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プロバスケチーム群馬クレインサンダーズへ移籍

Bリーグ2022-2023シーズンは、群馬クレインサンダーズのアスレティックトレーナーとして活動することとなりました。
2021-2022シーズンで活動した仙台89ERSではB1昇格をして、最終的に準優勝という形で終了することができました。
しかし、トレーナー一人体制ということもあり、肉体的にかなり消耗してしまったことも事実であり、次シーズンどうするかは常に悩んでいた次第です。

仙台89ERSを退くこととなった経緯

プロチームでスタッフとして活動することはとても大変な選択となるケースがあります。
なぜなら1年契約が多く、一般的には7月から契約が始まり、6月いっぱいで終了することが多いのです。

実際にシーズン終了すると次の契約をどうするか先ず選手から面談となり、その後スタッフの面談となります。
その間1週間程度の期間で来期の進退が選手もスタッフも告げられるわけです。
そのため、毎年のようにその時期は憂鬱な期間となってしまいます。

かなり悩んだ末に決断した。

コロナ禍でのトレーナー1人体制はリスクが大きい

トレーナー1人体制で仕事をすることは15年ぶりとなっていました。
そして、コロナ禍となりトレーナーの仕事内容は数年前に比べ雑務が増え倍増しているのが現実です。

リーグでの感染症対策、2週間に1度のPCR検査の手配、病院での対応など本当に些細な業務が増えているのが現状です。
本来の選手のケアに割く時間が軽減していることもあるわけです。

アウェイでは、ホテルでの感染症対策として朝から夜中までマスク着用でケアに追われ、選手の出入りの多い部屋で、いつ感染するかわからない状況は緊迫するわけです。

そのため、心身ともに疲弊し、さらに1人体制で望んでいたので、万一の際のリスク管理がチームとしてできていなかったということとなります。
この辺りを改善して欲しく、契約の条件にしていたにもかかわらず、対応してもらえなかったシーズンであったこと。

さらに、次のシーズンも曖昧の中での活動は不可と判断し、もう一人の人材確保までは契約できないと判断せざるを得なかった。
この辺りが会社とうまく折り合いがつかずの状態となり、移籍の一つの要素となっている。

U15の誤算

現在U15のルールの中にトレーナーの常勤が2022年4月より、Bリーグとして適応されている。
そのため、U15のチームにトレーナーが必須となっている。

私もU15のコーチから来シーズンU15のトレーナーの依頼が実際に早い段階であったのも事実であった。

個人的にもそろそろ、トップチームではなく、アンダーカテゴリーに移行したいと思っていたのも事実である。
U15から5月下旬になっても一向に話が進まない状況が続いていた。

トップチームより先にU15mから話があったので、第一優先としてU15の話を聞いてからと考え、筋を通そうと思っていた。
しかし、なかなかうまくいかないものである。

U15の管轄のスクール事業の業績が悪く、雇うことができないというのが本音の話であった。
仙台で来期も活動したいと思っているのに、会社の対応が不安要素が多いのが現実であった。

プロチームの選手・スタッフは1-2週間で話が二転三転することは本当に多いことである。
そのため、即決しなければならないケースもあれば、話が流れてしまうケースもよくあることである。

常に対応できる準備、フットワーク、判断力が必要となるケースがあるのである。
そのため、自分ごと・他人ごと含めチームの仲間が進退に迫られるこの時期はとても憂鬱となってしまうのだ。

群馬クレインサンダーズに移籍を決断

そんな中、今回群馬クレインサンダーズさんからお話をいただく機会があった。
これもタイミングであり、たまたま運よく話が舞い込んで来たことである。

移籍の決断は覚悟がいる

チームを移籍することはとても覚悟がいることである。
環境も大きく変わり、生活スタイルも変化する、まったく初めての方と短期間でうまくすり合わせなくてはならないし、とてもストレスがかかってくるのである。

私の場合、移籍経験が多い為、他の方に比べるとアジャストする期間は短くできるのかもしれないが、とは言っても波長の合う人と合わない人はいるわけで人間関係で信頼関係を築くことはとても時間がかかるわけである。

そのため、常にこのチームが最後と思って移籍しているし、できることなら長期間働きたいと思っている。

しかし、そんな甘くないのがプロチームの世界である。

私の場合、オファーを頂けてきたので良いものの、職につけないスタッフも毎年のようにいるのが現実なので、プロスタッフとしては不安な日々である。

引越しで消耗する

チームを移籍するということは、引っ越しが必ず発生する。
チームによって支度金は異なるが、全て補うことはできないのがスタッフは当たり前、部屋の仲介手数料、礼金などは必ずと言っていいほど無駄な費用として移籍するたびに支払っている。

