですけど...

手術はできるけど保険きかないから実費になるけど大丈夫?
JUNK TRAINER
友人
バタに確認してまた連絡します...
了解!
JUNK TRAINER

こんな内容で、まさか日本でわざわざ手術するとは思っていなかったわけです。
 

モンゴルの医療体制

モンゴルは実際に行って見て、病院の設備などをトップの4箇所の国立病院を実際に見学して分かったが、まだまだ発展途上である。

平均寿命も60歳、病院でリハビリしているのが30-40代である。交通渋滞がものすごく、車のナンバーの下一桁で日替わりに偶数と奇数で運転の規制をかけているほどである。

そのため、まず救急車が間に合わない、救急車も国に数台しかないような状況であった。

そのため、心筋梗塞や脳梗塞を起こすと命は助からない。そのため、助かって病院でリハビリしている方は30-40代である。

ケガに関してもまだまだ発展途上である。韓国系の医師がいる病院もあるが、手術の水準まではまだまだ時間がかかりそうであるような状況である。
 

モンゴルは海外で手術が当たり前

モンゴルでは貧富の差が極端である。そのため、富裕層は出産も韓国で行うことが一般的である。日本はルートもそうであるが、モンゴル語や英語が全く浸透していないので、対応できないことが現状である。

そのため、何かあったら、韓国の病院にいくという形である。
 

日本で手術することになる

今回バタは、日本で手術したいので対応してほしいとのことである。MRIはモンゴルでも釣ることができるので、MRIのデータを送ってもらった。

バタに関しては日本で7年留学しているので、日本語は問題ないので安心である。

とは行っても手術に際し、事前に診察や入院前検査など行うことが当たり前であるが、それができないので、栃木のチームドクターの塩谷先生にお願いして、無理やり対応してもらえることとなった。
 
 

モンゴルから手術で来日

こちらもシーズン中のことなので、チームの仕事を行なって、病院に直行である。埼玉の病院であったので、現地で合流して、最初妻に立会いや手続きはお願いし、手術後になんとか合流できた。

手術は無事終了して、4日間だけ入院となった。
 

全額負担の医療費用

保険が効かないため、かなりの高額となってしまう。そのため、入院を短くして費用を節約しなければならない。

およそ130万円くらいかかってしまう。日本の医療保険制度がいかに素晴らしいか理解できた瞬間であった。

退院日をオフの月曜日にしてもらい、車で迎えに行った。
 

1ヶ月宇都宮で生活

手術は終わったものの、モンゴルでは代表選手であるので、しっかりと復帰させなければならない。

モンゴルにはリハビリという概念がまだまだない状態であった。理学療法士も国で1名が日本でなんとか資格をいただけたというレベルであった。

そのため、最低でも1ヶ月は日本で、しかも医療費がかからない形でリハビリを行うには、私自身が行うしかない。

費用もかなりかかっているので、1ヶ月のマンスリーマンションを宇都宮駅側に借りてあげて住ませてあげた。
 

1ヶ月だけのリハビリ対応


 
ほぼ毎日朝一番でリハビリを実施する。そして練習後にも再び膝の確認という形で通常よりも早い形を取りながら進めて行った。

通常歩行できるレベルにはなり、その後の段階的なリハビリも指示し、あとはメールで画像と周囲計の測定をして行った。

その頃になると、オンラインで電話ができるようになっていたので、スカイプを利用して対応できたのは良い時代の始まりであった。

その後、彼の努力もあるが問題なく、競技復帰できているので一役買えたかと思っている。
 
 

2人目のモンゴル人の手術

久しぶりにバタから連絡があり、再受傷でもしたのかとヒヤヒヤしていたら、別のモンゴル人(ジャック)のチームメイトが前十字を切ったという連絡であった。

膝がロックして半月板の損傷もある。まずMRIとって送ってということで、メールしてもらった。

その当時はまだMRIのデータ量をメールで送ることができないので、写真で撮ったもの数枚であった。

そのため、正確な判断ができないので、MRIも持ってきて日本で手術することとなった。

MRIの画像上、モンゴルの医師は前十字靭帯損傷というが、こちらの見解としては半月板と前十字靭帯は怪しいなという形であった。
 

モンゴルでの誤審での手術

手術費用がかなり気になっているようで半月板だけだと70万円くらいで済むが、前十字靭帯再建術は130万円くらいする。

かなりの金額差となってしまう。

実際に手術したら、半月板損傷はあるが、前十字靭帯に関しては2重の繊維の半分は残っていた。

しかし、実際に機能していないので、バスケットボールをやる際に問題となるため、前十字靭帯も行った。
 

言葉が通じない中での対応


 
バタの時と大きく違うのは、言葉の問題である。英語はカタコトで話せるレベルであるが、病院の看護師含め全て英語が通じないのである。モンゴル語が話せるわけがなく、日本にいるモンゴル人の友達に初日はきてもらったが、それ以外が通じない。

