コンディショニング プロ選手 ユース世代

体脂肪率によってバスケ選手が影響する怪我とスタミナ


 
選手のコンディションを確認する際に体脂肪率を測定する。

体脂肪だけでは判断できないが、体重や筋肉量、周囲計などの身体組成を測定してすることでトレーニング成果や食事の改善点など分かることが多く、選手のモチベーション維持や意識の改革にも役立たせることができます。

私の場合バスケットボール選手を中心に20年以上測定しているので、その結果から見えてくる指標があります。

その辺りを説明していきますね
JUNK TRAINER

 

体脂肪率を減らすことで
メリット 大きな怪我を予防できる / スタミナが向上する
デメリット 体脂肪が少なすぎると膜系の怪我を起こしやすくなる(筋膜炎、肉離れ、骨膜炎、疲労骨折など)

 

結 論
体脂肪率が下がっても、体重と筋肉量が減ってしまうとダイエットなのでパフォーマンスは低下する

体重が増加して、体脂肪率が減少すると、筋肉量が増加するので良い傾向

体脂肪が減少すると大きな脚の怪我をある程度防止できること、スタミナが増加する利点がある

体脂肪率が減少しすぎると疲労骨折や筋膜炎などの膜系の障害が起こりやすくなる。

 
 

体脂肪率の測り方

体脂肪の測り方もいくつかあります。

現場では体脂肪計で測るインピーダンス法と皮下脂肪厚を測るキャリパー法の2種類の測定方法があるかと思います。
 

インピーダンス法


 
体重計から体脂肪率も簡単に測定してくれるのでとても便利なものです。

ただ私の場合は、体脂肪計でのインピーダンス法では一人一人の身長など設定することがとても面倒なので、実際に現場では利用していません。

個人の家庭で自己管理する形で使用するのにベストなアイテムかと思います。

測定するに際しポイントとなることは、水分量によってデータが異なってしまうことです。

そのためいつも同じタイミングで測定しないと個人的にもデータが惑わされてしまう可能性もあります。

朝起きてトイレに行った後、寝る前など同じタイミングでの管理は必要なのかと思います。
 

インピーダンス法 体脂肪計の特徴
メリット 自宅で手軽に毎日確認ができる
デメリット 水分量で数値が異なる / 同じタイミングの一定の時間で測定する方が良い  / 数値が高く出る

 

水分量によって数値が変化するので、一定の時間で測るようにしよう!
朝起きてトイレ行った後がベストだね!
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皮下脂肪計にて


キャリパー法とも言いますが、皮膚をつまむようにしてキャリパーで挟み厚みを測定します。

上腕部、肩甲骨の下、腹部の3箇所を測る方法が一般的です。

そして複雑な計算式に当てはめて体脂肪率を出します。

測定する方が慣れていないと数値が異なるので技量が必要で、毎回同じ人が測った方がいいです。

アスリートにはとても向いている測定方法で、細かい違いが数値として現れるので、努力や怠けている事が意外とデータとして現れます。

そのため、トレーニングの改善点や食事の仕方、プロテインの飲み方なども指導できるようになります。

ただし、かなり太っている方にはあまり指標とならない点もあります。
 

キャリパー法 皮下脂肪計での特徴
メリット 皮下脂肪から測定できる / アスリート向き
デメリット 測る人の技量で異なる / 自分で測れない / かなり太った方は測定できない

 

↑上腕部で測定しているところ
 

↑肩甲骨の下で測定しているところ
 

↑腹部で測定しているところ
 

アスリートならこちらの方がコンディショニング管理しやすいね
ただし自分ではできないからな...
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水中体重計

現実的にプロチームでも測定できないので、省きますが最も体脂肪のデータとしては正確なデータに値します。
 

異なる数値

インピーダンス法とキャリパー法では全く異なる体脂肪データが実際に出ます。

そのため、体脂肪率はあくまでも参考程度に捉えた方がいいです。
 

体脂肪データの誤差

・インピーダンス方とキャリパー法はデータが大きく異なる
・キャリパー法の方が低く出やすい
・同じ測定方法で比較する
・キャリパー法でも測る人によって数値が異なる
・あくまでも目安として考える
・測定者が異なる事で数値も変動する

 
 

