プロチームでは試合に遠征はつきものです。
シーズン通して遠征の回数はかなり多くなり、疲労度も増してきます。
いかに遠征先で余計な負担がかからないように工夫するかで、疲労やメンタルも維持できます。
この記事では遠征に対する事前準備や実際に起こるケース、遠征でのトレーナーの仕事などを紹介します。
この記事を読むことで遠征に対して効率よく対応できるように参考にしていただければと思います。
まとめ
- 荷物の事前の準備をして発送するもの、直接運ぶ荷物を明確にする
- 治療器は精密機器なので直接持っていくことを考え、自分の荷物を調整する
- マネージャーにトレーナールームは一番広い部屋の確保とタオルなどの準備を依頼
- 換気がないことを想定し、消毒液の準備など自分なりの対策を
- 長時間労働となるので寝れる時は寝ておく
- 自分自身リラックスできるような環境整備を
遠征の準備
プロバスケのBリーグではレギュラーシーズンが60試合ある。
そのうち半数の30試合はアウェイゲームとなり遠征になる。
さらにホームゲームでも都道府県内の遠方でも数試合行われるため、泊まりがけでのホームゲーム開催もある。
よって試合で泊まりがけの遠征になることはかなり多くなる。
プロバスケBリーグの場合
- レギュラーシーズンは60試合 +プレイオフ
- 30試合がアウェイゲームで遠征となる。
- ホームでも遠方があるので遠征はさらに増える
遠征では荷物を事前に準備して、忘れ物がないようにしなければならない。
この辺りはトレーナーだけでなく、マネージャーも遠征の準備に神経を使うわけである。
事前に配送する荷物
遠征に際して、荷物も事前に配送するものと遠征時に持っていくものがある。
荷物の準備
- 事前に発送する荷物
- 直接持っていく荷物
移動手段によっても影響します。
飛行機移動、新幹線移動、バス移動によって発送する荷物も異なってきます。
事前に発送する荷物は、遠征までに使用しなくても大丈夫なもので試合当日に必要なもの、万一に備えあった方が良いものを厳選しておきます。
テーピング
テーピングは在庫があるので、試合で使う分にアクシデントに備え少し多めに準備しておきます。
テーピングにも様々な種類があるため、その量はかなり多くなります。
テーピングの種類
アンダーラップ
ホワイト13/25/38/50mm
伸縮ソフト25/50/75mm
伸縮ハード25/50/75mm
キネシオタイプ50/75mm
ヒール&レースパッド
など
サポーター
プロバスケの試合の場合怪我がつきものです。
2日間連続して試合を行うことが多いので、何かに備えサポーターも準備します。
サポーターにも多種多様となるので、厳選して打撲に対してやパッド付きカバータイプ、鼻骨用のフェイスガードなどあると状況によって試合に出場させることはできるかと思います。
選手が忘れた時の準備としても用意しておくと良いです。
トレーナーの道具
トレーナーの必要な用具はかなり多くなってしまいますので、厳選して選ぶようにした方がコンパクトになります。
可能な限り荷物は少ない方が良いので、うまく対応することが大切です。
アクシデントが起こって必要となるものは、ホームチームに借りることも可能な場合もあります。
帰路したら即発送して返すようにしましょう。
トレーナーの必要なアイテム
トレーナーの荷物はかなり多くなります。
トータルすると一人では持ち運びができないのでカートや台車を使うくらい実際にあります。
テーピングバッグ
チームによっても異なるかと思いますが、テーピングバッグも遠征用と練習時用にわけて、極力発送した方が負担は軽減できます。
トレーナーバッグ
プロチームでは大きなトレーナーバッグにテーピングやトレーナーが必要な救急キットなど入れることが多いかと思います。
ただし大きいこと、重い事があり、とても遠征では不便となるケースもあります。
サポーター
通常トレーナーが所持するサポーターは万一に備えてのものとなるため、使用しません。
そのため、発送して送ってしまいます。
選手の中には負傷して、戦闘力0になる場合と、逆に火がつき戦闘力MAXになるタイプがいるので、怪我してもやる気があって戻るような場合はテーピングやサポーターをしてコートに戻してあげられます。
選手はアドレナリンが出ているので、意外と試合はできてしまうものです。
しかし、その後痛みが増して、翌日できなくなるケースは多くあります。
PCR検査キット
現在BリーグではPCR検査を実施しています。2週間に1度検査をして、検査したものを発送して届けるシステムとなっています。
タイミングによっては遠征先で検査をしなければならないこともあるので、荷物も増えるわけです。
道具を最低2パターン準備
チームによって方針や予算も異なり遠征に対して対応の仕方も異なるかと思います。
荷物を事前に送れるチームでは、試合で必要となる道具を2個づつ用意したほうが遠征時に効率的です。
全ての荷物を直接持っていく方が忘れ物は防げるかと思いますが、荷物の量がとてつもなく膨大となります。
2個づつ準備することで試合用で荷物を発送しても、練習で道具がないということは避けられる為です。
遠征対策として
同じものを2個づつ準備しておくと発送用と練習用に分けられるので必須です
セルフケア用具
セルフケアの道具も最近では多種あるため荷物も多くなります。
しかし、道具がなく選手がルーティン通りできなく怪我でもしたら最悪の事態です。
そうならないよう、同じものを2個準備する方が賢明です。
テーピングバッグ
テーピングバッグも1つしかないと常に遠征時に持ち歩かなくてはならなくなります。
遠征時には自分の荷物と治療器は最低限自分で持ち歩かなければならない荷物となるので、さらにテーピングバッグまで持ち歩くと移動が不便でなりません。
遠征の持ち物
移動手段によっても異なってくるかと思いますが、荷物は極力少ない方が良いわけです。
ただしトレーナーやマネージャーは荷物が多くなりがちです。
いかに効率よく、移動中にリラックスできるかも大切な部分です。
移動先では長時間の拘束が待っているので!
