プロチームと医師は深い関係になっていく。
選手の怪我の対応や病気の対応、歯の治療、皮膚のトラブル、花粉症など様々な専門分野の医師と関わることになる。
また選手の登録に際し、毎年メディカルチェックを行い、パスしなければ選手登録も行えないのである。
そのため、医師と連携をスムーズに取ることができるのかは大切なトレーナーの仕事となる。
結論
各専門家の医師との連携
医師にも様々な専門分野に分かれている。
さまざまな医師との連携が必要になる。また医師の中でも役割が異なってくる。
整形外科
選手の怪我に対して対応していただく。レントゲン、MRI、その他の検査をはじめ、手術にも対応していただくことになる。
整形外科医がチームドクターになることが圧倒的に多い。
個人病院や大学病院など勤務体系も異なってくる。
同じ整形外科でも、さらに体の部位別の専門分野に別れるため、チーム編成が必要になる。
内科
選手は風邪をひいたり、腹痛を起こしたり、体調不良になることは多い。
試合や遠征で免疫力が下がり、一般人よりも感染しやすい状態になる場合もある。
そのため毎年インフルエンザに感染する選手は多い。
内科医に診察してもらう機会はとても多い。
循環器内科
初年度の選手と移籍の選手は、毎年必ずメディカルチェックの際に負荷心電図の検査を行わなければならない。
リーグとしては心不全などの突然死を防止しなければならないので、まず選手の健康第一として考えている。
歯科
選手は健康であっても、虫歯はなかなか防げなかったりする。
若い年代だと親知らずが発達して痛みを発生することもある。
ただ治療するのではなく、ドーピングの知識も必要となる。
また選手は各自オーダーでマウスピースを装着することが多い。
バスケットボールでは歯は折れやすい競技のため、装着している選手は多い。
リーグのルールとして無色透明のものでなければならない。
マウスピースは厚みによって違和感も出るので、格闘技の選手よりも試合中に会話しなければならないため、そのあたりも対応していただけることがポイントとなる。
皮膚科
皮膚のトラブルも多い。
テーピングを毎日巻くことで肌荒れを起こす選手もいる。
股ずれを起こす選手もいたり、皮膚のトラブルも多い。皮膚の対処として軟膏が多いため、ドーピングの知識が必要となる。
耳鼻咽喉科
選手は花粉症、鼻炎などトラブルも多い。
呼吸がうまくできないとパフォーマンスにも影響するので、対応してもらうことは多い。
その他
眼科もよく行く病院の一つである。目のトラブルでコンタクトを着用できなくなったりもする。
目薬もドーピングの対象であるので必要となる。
意外と相談が多いのが、小児科である。選手の子供が病気になるケースである。
特に外国籍選手が家族で来日している際は対応が多くなる。
精神科に受診することも多い。特に外国籍選手が圧倒的に多い。
アメリカ人はここ数年精神疾患を抱えている選手が多くなっている。
抗うつ剤を使用している選手も多いと実感している。
今後の日本でも精神科に通うアスリートは急増するように思える。
メディカルチェック
選手は登録する際にリーグ規定のメディカルチェックを実施し、すべての項目をパスしなければ登録ができない。
その中には薬物検査も含まれている。すべての検査を病院で実施する必要があるため、病院の施設にて検査する必要がある。
メディカルチェックは様々な項目を行うため、一度に全員行うことができない。
数名づつ病院で行うため、あらかじめ予約する必要がある。
そのためにはプロチームと病院が提携してスムーズな流れができることが重要となり、病院の業務に支障がないようにしなければならず、プロチームと病院の連携がポイントとなり、その間で対応するのがトレーナーとなる。
チームドクター
チームによってドクターの関わり方は大きく異なる。
通常は整形外科医がチームドクターとして関わることが多い。
その他としては内科、また病院での提携となる場合もある。
練習や試合での怪我の対応をメインとして、練習会場に選手の状態を確認してくれる医師もいる。
また遠征にも帯同して頂ける医師もいる。
遠征先で怪我が起こると非常に困るケースが出るので、医師がいるだけで安心感も含め、心強い。選手のケアの際に選手の確認もして頂けるので、とても助かる。
薬の確保
選手は様々な薬が必要になる場合がある。痛み止め、風邪薬などがメインとなるかと思う。
ドーピングがあるため、摂取可能な薬の手配を依頼する。
基本的には選手が受診し、処方箋をもらい薬を出してもらうのが一般的である。
ドーピング知識
医師はドーピングに関して知識が必要となる。薬だけではなく、ドーピングのTUE申請、点滴も選手は生命の危機的処置としてでないと実施できないので、そのあたりの判断も必要になってくる。
様々なケースで医師にアドバイスを求めることもある。
会場ドクター
リーグはホームゲーム開催にあたり、会場ドクターを設置しなければならない。
選手だけではなく、一般の観客も対応する必要があり、開場した時点で会場ドクターの設置が必須となっている。
一般的には整形外科が担当する形となるが、場合によってはその他の医師も担当する場合がある。
以前のチームで観客が心停止を起こした場合もあったため、心臓の専門医を配置しているところもある。
医師も1人ですべて対応することは現実的に不可能であるため、日程によって対応する医師は異なる場合が多い。
会場ドクターとチームドクターが一緒の場合もある。その際はベンチではなく、オフシャルの真ん中に位置し、対応することとなる。
救急医療施設
試合中に怪我などアクシデントが起こった際に、スムーズに病院で処置していただくため、救急の医療施設との連携も必要となる。
試合の多くは土日に開催されるので、通常の病院では対応できない場合がほとんどである。
しかし、それでは問題となるため、プロチームとして医療体制を確立する必要がある。
英語対応可能な医師
Bリーグは外国籍選手がいるため、英語のできる医師を確保しておくことは大切である。
通訳も医療関係に対しての訳はスムーズにいかない場合が多いため、選手と医師が直接会話できる形は外国籍選手にとっても安心できるポイントとなる。
スポンサー提携
プロチームと病院でのスポンサー契約をする形は非常に多い。
病院側は患者の増加を見込め、プロチームは選手の対応を休日含めて行なって頂ける場合もあるので良い関係が築ける。
チームとしてはメディカルチェックだけでなく、インフルエンザの予防接種も実施するため、そのあたりの対応も現場に来ていただければ尚効率が良い。
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スポーツドクター
日本スポーツ協会公認スポーツドクター
日本スポーツ協会はコーチ、アスレティックトレーナー、スポーツ栄養士、スポーツドクター、スポーツデンタリストなど様々な資格がある。
医師はスポーツドクターの資格を講習会など必要なカリキュラムを受講することで獲得できる。
プロチームと関わる医師には是非とも取得していただきたい資格である。
ドーピングの知識も含めてスポーツの現場で必要とされる医療の知識が得れる。
日本バスケットボール協会所属ドクター
整形外科医を中心にバスケットボール協会のドクターもある。
この組織に加盟している医師は、プロチームのチームドクターとは別であり、さらに競技特性のある医師として位置付けられる。
日本代表バスケットボールドクター
日本代表も各カテゴリーでの代表活動があり、オリンピック、アジア大会、世界選手権、海外遠征などあり、日本バスケットボール協会所属ドクターから派遣される。海外遠征となることが多いため、2〜3週間の日程でチームと一緒に活動することとなる。
勤務先病院との勤務調整など大変かと思うが、医師としてスポーツにて現場に関われることは素晴らしい経験となるであろう。
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