電話で対応してもらったりとかなり病院側にも迷惑をかけてしまった。

病院は日本人も退屈だし、やることない。

モンゴル人はもっと暇だと思う。私がポケットwifiがあって貸してあげたからなんとかなったと思う。

wifiは大切だと実感した。

退院でもこちらで全て対応し、なんとか手術は無事終えることができた。

栃木のチームドクターの塩谷先生はじめ、埼玉県川越市にある武蔵野総合病院には大変お世話になった。

↑退院時の写真(友人バヤル、ジャック、私)
 

1ヶ月宇都宮で生活


 
手術後の装具も高額となってしまうので、装具士さんが使っていないものを改良して無料で対応してくれた。

さて私もシーズン中であり、正直送迎すら負担であるわけだ。さらにこのジャックとはほぼ初対面である。バタのチームメイトというだけで赤の他人である。

とは行ってもわざわざ私を頼って信頼してくれて、言葉の通じない異国の地で手術する覚悟があるわけだから、こちらもしっかりと対応しなくてはなない。

そのため、リハビリも部屋も全てこちらで対応してあげなければならない。

1ヶ月のマンスリーを借りてあげたのだが、1人で心細かったのだろう。

遠征で宇都宮を離れなければならないこともあったので、宇都宮でモンゴル人の留学生がいないか調べたら、1人いたので、バイト料払って世話をしてもらったこともある。

都内から友達も入れ替わりで対応してくれたので助かった。
 

1ヶ月間のリハビリとお世話


 
1ヶ月間世話役の付き人である。朝一番でリハビリを行う。1人にさせるわけにもいかないから、ブレックスの練習を毎日見学していた。

本人もモンゴルではプロ選手であるから、川村選手や田臥選手など日本代表選手のことはよく知っていたので興奮していた。

夜になると、毎日夕食を一緒に食べた。全てが新鮮なのだろう興味津々である。

モンゴル人は魚が美味しい。お米が美味しい。ラーメンが美味しい。と行った具合である。

羊が主食なのでラム肉の店に行ったらまずいということであった。

この辺りの感覚は違うんだなとこちらも勉強になる。

ナイキやユニクロがモンゴルでは人気が高く、家族にと買い漁っていた。

モンゴルは冬-40度くらいまで下がるので、ナイキのダウンがかなりオシャレのようである。

ユニクロのフリースが軽くて暖かいので画期的な製品らしい。

金銭的な問題で、早期退院したため、内出血が広がってしまった。

短期間で状態を良くしないといけないので、かなりご法度な形で進めて行った。

ただし機能的には問題は出なかったので順調であった。
 

 
リハビリも松葉杖歩行がやったことがなかったので、公園で歩行訓練を行っていく。この時に当時選手であった安斎選手が朝一に子供の遊びがてら、ジャックのリハビリに付き合ってくれたのは本当に感謝である。

なんとか帰国までに通常歩行で帰れるまでになり、サポーターなど今後必要なアイテムも渡して帰国してもらった。

その後はメールとスカイプで対応した。

オフになり、モンゴルに行った際にバタ、ジャックの膝の確認をして問題なく、プレイもできていること、膝の状態、一緒にトレーニングも行った。

その後手術をした医師の塩谷先生と装具士の先生もモンゴルに遊びに行った際に、2人の膝の確認とモンゴルの病院設備など現状のモンゴル医療を確認していただけた。
 
 

モンゴルからのオファー

2名のモンゴルのプロ選手の手術とリハビリを行い、問題なく復帰でき、また実際にモンゴルに行って彼らやその仲間たちにクリニックやトレーニング指導も行っている。

さらに医師と装具士が実際にモンゴルに行って現地の医師にアドバイスなど行ってくれたことも大きいかと思う。

そういった経緯から、モンゴルにはトレーナーという仕事がまだないので、オファーを頂けたのだと思っている。

医師やその他の方々になんで知らない外人にそこまでしてあげるの?と聞かれたことが何度もある。

でも私の感覚は、わざわざ海外から何もわからない状態で、選手復帰するために決断してきたからには、最善を尽くして対応することは大切な行動なのかと思っている。

もちろん全てができるような、ゆとりある生活ができているわけではないが、一期一会という言葉がある。

常に自分なりの最善尽くしたことで、意外なオファーがいたたけていることも事実である。

何が起こるかわからないし、できる限りのことをしていけばいつかプラスに働くのかと思っている。
 

モンゴルに2度訪れ決断

その翌シーズンオフに再びモンゴルを訪れた。

実際に旅行で行くことと生活することは大きな違いがあるということは理解しているので、その辺り生活していけるのか、モンゴルで活動する価値があるのかということを確認するために訪れた。

海外で仕事ができるということはそうそうある話ではない。

日本ではそれなりに若き頃に立てた目標は全てクリアしている。

タイミングとしては新たなチャレンジをしてみるのも良い機会かと思い、モンゴル行きを決断した。
 
 
この記事が参考になれば幸いです。
 
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