測定のチェック項目


 
ここからは皮下脂肪厚を測定するキャリパー法のことについて記していく。

私個人的にスポーツ現場では、インピーダンス法では測定に時間がかかりすぎてしまうこと、測定結果から細かい指導ができにくいことによってキャリパー法にて測定している。

体脂肪を測定するにあたって体重も測定する。まずは項目ごとに説明していく。
 

項目の説明

体脂肪率を計算することで様々な数値が確認できる。
 

体重

体全体の総重量である。

体重の増減だけでは、脂肪が増えているのか、筋肉量が増えているのか分かりにくい。
 

体脂肪率

体にある脂肪の割合を%で示したもの。

この数値で怪我のリスクやスタミナもある程度判断できる。
 

脂肪量

体重のうち脂肪だけで何kg、体にあるのかわかる。

kgで表されるので、イメージしやすい。
 

LBM

体重の総重量から脂肪を差し引いた数字。

要するに骨や筋肉や内臓など全てが当てはまる。

成長が緩やかになる高校生あたりでは大きな変動として筋肉量となる。
 

LBM/身長

LBMを身長で割ることで個人的な筋肉量を他の選手と比較することができる。

ただし高身長ほど数値が高くなりやすいため、ガード、フォワード、センターなどのポジションごとに比較することがわかりやすい。
 

その他の検査項目

基本的にPCのエクセルなどの表計算ソフトに数値を入力することで、簡単に計算できる。

その他の項目は計算式を出す関係で必要となってくる。

個人的に複雑な関数を使用できないためである。

計算式に関しては別の機会にさせてもらう。
 

周囲計も測定

体脂肪から出る身体組成のデータだけではわからない点も多いため、周囲計も測ることで信憑性が生まれる。

私の場合、胸囲、腹囲、上腕部、大腿部の4点は測るようにしている。

膝周囲の怪我の既往歴がある場合は大腿部もさらに細かく測定している。
 

身体組成と周囲計を測るとわかりやすい
周囲計はとても時間がかかるので頻度は多くない
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実際に選手のデータから


 
よく体脂肪を測定する場合のデータとしてチームで一覧にして入力している方もいるが、私の場合は個人ごとにシートを作成して折れ線グラフで即確認できるようにしている。

この方がPCにデータを入れれば、その場でフィードバックできるので選手にとってもわかりやすい。

今回は女子バスケットボール部とプロ選手のデータで解説する。
 

女子高校生Aさん:フォワード(1年生から2年生)


 
このチームは県で毎年4位でその壁をなかなか越えられないでいた。

インターハイ予選が終了する頃からフィジカルとメディカルの両方に関わることとなった。

毎年県4位のチームが県で優勝し、WCでベスト16に入っているチームである。

メンバーや運もあるかもしれないが、選手や保護者の努力も大きなポイントである。

■左のデータを見ていただいて緑のラインが左から
・体重
・体脂肪率
・LBM/身長
折れ線グラフで示してある

■右の表は周囲計である
・上腕(左右)
・大腿(左右)
 

体重

身長は高校に入ってからほとんど伸びていない。
しかし、体重を増加させ良い体づくりが行えた例である。
 

体脂肪率

最初は多めの体脂肪率も意識改革ができ、13%台をキープしている。

女子高校生の場合は13%くらいがベストだと思っている。

低すぎると筋膜炎や疲労骨折、シンスプリントなどの障害が発生しやすくなってしまうからだ。

その後も上限はあるものの安定して13%台でキープしている。
 

LBM/身長

身長がほとんど変わらないので、一番大きな増減としては筋肉量として判断できる。

筋肉量としても緩やかであるが右肩上がりの増加をしているので良い形である。
 

周囲計

腕や足の周囲計は脂肪も含めての厚みとなるため、体脂肪が減ると周囲計も減る場合がある。

この時に脂肪が減っていたからサイズダウンしたことを理解させられることで意識も変わっていく。

サイズダウンしていたとしても、体重が増加して、体脂肪が減少し、LBM/身長が増加していれば良い結果ということである。

脂肪が減少して安定すると周囲計も筋肉量の増加として判断できることなので分かりやすい。

高校生は脚のサイズよりも上腕のサイズが増加することがわかるかと思う。

常日頃から走っているので、トレーニングで強化されるのは体幹や上肢が顕著に伸びてくる。
 

ポイント

データは増減しながら変化していく。
その時の状況によっても変わってくる。
試合ばかりだと筋肉量が減っていく。
コーチの練習構成にも一役かえる

 
このチームの場合、平日でも練習が3-4時間、休みの日は必ず2部練習とかなりエネルギー消費量が多いチームであった。

なかなか理解してもらえなく、一番は先生を指導していくことが課題であったが、練習中にエネルギー補給をさせたり、保護者も含めてどのくらいの食事量を摂取しなければいけないかなど講習会も行っている。

