新型コロナウィルスの感染者が出て今までにないレベルで感染者が広がり世界がパニックとなっている。
これはバスケットボール界だけでなく、世界で起こっていることで他スポーツも続々と大会を中止している。
これから日本はオリンピックを控えている中でどのように対応していくのか。
バスケットボールのプロリーグ、Bリーグは今後どのような対応をしていくのか、特に外国籍選手は母国にいる家族も心配である。
予期せぬ新型コロナウィルス発生
現在問題なのが、まだワクチンがなく、治療方法が確立されていないことである。
しかもインフルエンザよりも10倍以上の感染力がある新型コロナウイルス。
様々なところで問題となっている。
中国の武漢で発生してから
中国の武漢は2011年に2度訪問したことがある。
バスケットボールのオリンピック最終アジア予選が武漢で開催された。
武漢は当時、発展途上でマンションや商業施設が続々と建築されている一方、まだまだ田舎で、交通ルールも当たり前のように車やバイクは逆走してくる。子供はどうろで用を足してしまうような環境である。
武漢から感染した新型コロナウイルスはあっという間に韓国、日本、イラン、イタリアと広がっていった。
横浜港でクルーズ船による警戒
横浜港は練習会場からも近いので恐怖があった
我々のチームの拠点である横浜が大注目されることとなった。
横浜港で大型クルーズが監禁となり、感染者が広がっていった。
感染者は横浜の病院に搬送されるため、その病院にはいかないよう注意をした。
また横浜には観光名所として中華街があるので、感染のリスクは高くなってしまう。
そのため、中華街への出入りはチームとしても中止せざるを得ない。
その時点では2週間くらい経てば、感染も終息するだろうと安易に考えていた。
いよいよしっかりと意識しないと感染してしまうという危機感をチームも抱くようになった。
チームとしても新型コロナウイルスに対しての行動指針としてのルールを出し、専門家の医師を招いて講習会を実施した。
マスクを断り続けた外国籍選手が常に装着
アメリカ人は基本マスクをつける習慣はない。
遠征に行ってもチームとしてはインフルエンザ対策として、マスクを着用するのであるが、外国籍選手はそもそもマスクをする文化がない為、マスクはつけずに行動していた。
しかし、新型コロナの拡大で死者が出るにつれて、日本人よりも恐怖を感じているのだと思う。
家から体育館までもマスクをつけるようになった。
各イベントが次々と中止へと
感染が広まっていく中、韓国の大邱市で宗教団体の集団感染がニュースで流れた、クレスター感染である。
そのことがきっかけで韓国の感染者数が急激に増加して行ったことで、コンサートなど突然の公演中止の対応をすることとなった。
この時点ではまだまだリーグが延期になるとは思ってもいなかった。
政府が出した学校休校
政府がさらに学校の休校を要請することとなり、リーグも延期が決定した。
そもそもB1リーグは日本代表の活動のため、試合が2週間行わず、バイウィークであったので実際1ヶ月間の試合の開催がなくなってしまった。
日本の学校休校をきっかけにアメリカが渡航の禁止を出す可能性が出たと発表した。
このことがきっかけとなり、外国籍選手は母国へ帰りたいという思いが日に増して行った。
やはり帰国できなくなる前に国に帰りたいということであった。
リーグの方へ他チームの外国籍選手の動向を確認するも、まだ帰国したいという状況の報告は受けていないということであった。
チームとしても外国籍選手と個人面談を数回にわたって実施している。
Bリーグもとうとう延期へと
リーグの延期が決定し、チームのモチベーションは下がってしまう。
2週間延期であるなら一旦帰国させてほしいという外国籍選手。
しかし、一旦帰国した際に、渡航警戒レベルが上がると日本に戻ってこれなくなってしまう。
チームとしては外国籍選手がいなくなってしまうと、試合に勝てるチャンスはかなり低くなってしまう。
特に我々のチームは現状下から2番目の位置であるため、このままでは残留プレイオフ確定になり、B2に降格してしまう可能性が極めて高くなってしまう。
社長、ヘッドコーチが説得してなんとか日本に残ってもらえるようになった。
さらにチームミーティングを行い、しっかり練習し、リーグ再開に向け意思統一を図り、ハードに練習をおこなっている。
イタリア・アメリカにも感染拡大