チームの備品
直接持って行った方が良いものや1個しかなく試合で使うもの、発送荷物に入れ忘れたものは自分で持っていかなくてはなりません。
発送準備の際にメモに書いて入れ忘れがないようにしたいものです。
治療器
最近の治療器はコンパクトになり、持ち運びができるようになっています。
とは言ってもキャリーケースには入らなく、手持ちしなければならない荷物となり、移動中邪魔な存在となります。
精密機器となるため、発送して故障しても対応してもらえなく自己責任となるので手で持つことが必須となります。
自分の荷物
遠征に自分自身のキャリーケースは必要となるので最低限の荷物となります。
着替えやシューズなどが主ですが、身の回り物も遠征には必要となります。
ケアルーム
宿泊するホテルによってスペースが全く異なるので、プロチームの経済状況にホテルのグレードは左右されてしまいます。
ツインルーム
ケアルームは基本的にツインルームを使用して、そこが自分の部屋でもあります。
スペースがないと荷物を置くこともままならないことになります。
そのためにもトレーナーバッグはコンパクトにした方がよく、2個に分けた方が都合が良いです。
タオルやシーツの手配
コロナ対策でベッドのシーツやタオルを多く準備してもらいます。
選手がベッドで顔をつけるのでバスタオルを顔に引いて選手ごとに取り替えなければ、万一感染者が出た場合、クラスターになってしまうわけです。
濃厚接触者になってしまうのは仕方がないものの、クラスターは避けなければならないということです。
コロナ対策
ホテルによっては窓が開かず空気の入れ替えができないホテルもよくあります。
空気清浄機があれば常時回すこと、自分自身の対策としては小型の扇風機を持参して空調を良くするようにしています。
選手が多く出入りするので、最も影響を受けるのは正直トレーナーになってしまいます。
そのため、ケア中もマスクを外すことができなく、長時間マスクを着用しなければならないのも辛いです。
コロナ対策
選手の出入りが多いので最悪の事態を想定するもクラスターは起こさないという考えにて
- タオルの交換
- 換気をよく
- マスク装着
- 消毒を部屋内に撒く
クレームが入る場合も
トレーナールームは人の出入りが多いので、日本の場合ですとドアを開けておくことが通例となります。
しかし、海外ではドアを開けていると強盗に襲われることもあるため、ドアを閉めることが当たり前となります。
コロナになって、一般客からドアが空いているとクレームが入ることもあるので、迷惑にならないよう注意しながらケアもしなければならないご時世となっています。
怪我人が出てしまうと
試合にて怪我人が出てしまうと、とても大変なことになります。チームドクターがチームに帯同してくれるチームではドクターに任せれば良いのですが、なかなかそのようなチームもまだまだ少ない限りです。
病院への帯同
病院にトレーナーが帯同するとケアができなくなってしまいます。
そのため、他のチームスタッフに任せる形を取るケースもあります。
この辺りは怪我の程度にもよるかと思います。
トレーナー2名体制でないと、回らなくなるということです。
時間の制約
連日試合の場合が多く、ナイトゲームから翌日デイゲームというスケジュールも多くあります。
時間的に24時間ないわけですので、深夜までケアする形となります。
選手によっては寝てしまうので翌朝ケアをするということにもなります。
限られた時間の中で、いかに効率よく時間を使うかということも大切になります。
治療の限界
限られた時間の中でのケアとなるので、良い状態にできるかといえばそうとは限らないのが通例です。
この辺りはトレーナーの人材増員が必要なチームは圧倒的に多いかと思います。
試合に出場させるか判断
怪我をした場合、翌日の試合に出場できるかという判断をしなければなりません。
当日良くても、翌日に痛みが出るケースもあるので、とても難しい点ですが、トレーナーは決断を迫られることが多いです。
酷使する身体
長時間労働
スタッフは皆長時間働く形となりますが、トレーナーは肉体労働なので、身体的にキツくなります。
