コンディショニング バスケ

バスケコーチが考える気温による選手の体調管理対処方法

2023年9月6日

チームスポーツではチームの中で一人でも体調不良となり感染症を発症するとチームクラスターも起こってしまいます。

コーチとしてもいかに防ぐことができるかということも考えてチームルールを決める必要も出てくるかもしれません。

特にコロナやインフルエンザなどの飛沫感染は一回の練習でクラスターとなってしまうこともあり、大切な大会にも影響します。

年間を通していかに注意や配慮をして選手の意識を保って最善の対応をしていくかはポイントとなります。

私は現在プロバスケチームでアスレティックトレーナーとして活動しています。

選手の健康管理を任されているポジションであります。

気温の変化による選手の体調管理

良い練習やトレーニングを行って体力レベルが向上しても、一度の体調不良で再び逆戻りということはよくあることです。

試合直前に体調不良となり、コンディション不良となって戦力外になってしまうことも実際にあるかと思います。

大切な試合でコロナで試合を辞退せざるを得ない状況となったチームや指導者もいるかと思います。

練習や試合を激しく行えば免疫力が低下して体調不良になりやすい状況にもなります。

コンディショニングを意識することは指導者・コーチも配慮すべき点だと思います。

温度差によって起こる体調不良

気温の変化によって風邪をひきやすい点は誰でもわかっているかと思いますが、選手は楽しいとついつい感覚が麻痺して無理しがちな面もあります。

すると翌日に反動として体調不良になってしまうことは多いです。

着替えもその一つであり、寝ている際に体調不良となってしまうことも多いです。

自宅での冷房の温度設定も低すぎると影響しやすいわけです。

また食べものにも影響し、食あたり、食中毒や急性腸炎などと影響するでしょう。

熱中症や脱水による影響

熱中症が毎年のように明らかに多くニュースでも取り上げられています。

5月あたりで急な気温の上昇で熱中症になるケースは多くあります。

夏には連日の猛暑日となる温暖化でコーチとしても練習内容の柔軟性は必須となるでしょう。

いかに以前の水分補給、熱中症対策としての準備、救急体制の整備は必要となります。

感染症による体調不良

コロナも制約は緩くなっていますが、実際には2023年の夏では報道されなくなって確認しにくくなっていますが、かなり増加傾向となっています。

実際に感染してしまうと自宅待機期間があり発症日を0日として5日間の隔離期間、さらに症状がなくなって2日間は隔離が必要となります。

実際には1週間は最低活動停止ということとなり、チームに合流させることがクラスターとなってマイナスとなってしまうわけです。

いかにチーム内に感染させないかという点はとても難しい状況であります。

Bリーグ2023-24シーズンからはコロナではクラスターとなった際の代替試合での延期がなくなり、不戦敗となってしまいます。

そのため昨シーズンよりも注意を払って対応しなければならないという点でプレッシャーがかかる年となっています。

プロチームの場合、試合の運営・興行によって収入があり大きな額が動いているのでその辺りにも影響してしまうわけですから大きな損失となってしまいます。

身体組成によるコンディション不良

冬になると寒くなることで皮下脂肪も増加するのが身体反応です。

しかし、意識しないと体脂肪が増加することでスタミナダウン、怪我のリスク増加、動きのキレがなくなるなど影響します。

食べ物にも注意して管理する必要があるわけです。

夏場も意外と体脂肪が増加しやすい時期です。夏バテ状態ではしっかりとした食事が取れずに蕎麦やそうめんなど軽めのもので済ませてしまうとタンパク質の摂取が減少して、糖質の量が増加しがちです。

その結果筋肉量が減少して、体脂肪率が増加することも夏でも起こってしまうのです。

参考記事:

季節ごとの注意すべきポイント

季節によっても注意すべきポイントが分かれてきますので参考にしてください。

4-5月

急な気温の上昇が起こりゴールデンウィークでの大会シーズンが始まります。

暑さに対しての耐性がないことから、この時期に熱中症になる選手は比較的多い時期となります。

脱水による影響や気温差による体調変化には注意しなければならない時期となります。

6-7月

大会による練習での追い込みや試合での疲労が出る時期となります。

疲労することで免疫力が低下するとちょっとした体調不良が体に異変として現れます。

練習や試合で気を張っている分、日常生活でのオフコートで体調を悪化しやすい時期となります。

7-8月

この時期は地球の温暖化となり、日本も猛暑日が連日となり、日々のニュースでも熱中症を取り上げられています。

現在の学生は生まれた時から空調のある環境で育ち、授業中も冷房対応されていると思います。

良い環境で育っている分、暑さに対する耐性が低いこともあり、熱中症の発生しやすい世代となっています。

上記の写真は関東の群馬県での8月上旬に朝8:30に測定した熱中症指標計のものです。

WBGTが31度を超えるとスポーツ活動中止という基準がありますが、朝の時点でかなり高温の状態となっています。

WBGTが26度程度でも熱中症になっている現実もあるので、状況に応じて練習メニューの柔軟な対応も必要となります。

参考記事:

食中毒も多い時期となりますので注意しなければなりません。

9-10月

秋の時期は気温差が日によって大きくなるので、体調変化に対応しづらい時期でもあります。

日本でも東北以上になるとより早期に寒さも出てきますので地域差も大きくなる時期です。

汗をかいたままにせず、着替えの準備、TシャツやロングTシャツなどタイプの違う衣類も準備しておいた方が体調不良に対応できると思います。

11-12月

気温が一気に下がり寒さが増してきます。

すると基礎代謝も落ちて、寒さに対応するために体脂肪を蓄えてくる時期となります。

汗をかく量も減り、食べ物も美味しくなるので注意しなければなりません。

特に12月はクリスマス、1月は正月とイベントもありカロリーオーバーしやすい食べ物を食べてしまう時期となります。

インフルエンザが流行する前に予防接種で対応しておきたい時期です。

サバや牡蠣など食あたりも多い時期となります。試合前に生物は避けた方が賢明です。

1-3月

お正月ではお節料理は保存食です。カロリーオーバーになりやすい時期です。

1月中旬には新人戦の県大会など大会が多い時期です。

食べ物や体脂肪をコントロールできるだけでも動きの切れ味が影響してきます。

冬休みでリズムの変化から体調不良や風邪もひきやすい時期となります。

乾燥した時期はインフルエンザを始め感染症が流行しやすい時期となります。

保湿もそうですが寝る環境も考える必要があります。

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バスケコーチができること

バスケットボールはチームスポーツです。

選手が1名体調不良となることでチーム全体に影響するケースもあります。

コーチがいかに選手に意識づけでき、実行させられるかでチームとしてのコンディショニングレベルも大きく変わってきます。

選手は知っているか知らないかの差が大きく影響します。

ですからコーチが気づかせてあげてください。

保護者にも生活面での注意点、食事でのサポート、空調の管理、セルフケアの実施、着替えの準備、補食の準備などを伝えることの連絡システムを構築すべきです。

コーチのできること

・練習メニューの柔軟性

・季節によって変化するポイント

・食べ物にも注意する

・選手に気づきを与える

・保護者の協力体制

・熱中症への対応策

バスケコーチは現場で起こるさまざま点に配慮しながら練習メニューの構成や戦術、戦略を立てて試合に臨んでいるかと思います。

さらに医学的な側面からもアプローチできるとより効率よくチーム力をコントロールできるかと思います。

追い込みすぎて体調不良者が出過ぎてしまえば、それまでの訓練も半減してしまうこともあるかと思います。

熱中症等も含めて選手に何かあれば責任を問われる時代へとなっています。

医学的な配慮も必要な時代となり、チームに専門家やアドバイザーも必要になってきているのではないでしょうか。

この記事がバスケコーチの参考になれば幸いです。

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