イタリアではかなりの拡大で感染が広がり、アメリカでもニューヨークで驚異的に感染者が増加して行った。
これによって世界的に危機状態を示すパンデミックが発令された。
それでもBリーグは無観客でリーグを再開するという決断をした。
NBAまでも無期限の中止へと
Bリーグが無観客でリーグを再開すると発表した翌日にNBAやセリエAがリーグの無期限の中止を決定した。
その翌日にはNCAAも無観客で試合を実施するという事から、一転してシーズン終了となった。
この2日間でスポーツ界が大きく中止に向けて動いたのである。
Bリーグ再開するも
Bリーグは再開となったが、一番問題な点はチーム内で感染者が出た場合、チーム活動停止となってしまう事である。
2週間のチーム活動停止で済むならまだしも、潜伏感染していれば遅れて発症する事で1ヶ月以上も活動停止となってしまう恐れがある。
このリスクが正直大きすぎる。
無観客試合でも起こったアクシデント
我々は遠征で公共交通機関の利用をしなければならない為、感染リスクは増加する。
外国籍選手の1人が移動中に医療用のグローブを装着する姿を見たときに心が痛んだ。
こんな状況でリスクを冒してリーグを継続して良いのかと。
またホームチームは初めての無観客試合の対応でうまくいかないことは当たり前である。
別の試合会場で3つのアクシデントは起こった。
1.選手に発熱で感染の疑い
あるチームの選手3名が発熱の疑いがあり、試合が中止となった。
翌日の試合ではこの3名は試合に出場しない形で、試合は実施された。
新型コロナのPCR検査を実施しなく、クレスター感染の可能性が残された形での試合実施に賛否の意見が出た。
その後その選手は、検査で陰性となっている。
2.審判の発熱で感染の疑い
別の会場で翌日の日曜日に審判が発熱で37.5度あったという事で試合開始1時間半後の判断で試合が中止となった。
試合会場での検温では以上なかったもののホテルでの検温で熱の疑いがあり、中止となってしまった。
前日の試合で審判は共に行動している為、クレスター感染する可能性があるとの判断のようだ。
3.撮影クルーの発熱で感染の疑い
3つ目は撮影クルーが発熱の疑いで試合が遅延した。
別のクルーの代役を手配できた為試合は遅延で実施できた。
いづれの3つのケースでは全て新型コロナウイルスの感染は認めておらず、発熱での判断となっている。
発熱だけでは判断はできない
無観客で試合を実施する事で予想をしていなかった出来事が起こった。
実際に発熱だけでは風邪なのか、アレルギーなのか、インフルエンザなのか、急性腸炎などの症状なのかの判断ができない。
内科医が試合会場にいるわけではなく、検査キットがあるわけでもないので、実際に判断する事は難しい限りである。
リーグを継続する事は現実的に厳しい状況であるわけである。
別のチームでは外国籍選手の意見を尊重し、全員練習の参加から試合の出場を控え日本人のみで戦ったチームもある。
再びリーグは2週間の中断へと
無観客試合が行われた2日後に、リーグより記者会見があった。
現場のチームレベルではさすがにリーグの継続は厳しいのではないかと考えていた。
しかしリーグの決定は2週間のリーグ中断であった。
これによって再び外国籍選手は厳しいメンタルの状況となってしまった。
我々現場のものとしては、無観客で試合を続けるか、リーグの中止のどちらかがベストである。
なぜなら、外国籍選手はNBAが中断していることやアメリカで起こっている事が中心の考えとなり、2週間試合が遠ざかる事でメンタルが厳しくなってしまう。
練習に身が入らなくなり、母国にいる家族が心配である。
まだ試合があれば試合に集中できるので良いのだが、現時点では厳しい限りである。
実際に他のチームでは契約解除にして、母国に帰国した選手も出てきている。
我々のチームでもチームミーティング、個人面談をして、今帰国することもリスクがあることをエージェントが提案してくれたことで日本に残ることになっている。
アメリカが渡航警戒レベル4へと
こんな状況での世界的に感染は広がっていく。
アメリカが渡航警戒レベル4を発令し、海外滞在のアメリカ人に帰国を求める内容を発表してしまった。
チームもこの事で再び問題が起こり、揺れる外国籍選手がどうなるかといった現状である。
リーグが早期に今後の決断をする事が必至の状況となっている事は間違いない。
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