そのため、日頃から体力は十分につけておく必要があります。
ケアで疲弊
ケアも1人に1時間かけて5人行う5時間と、1人30分で10人に行う5時間では疲労度は圧倒的に大人数に対応する方が疲れます。
トレーナー1人体制と2人体制では仕事量だけでなく、精神的にも疲労します。
マスク着用
朝8時頃からマスクをつけて夜の12時すぎまでマスクをつけるような生活はとても辛いものです。
特にホテルは換気が悪く、部屋が暑くなりがちです。
汗だくでケアすることもよくあります。
睡眠不足 夜中に洗濯
遠征に行くと極端に睡眠不足となってしまいます。
夜遅くまでケアをして、それから自分の洗濯をすると2時くらいまでかかります。
そして翌朝5時頃には起きてしまうので睡眠不足となります。
遠征では体質的なのか寝れなくなります。
換気がない不安
ホテルの部屋は高層ビルタイプだと確実に窓が開きません。
空調もホテル管轄となる場合もあるので、冷暖房の切り替えが行えないこともよくあります。
暑いのに暖房しかつかないということはよくあることです。
換気がないので、空気清浄機がないとトレーナーにとってはコロナがとても不安になります。
トレーナールームは選手の出入りが多く、万一感染者がいたら、自分も確実に陽性者になるんだろうなと思う限りです。
そのため、消毒液を部屋中にまいて対応するくらいしかできない場合もあります。
遠征でのストレス
遠征ではちょっとしたことが不便に感じてしまいます。
ホテルのwifiが遅すぎてネットが繋がらないこと、トイレのウォシュレットがない、または弱い。
洗濯のコインランドリーがなく、外で探さなければならない。
ちょっとした事ではあるけれど、とても不便に感じてしまうので、自分自身で対応できるようにしなければならないわけです。
高級なホテルだとコインランドリーがない事が多い
グレードが低くなると食事の質や部屋が狭いなど
遠征中のタイムスケジュール
遠征中のタイムスケジュールは以下のようなイメージです。
遠征1日目(移動日) | |
7:30-9:30 | 選手ケア |
10:00 | チーム練習 |
12:30 | 一旦帰宅 |
13:30-18:30 | 移動 |
19:00 | 夕食 |
19:30-23:30 | 選手ケア |
02:00 | 就寝 |
遠征2日目(Game1) | |
5:30 | デスクワーク/朝食 |
8:00 | 選手ケア |
9:00-11:00 | 移動/練習 |
11:00 | 選手ケア/昼食/準備 |
15:00 | 試合 |
18:00 | 夕食 |
18:30-0:00 | 選手ケア |
0:00-02:00 | 洗濯/デスクワーク |
遠征3日目(Game2) | |
05:30 | デスクワーク |
8:00-10:00 | 選手ケア/移動/準備 |
14:00 | 試合 |
17:00-22:00 | 移動/帰宅 |
大雑把ではありますが、大体このような流れになります。
まとめ
遠征に対してはまず事前に発送するものの準備、入れ忘れがないようにしっかりと確認することが大切で、遠征先でバタバタせずに済むようにしましょう。
トレーナーは荷物が多いので、直接持っていくものなども含めて、荷物をコンパクトにしたいところです。
まとめ
- 荷物の事前の準備をして発送するもの、直接運ぶ荷物を明確にする
- 治療器は精密機器なので直接持っていくことを考え、自分の荷物を調整する
- マネージャーにトレーナールームは一番広い部屋の確保とタオルなどの準備を依頼
- 換気がないことを想定し、消毒液の準備など自分なりの対策を
- 長時間労働となるので寝れる時は寝ておく
- 自分自身リラックスできるような環境整備を
長時間の仕事業務、コロナ対策、ホテルでの生活環境、疲労も含めマネージメントして、少しでも良い形にできるとよい。
とは言っても遠征はとても疲れるので、帰宅したらぐったりしてしまうのは何十年経っても同じです。
この記事が少しでも参考になれば幸いです。
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