Bリーグの試合はなぜこんな状態でも開催するの
Bリーグの試合中止が相次ぐのはなんで
どういう基準で判断してるんだろう
こんな疑問にお答えします。
私は現在プロバスケチームでトレーナーとして活動しています。
実際にこのコロナ禍で選手やスタッフの健康管理を任されている立場です。
この記事を読むことで、Bリーグの試合開催に関しての疑問が解ければと思い、記していきます。
プロバスケBリーグの試合中止がコロナで相次ぐ
2月2日開催予定のB1リーグは11試合中5試合が中止
B2リーグでは7試合中6試合が中止となっている。
なぜバスケの試合で感染してしまうのか
バスケットボールはコンタクトスポーツのチーム競技のため、味方通しで声を出して連携しています。
そのため試合中のコートではお互いの選手同士声を出し合っているため、飛沫は避けられません。
感染しやすいバスケ
- 味方同士の連携のため、お互いのチームがとても声を出している
- 試合中はマスクをつけて行えない競技特性
- マッチアップする相手選手との距離がとても近いく接触している
- スクリーンやリバウンドでいろんな選手が混じり合う
- 飛沫や汗が体のあちこちに付着する
- ボールを介して手にウィルスが付着してしまう
- ドリンクやタオル、洗濯物でスタッフにも影響する
上記のようなことが感染経路となっています。
特に今回流行しているオミクロン株は今までの株とは比較にならない程の感染力だと実感しています。
試合が中止せざるを得ない理由
プロバスケBリーグの試合では通常土日の連戦と水曜日開催になります。
そのため体調不良者が出てしまうと、コロナ感染を疑うことが最優先され、診断結果が出ないと試合出場ができません。
体調不良者が前日に一緒に練習している場合、その他の選手も感染している可能性があります。
リーグの規定で8名以上エントリーできないと試合が開催できないこととなっています。
濃厚接触者判定の有無が出るまでは試合も開催することができないので上記のようなことが起こってしまうと試合が開催できなくなってしまいます。
試合が中止になるケース
- 体調不良者が出てしまい、コロナでない診断が間に合わない
- Game1の試合後に体調不良になると、土曜日の時間外で病院が対応できないケースも
- 抗原検査やPCR検査で陽性になるとチーム全体の検査結果が間に合わない
- 8名以上選手がエントリーできない場合は開催できない
- 濃厚接触者判定が次の試合開催に間に合わない
※現在3に関しては抗原検査にて確定要因となっています。
なぜこのような状況でも試合を継続するのか
現在のオミクロン株は過去最多の感染者が連日のように増加傾向となっています。
そのため、本来なら緊急事態宣言が出てもおかしくない状況下です。
それでも経済が止まることで多くの問題が起こってしまうため、国としても発令せずに進んでいます。
これはバスケットボール界も同様で各プロチームも会社組織で成り立っています。
地域密着しながら、興行収入やスポンサー収入にて活動できているので、Bリーグが中断してしまうと職を失う方も出てしまうということです。
そのため、選手・スタッフ・関係者の健康第一にリーグは開催されますが、中止せざるを得ない状況下に直面しているわけです。
今は耐えながらコロナの終息するのを待つ形になっているのだと個人的に思う次第です。
なぜ試合を継続するのか
- 国が止まっていない
- Bリーグやプロチームも会社組織
- 興行収入やスポンサー収入が途絶えると経営難にも
- 選手・スタッフ・関係者の健康第一の考えで実施されている
- Bリーグは試合開催することでプロチームを守ってくれている
チームによって異なる地域の差
プロチームと言っても大都市のチームもあれば地方のチームもあり、人口や交通機関、医療体制も異なっています。
都会のチームと地方のチームによる地域差での影響
大都市では利便性や環境など生活しやすいかと思います。
しかし、コロナに関してはマイナスな要因もあるわけです。
大都市のプロチームと地方のプロチームでは様々な違いがあるかと思う。
項目 | 大都市のチーム | 地方のチーム |
生活面 | 便利だけど人混み多い | 不便な面もあるが充実 |
飲食店 | 多種多様で便利 | 閉店が早いのがネック |
移動手段 | 便利だけど電車バスの利用も | 車がないと不便 |
遊び | 混雑をさけインドア傾向 | 大自然で快適 |
ひと目 | プロ選手も意外とわからない | プロ選手とバレやすい |
感染者 | 人口に比例して多い | 少ない分、意識は低いかも |
