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【新型コロナ】遠征試合で私が感じた7つの不安

2020年3月17日

新型コロナウィルスが拡大される中、プロバスケットボールのBリーグが2020年3月14日に無観客試合として再開されることとなった。

実際に遠征し、試合を行ってみて感じたことがあり、不安要素も多くあった。

 

 

Twitterで投稿した内容を解説していきたいと思う。

 

リーグでの対応

現在、国として感染した場合、また濃厚接触者に関しては2週間の隔離となっている。

Bリーグでもリーグ再開に際し、チームで感染者が出た場合は、チーム活動停止となり、3チームで感染者が出た時点でリーグ中止すると発表されている。

 

1.公共交通機関での移動

今回、シーホース三河との試合のため、愛知県まで遠征となる。

チームとしてもバスにするか新幹線を利用するか検討したが、今後も含め、公共交通機関を利用することは必至となり、現在チーム内でも公共交通機関を利用して練習に来ている選手も複数いる。

 

遠征費用もバスの方が割高となるため、選手への負担も考慮し、元々の新幹線移動することになった。

チーム内で感染者を出すこと自体が許されない中、本当に大丈夫であるのか不安な部分は多くあるのが実際であった。

 

一般の社会人は毎日当たり前のようなに通勤している電車であるが、我々は普段電車を使わない人が多い。

特に外国籍選手は遠征でなければ基本電車に乗ることがないため、感染に対しての注意事項がよくわかっていない。

 

チームとして実施したこととして、除菌ミストスプレー配給、マスク着用、新幹線に乗ったらまず座席や空間に対して除菌スプレーをミストするよう指示した。

新幹線からチームバスに乗る際は手だけでなく、全身に除菌ミストして対応した。

 

2.感染させない対策が取れてるか

チームとして実施した事として、感染に関しての専門家に依頼してチーム内教育の講習会を実施している。

またチーム規則としても外出に関しての規制など実施している。

 

インフルエンザに関してもそうであるが、同居人の家族が感染した際にホテル生活をしてもらった選手も実際に今シーズンいる。

その甲斐あって今シーズンチームでインフルエンザの感染も現時点では防げている。

 

それでも新型コロナウイルスは、インフルエンザよりも10倍以上の感染力があると言われている。

チームでは手洗い・うがいなどできることが細心の注意と、専門家による指導も含めて対策は実施している。

 

とは言っても、目に見えないものであるし、現状誰にでも感染する可能性があり、感染することで2週間の活動停止、濃厚接触者を含め時間差で感染者が出ると1ヶ月以上の活動停止になる可能性は十分ある。

 

その中でリーグは続き、勝敗などの成績の判断が検討中である中、どうなっていくのか不安であることは避けられない。

 

3.ホテルの朝食ビュッフェ

遠征の場合、食事は昼食・夕食はチームディナーで対応し、場所もチームのみでの貸切となる。

そのため安心して食事はできる。

 

しかし、朝食に関してはフリーとなり、チームとしての貸切ができない。

たくさんの人が入り合う中、色々な人が触っているトングを使用するということはなかなか厳しいと感じてしまった。

 

ホテル側ももちろんきちんと対応していると思うが、お客個人によって手を消毒しないで食事会場に来てしまうこともあるかと思う。

食事会場のスペースも含め、この辺りは不安を感じてしまった点である。

 

4.検温の基準は正しいのか

今回無観客試合が開催するにあたり、ホームコートの主催者側より、検温するとの連絡があった。

もちろん個人的にも検温は必要性を感じている。

 

そして実施することは素晴らしい対応であることは理解している。

 

ホームチームに確認した事

ただ問題なことが数点あり、以下のことを主催者側に確認してもらった。

 

問題点と感じたこと

・体温・平熱は個人差がある
・外国籍選手の平熱は37度くらいで高めである
・熱があった場合どのような扱いになるのか
・風邪や花粉症でも熱が出てしまう
・チームとして出場可と判断した場合の相違点

 

移動日の前日に、体調不良者がいない事を前提に確認している。

もちろん、リーグとしてルールを決めなくてはいけない事を前提で確認している。

 