保護者にも協力してもらうため、保護者と飲み会をやったりとコミュニケーションをとるようにしていた。
 

保護者にも理解と協力が大切なんです!
JUNK TRAINER

 
もう少し早く、先生に理解してもらえれば、パワーでもっと早い段階で圧倒できたとも思っている。
 

プロ選手 ポジションガード


 
この選手の場合はベスト体重が79kgだということ。

体重も減少し、体脂肪も減少している。脂肪量を見てもらえばわかると思うが、およそ3kg減っている。

体重も減少しているため、筋肉量の増加はさほど増減していない。

プロ選手になると、年齢も幅広くなるため、昨シーズンと比べてどうなりたいのかで、調整するポイントが異なってくる。

体重を増加すれば良いものでもない。なぜなら体重を増やすことで体自体が重くなることで、足に負担がかかりやすくなる。

上半身もコンタクトに耐えられるレベルなのか、コンタクトで勝りたいのか、によって異なってくる。

はっきり言って日本人のガードポジションがいくら体を大きくしても、外国人センターには吹っ飛ばされることは防ぎようがない。

目指すところを明確にしなければならない。
 

サイズダウンの結果

データを見てもらってわかるように体重減少、体脂肪減少、筋肉量はイーブン、周囲計は腕以外はダウンしている。

そのデータからするとパフォーマンスが悪くなっているように感じるが、動きにキレが出て活躍している。

体が軽くなり、かなり良い仕事をしてくれている。

プロと学生は年齢的にも経験的にも異なってくるので、参考になる部分とならない部分がある。
 

いかに自分のプレイスタイルにマッチした体づくりができるかがポイントだね
JUNK TRAINER

 

プロ現状として

Bリーグの得点王など歴代に活躍している外国籍選手は太い選手が意外と多い。

筋肉量も多いが体脂肪も多い。だからと言って動けないかというと動けるわけだ。

しかし、ディフェンスで手を抜いたりと要所要所で力を発揮するスタイルが多い。

試合のテンポが速くなければ対応できるということである。

これはBリーグの場合であり、学生では走るバスケットが中心だと思うので、当てはまらないケースは多い。
 
 

体脂肪率で影響すること

体脂肪率で実際にバスケットボールで影響することを示していく。
 

大きな怪我をしやすい

体脂肪が多いと大きな怪我に繋がる。特に高校生で入学したばかりから冬にかけて怪我が起こりやすい。

キャリパー法で体脂肪が18%以上ある場合(もちろん個人差はある)は要注意である。

自分の体重を支えるだけの筋力が不足していることが多く、脚の怪我をしやすくなる。

その代表例が前十字靭帯損傷である。

またシンスプリントもそうである。

中学生が高校受験で練習量が落ちて太ってしまい、高校でいきなり運動し始めると怪我のリスクが高くなる。

そのため、しっかりと基礎体力を改善させる必要がある。

私の場合18%以上の高校生の女子で強豪校は、バスケットボールをやらせる前にしっかりとトレーニングさせ、体脂肪を落とさせることからスタートとなる。

本人にとってはバスケットボールをみんなといっしょにできなく辛い練習となるが、その子自身のために怪我のリスクを最低限外しておかないと取り返しのつかないこととなってしまうからだ。
 

選手のために必要なこと!
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スタミナに影響

単純に考えてもらえば理解できると思うが、体脂肪はいわゆる重りとなり、重りを持って走っているので、ない時と比べてスタミナが落ちのことは当たり前のことである。

単純に体脂肪が平均よりもかなり多いのであればスタミナは明らかに落ちてくる。特に後半戦や2試合目は顕著となる。
 

膜の障害が起こりやすくなる

体脂肪が逆に少ないのも問題となる。三大栄養素はタンパク質、炭水化物、脂質である。そのため脂肪もないとホルモンバランスにも影響するわけである。

脂肪酸によってエネルギー代謝も必要となるため、少なすぎることも問題となってしまう。

特に膜系の障害になりやすくなってしまう。シンスプリント、疲労骨折、筋膜炎、肉離れなどが多い。
 

疲労骨折をした有名選手

金メダルを取ったマラソン選手の高橋尚子さんは、練習で肋骨の疲労骨折となっている。体脂肪が少なすぎて、疲労骨折になっている典型例である。

 

バスケットでの適正値

バスケットでの適正値

キャリパー法は測る人によって数値が異なるので参考までに
男子:8-11%
女子:11-14%
このくらいの数値であれば問題ない
あとは個人差もある
バスケットボールの場合はチームのプレイスタイル、個人のプレイスタイル、タイプによっても異なる。
体脂肪で一概に判断はできない
怪我のリスクとして男女共18%以上は要注意
男子の方が筋力があるため、体脂肪が多いから起こる怪我は女子に比べればまだ少ない
※キャリパー法で20年間測定しているが6%台の選手とは出会ったことがない

 
 

まとめ

ま と め
体脂肪率が下がっても、体重と筋肉量が減ってしまうとダイエットなのでパフォーマンスは低下する

体重が増加して、体脂肪率が減少すると、筋肉量が増加するので良い傾向

体脂肪が減少すると大きな脚の怪我をある程度防止できること、スタミナが増加する利点がある

体脂肪率が減少しすぎると疲労骨折や筋膜炎などの膜系の障害が起こりやすくなる。

 
あまりにも体脂肪に執着しすぎるとかえって膜系の怪我にも繋がる。

自分自身のコンディショニングの一つとして捉えることで、良い体づくりの指標となる。

トレーニングや食事など具体的な改善ポイントも確認できるので定期的な測定によって意識づけることで選手の事故管理能力も高まるのではないかと思っている。
 
 
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こちらの記事が参考になれば幸いです
 
 
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