引越し貧乏である。

体力的にも引越しは荷物の運搬、ダンボールづめ、物件探し、本当に疲れる。

なかなか見合う物件がすぐに見つからず、トラブル続きも当たり前のように起こる。

私も今回の移籍では、部屋がなく、内覧できずに部屋を決め、入居時期も遅くトラブルに遭っている。
そして、チームに合流した際は、外国籍選手の合流前の部屋を間借りして2週間住んでいたのも事実である。

業務内容が全く異なるケースも

同じアスレティックトレーナーでも、チームでは業務の役割が全く異なるケースがある。
本当にチームによって業務範囲が異なっているので、最近はマルチになってきているし、一通り行って来たなと思っている。

昨シーズン、15年ぶりにトレーナーを1名体制でやり遂げたので、現在のチームではアウェイでのケアの負担は軽減したものの、雑務は変わらず多いと感じます。
業務の拘束時間が今季の方が長いので、肉体的な疲労は現在の方がしんどいし、メンタル的な負荷も多いのが今季である。

チームによって異なる点

昨シーズンはB2リーグ、今シーズンはB1リーグと異なりバスケットボールのレベルの違いももちろんある。
環境面、予算、スタッフ数も違うので比較はできないが、スケールが違うことは体感しています。

これまでB1を3チーム、B2を4チーム経験している。そのB2のチームも現在1チーム以外全てB1となっている。
B1とB2の違いは選手の質がやはり違うと実感できる。

B1の選手は良い意味でわがままと言うが自分のスタイルを貫いている。
B2の選手は真面目で扱いやすいが、いざとなると弱い面が出る。

スタッフの人数が少ないチームはまとまりやすい反面、アクシデントがつきもの
スタッフ数が多いチームは、まとまりにくいが負担は回避できる

B1、B2と同じカテゴリーでもチームによって考え方、予算、地方など環境面も違えばスタイルも異なるので何が正解かはないです。
しかし、スタッフとして働く時に、現場に柔軟に対応できる能力は身につけていないと、来期の契約を勝ち取れないと言うことになります。

この辺りは大きな差が出てきます。
特に最近の傾向として育成するよりも見切りをつけて、次の人選をするケースもあれば、コーチの考えでスタッフの入れ替えをしないでそのまま変えないスタイルを望むケースもよくあります。

いずれにしても、仕事の能力よりも人間力の方が評価が高いように思える時代になってきた

移籍の決断

移籍の決断今シーズン群馬クレインサンダーズに移籍を決めた理由としては以下の内容である。

  • ヘッドコーチとは旧友で日の丸を背負って戦った仲間である。
  • U18のヘッドコーチも旧友であり一緒に仕事をしたいと思っている。
  • 北関東は住みやすい環境であり(栃木・茨城は住んでいた経験あり)、群馬県は出身の埼玉県と隣であり地理的不安は少ない。
  • オープンハウスがチームについているので安心感があり、4月に新アリーナが完成する。
  • トレーナーが1名体制ではなく安心材料もある。

上記のような事は良い材料と思い、移籍の決断する要素となっている。

今シーズンの思い

群馬クレインサンダーズは昨シーズンB1で初シーズンであった。
今シーズンB1として2シーズン目となり、激戦区の東地区ではあるが、食らいつきまずはプレイオフ目指して最善を尽くしたいと思っている。

個人的にも良いシーズンになるよう、最善を尽くし、チームに貢献したいと思っている。

追伸:

チームスタッフの移籍はタイミング要素が大きい。
運というか巡り合わせというか、正直その時にならないとわからない。

一つ言えることは、決定権を持っている方とのネットワークがあると、決まるのも早いのは事実である。

よく私のところに相談や紹介してほしいと話が舞い込んでくる。
教え子もBリーグで現在8名活動しているということもあり、選手からも別のトレーナーの紹介を依頼されるケースもある。

今シーズンもたくさんの話があり、自分自身の移籍が決まっていないにもかかわらず、人の話を紹介しているわけである。
ベテランになるとこの辺りのバランスも大変で、移籍することも難しく、条件も厳しくなってくる。

移籍の時期は本当に精神的な疲弊が重なってしまうのだ。
とは言っても、移籍できているのでありがたい限りである。

今シーズン先ずはチームに貢献できるよう全力で望みたい。


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