実際に起こった事

会場入りする際に検温をする。

検温は赤外線のサーモグラフィーであった。(よく空港で通り抜ける際に確認するタイプ)

 

朝の練習時の会場入りでは、平均して37度前後で高めに出た。

事前に脇で計るデジタル体温計よりも明らかに高く出る。

 

朝の練習帰宅時では34度前後とかなりの誤差を感じた。

そのため、額で計るタイプの体温計での二重での検温である。

 

環境温度や運動前後で体温差が出るので、個人的に思った事は信憑性がないように感じてしまった。

この試合会場では検温で問題がなく、無事試合が行えた事は良かった事であり、二重でチェックしていただけた事もありがたかった。

 

このような機材を含め準備して対応していただけた事は感謝しかない。

万一に際し、すぐにこちらでも体温を図れるよう常に体温計は備えていた。

 

5.内科医が試合会場に必要では

今回、他の試合会場で検温で問題が発生した。

個人的に思うこととしては熱だけで判断したことが正しかったのかという点である。

 

もちろんリーグとしての対応は素晴らしかったと思っている。

試合を中止にして、万一に備え体調不良者を拡大させない事は良かったと思っている。

 

熱だけでは病気の種類がわからない

発熱でも様々な症状がある。風邪、花粉症、食中毒、急性腸炎、インフルエンザなどなど数え切れない病気がある。

バスケットの試合を行うに際し、検温して熱があるから会場入りできない。試合をさせられないではそもそも論である。

 

とは言っても、バスケットボールの選手は少しくらいの発熱では試合に出場するのは当たり前のように経験している。

 

内科医の存在

現在バスケットボールの試合会場に会場ドクターがいないと試合開催ができないルールとなっている。

ただし、ほとんどのチームは整形外科医が試合会場で会場ドクターとなっている。

 

今回のような状況下での試合開催に際して、無観客試合であろうと専門的な内科医が必要であるように感じた。

専門家の判断で病状の判断をして会場入りできるのか判断する必要があると感じた。

 

現状では医師がいないところがほとんどであるので今後の開催に際しては検討すべき点であるように思う。

 

6.検査キットは必要ないのか

今回検温での対象者は検査を実施したのかは未確認である。

本当にリーグを再開し、今後も継続するのであれば、最低でも内科医が必要であり、各種検査をその場でできるようにすることも必要になるように思う。

 

何れにしてもどこで線引きするかの判断基準は必要かと感じてしまった。

でなければプレイオフでも試合が中止されることが起こってしまうわけである。

 

7.文化の違う外国籍選手の心境

外国籍選手の多くは家族、両親を母国に残し、日本に来ている。やはり心配である事は間違いない。

ましてNBAなど世界トップリーグでも中止となっている現状、感染がさらに拡大しているヨーロッパやアメリカ大陸の選手が多い事。

 

マスクすらする文化のない外国籍選手、インフルエンザの予防対策でもマスクをしない選手が、現在マスクをして、手には医療用のグローブをはめて新幹線移動して試合に臨んでいる。

本当に恐怖心があるのだと、心が痛い思いとなった。

 

現在どこにいても感染する可能性は高いが子供や家族と離れ離れで何かあった際にと考えると居ても立っても入れない思いと、リーグは継続されるという思いと両面ある。

 

自分自身もモンゴルという国であるが、2年弱生活していたことがあり、外国人としての扱い等含め経験があるので、少しは彼らの考えも理解できる。

 

私の場合、祖母と叔母をモンゴル滞在中になくなっている。

しかし、葬儀には出ることができなかった。

 

日本人は仕事第一に考える民族であるかと思う。

私も仕事第一で考えているが、やはり葬儀に出れなかった心残りな想いは今でも残っている。

 

ましてや外国籍選手のほとんどは家族が第一である。

いくら仕事でも、この辺りの文化の違いは大きく感じてしまう。

 

まとめ

今回7つの不安として記したがその他にも様々な問題は発生していると思う。

またリーグも最大限の努力、配慮をしてリーグを再開したと思っている。

 

この辺りはバスケットボールに関わるものとして、リーグに所属するチームの一スタッフとして感謝でしかない。

Bリーグが少しでも良い方向に向かって進んでもらえればと思っている。

 

 

 

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