疲れが全然取れないことってありませんか?
疲労は乳酸がたまることで起こると考えられてきましたが、自律神経の機能低下で起こることがわかってきた。
その辺りの解説とケア方法を紹介する。
結論
・自律神経の機能低下によって起こる。
・疲労原因である活性酸素を除去する
・睡眠が重要でいかに良い睡眠をとれるかセルフケアで対応する。
疲労とは
疲労とは
・過度の肉体的活動
・過度の精神的活動
・疾病によって生じた独特の不快感
・休養の願望
上記によって身体の活動能力の減退状態をいう
疲労のメカニズム
激しい運動をして筋肉にダメージが起こる。
でも実際に疲労を感じているのは脳である。
疲労は脳の影響が大きい
試合で勝った時と負けた時では疲労感も変わってくる。
これは疲労を感じるのが脳であるからである。
脳が疲労するということは、人間の活動のバランスをとっている自律神経の機能低下で起こっている。
身体機能や精神機能が減退すると刺激に対する反応が遅くなる。
また思考力がなくなり、注意散漫となる。
さらに動作が緩慢になり、行動力も減る。
身体機能や精神機能が減退
・刺激に対する反応が遅くなる。
・思考力がなくなり注意散漫となる。
・動作が緩慢となり、行動力が減る。
自律神経系の機能低下で疲労は起こる
脳の自律神経の中枢である視床下部や前帯状回で心拍数や呼吸体温調整などの体調管理をしたり、ストレスに対してやリラックスを調整する働きがある。
よって身体の疲れでも脳での疲れでも自律神経が関与している。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、相互作用によってバランスを保っている。
自律神経
交感神経 | 活動時に働く神経 | 血管が収縮 心拍数上昇 呼吸上昇など |
副交感神経 | リラックス時に働く神経 | 血管が拡張 心拍数下降 呼吸下降など |
疲労の原因は活性酸素によるものだ
人間は活動するときにATP(アデノシン三リン酸)を使い、ADPと乳酸が再合成されて再びATPを作るサイクルを行なっている。
その際に活性酸素を発生する。
活性酸素とは
激しい運動などの場合、特に活性酸素が発生し通常の3倍〜5倍まで増加してしまう。
そうなることで自律神経にも影響し疲労として現れる。
前頭葉の作用
前頭葉にあるドーパミンやβ-エンドルフィンの興奮物質は達成感を生む。
達成感があると、疲れていても疲労感を感じなくなる。
特に仕事が充実している人ほど感じなくなる。
※そのためひと段落したり、アクシデントになった際に一気にどっと疲労が押し寄せてくる。
現代の疲労
・自律神経の機能低下
・栄養不足による疲労ではない
・スタミナ食を食べたからと行って解消されない
・乳酸による疲労でもない、活性酸素が原因である
ただし食事をすることでリラックスし、気分も満たされることで自律神経は改善されるので、食事は一つのセルフケア要素であると思う。
疲労解消のセルフケア
バスケットボール選手や一般の方でも疲労の対策としては自律神経となる。
自律神経に対していかにバランスを取ることができるのかが疲労回復に役立つ。
もちろんトレーニングをすることで、筋肉痛など肉体的な疲労もある。
そのためセルフケアを実施して、翌日にすっきりとした状態で望むことは大切なことである。
睡眠
疲労に対して最も良いのは睡眠である。
ただ寝ればよいのではなく、質の高い睡眠をすることが大切となる。
寝室、睡眠時間、枕、起床時間のリズムなどどのように睡眠をとれば翌日の感覚が良いのか色々と探して欲しい。
選手に質問して多いのが、睡眠時間の確保であった。
長時間寝ることで疲労が回復しやすいという意見はとても多い。
入浴
熱い入浴では交感神経が働き、体が興奮してしまう。
37〜40度のぬるま湯でゆっくりと半身浴をすると副交感神経が作用してリラックスできる。
良い眠りにつながる。
重炭酸湯にしてみるのも良い方法である。
重炭酸湯を薦める理由
私プロトレーナーが選手に疲れを取る方法を聞かれた際に、オススメする方法が重炭酸湯の半身浴である。
以前テレビでスケートの浅田選手が半身浴を行なっているということで、自分も行なって見て良さがわかり、選手に伝えている。
・練習中の疲れた筋肉の毛細血管まで血行が良くなるので疲労が抜ける
・ゆっくりリラックスすることで副交感神経が優位に働く
・風呂の蓋をして読書したり、動画を見たりと自分の時間を確保できる
・重炭酸イオンは血管に吸収しやすい性質
・肌がツっぱらずしっとりとする
ストレッチ
反動をつけてストレッチをすると交感神経が働いてしまいリラックスできません。
そのためゆっくりとジワジワ行うストレッチが疲労を改善する際には有効である。
1つの部位を30秒〜1分くらい時間をかけて行うと良い。
アクティブレスト
試合や合宿など激しい練習をした時は、ただ休むよりも少し体を動かした方が疲労は改善される。
動かしながら休むことをアクティブレストという。
プロの選手は試合の翌日にプールで軽く歩いたり、軽くトレーニングをして動きを出して休む選手が多い。
ただ寝て過ごすよりも血流や筋肉がほぐれより疲労回復しやすい状態となるためだ。
趣味に没頭する
スポーツ選手は常に競技のことを考えてしまう習慣がある。
特に試合に負けた時やうまくいかなかった場合はより考えてしまうと思う。
その状態では脳の疲労が進み、良い状態にはならない。
ベテランの選手ほどオンとオフの切り替えが上手である。
趣味の映画やドラマ、ゲーム、買い物、デート、アウトドア、ペット、子供などと趣味を満喫することでリフレッシュできる。
リラックスできる環境
皆さんも一つはあるかと思うが、落ち着く場所、カフェ、音楽などとてもリラックスできる環境があると思う。
自宅でもそのような環境にすることでリラックスできると思う。
まとめ
選手は試合を行うと(特にナイトゲーム)、身体は疲れていても眠れなくなる選手が多い。
アドレナリンが出ていることで交感神経が働き続け、身体が興奮状態にあるわけだ。
そのため、翌日に疲労がどっと押し寄せてくる。
いかにリラックスできるかがポイントである。
疲労物質の活性酸素を取り除くようにしたい。
それにはセルフケアを有効にして、バランスの良い食事をとる。
そして、睡眠時間を確保して身体のリズムを掴むようにしたい。
運動選手も一般の方も基本的に疲労は自律神経の機能低下で起こるので、改善できるよう自分自身の対策を構築して欲しい。
この記事が参考になれば幸いである。
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