医療機関 | 充実している | 限られている、制約あり |
都会のチームはどうしても感染しやすい傾向にあるように感じます。
地域での医療体制
都会のチームは病院も多く、緊急で対応していただける場合もあるかと思います。
しかし、地方のチームの場合、土日の試合では緊急医療体制でありながらも、整形外科の医師が不在、内科医が不在ということもあり、対応しきれないことも事実であります。
そのため、土曜日の試合で怪我や体調不良といったケースで対応しきれないこともあります。
医療体制は都会と地方では対応力の違いが出てしまい、現実的に難しい点でもあります。
- 地方では緊急や時間外の対応がまだまだ不十分
- チームの体制によっても違いが出てしまうケースも
試合開催で最も重要なスピード感の連携力
試合を開催するにあたり、大切なことはお互いのチームが健康であることがポイントとなってきます。
自チームの健康管理はトレーナーが責任を持って管理しています。
しかし、相手チームの健康管理はできないわけです。
ただし、ホームゲーム開催チームは、アウェイチームが体調不良者が出た時も手助けする必要があり、そのサポートができないと試合が中止となってしまいます。
ホームゲーム開催チームがアウェイチームのサポートが必須
現在Bリーグではホームゲーム運営者が緊急の医療体制を全チーム同じフォーマットで各試合会場ごとに作成しています。
その中にはコロナに対する医療機関を記載する項目もありますが、実際にその医療機関で対応してくれるとは限りません。
通常土曜日の夜に試合が終わってから、緊急でPCR検査してくれるかというと厳しい限りです。
PCR検査を実施して翌日の試合に間に合うよう検査してもらうこと自体が厳しいわけです。
そのため医療機関ではなく、検査機関の方が対応していただける可能性が高く、そのスピードが求められます。
アウェイチームは縁もゆかりもない地で試合開催し、連携が取れる医療機関など通常ないわけです。
そのため、試合を開催する為にはホーム開催側がしっかりとサポートすることが大切となります。
最も重要なスピード感の連携力
チームによっては医療体制も含め、緊急体制でPCR検査ができないことは十分あります。
現在コロナ感染者も多く医療もひっ迫している状況のため、Bリーグとしても抗原検査陰性で確定要件としています。
抗原検査のメリット
- その場で検査結果が反映できる
- 本人自身でも実施できる
- チーム全員分の検査もコンパクト
- 抗原検査陽性では信憑性あり
抗原検査のデメリット
- 抗原検査陰性だと信憑性に不安が残る
- 選手に任せると失敗する可能性もある
- 現在入手困難になっている
抗原検査もメリット・デメリットはあるものの、一番はスピード感があり、一応判定結果に白黒つけられることである。
一番はPCR検査の結果が間に合うこと、次に抗原検査の結果という順序になる。
選手からトレーナーへ、GMや社長に速やかに情報伝達して対処し、最終的にBリーグが試合開催のジャッジをすることとなる。
個人的に思うこと
試合開催をする上で、いかにスピーディーに対応できるか、そのための準備をしておくことが大きなポイントだと思います。
我々もホームではPCR検査を検査機関へ依頼して当日結果をもらえる体制を確立できています。
しかし、アウェイでは各チームに委ねるしかないので、うまくいかないことの方が多いかと思っています。
抗原検査で陰性でも実際にシコリが残り、不安感は大いにあります。
特に家族がいる選手スタッフは、家族に影響してくるので極力クリアにしたいと思っています。
まとめ
まだまだコロナ禍での試合開催は続いていきます。
ファンの方にとっては試合が楽しみだと思います。
まとめ
■試合中止が相次ぐ中でも開催するのは
Bリーグがプロチームを守ってくれているから
■なぜこんなに試合が中止になるの
選手・スタッフ・関係者の健康を第一に考え、コロナではない判断がつかないケースは中止せざるを得ない
■どういう基準で判断しているの
PCR検査、抗原検査、濃厚接触者判定に沿ってBリーグが決断
チームの現場の者として、Bリーグを盛り上げるために最善を尽くしていきます。
試合が中止になったら、ぜひ別の試合をご覧になって頂き、違った景色のBリーグも堪能してほしいです。
個人的なBリーグの楽しみ方を記した記事はこちら
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この記事で試合開催にあたり、疑問点が解消したら幸いです
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