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プロスポーツ選手のメディカルチェック

2021年9月26日

プロスポーツ選手はリーグにエントリーする際にメディカルチェックを実施することが義務付けられています。

目的として

選手の命を守ることが最優先となるためです。

リーグが開幕する前の一定期間までに検査を実施し、必要な書類の提出をしなければなりません。

 

プロチーム/選手のメディカルチェック

 

メディカルチェックの実施目的として

●選手の健康管理
●選手の命を守る
●薬物の使用・隠蔽の確認
●新規加入・移籍者の情報管理

プロチームとしては契約の選手やスタッフは健康診断をチーム(会社)として行わないのが通常となります。

そのため、何もしないと選手の健康状態がわからなく、万一の危険性が高くなってしまいます。

 

そのため、リーグのルールとしてメディカルチェックが義務づけされていることは良いことと思います。

 

その反面、チームスタッフは健康診断もメディカルチェックも実施がないので、独自で実施しなければならず難しい立場だと思っています。

実際に業務に追われ病院へ受診する時間がないのが実情です。

 

この辺りはリーグとしても改善してほしい点かと思っています。

メディカルチェック項目

個人情報・身体形態

氏名

所属クラブ

年齢

生年月日

実施日

クラブ在籍年数

 

身長

体重

一般的な情報としての項目となります。

内科・整形外科

内科疾患

内科的疾患 過去に病気にかかったことがあるか

治療薬の有無 現在何か飲んでいる薬があるか

家族歴 家族での心臓病疾患や突然死、その他特殊な疾患

 

整形外科的疾患

整形外科的手術の有無 怪我での手術があるか

既往歴 大きな怪我をしたことがあるか

 

ドーピングに関わる薬

TUE申請の有無 その薬を飲まないと生死に影響を及ぼすような薬の服用の場合TUEをJADAに申請しなければならない

 

診察・検査

医師の診察にて以下の項目の確認が必要となります。

診察 問診にて確認

血圧 血圧を測定し正常値であるか

脈拍 心拍数の確認

心雑音 聴診器にて医師の確認

マルファン症候群の疑い 心臓病の突然死につながる症状の確認

胸部レントゲン 心臓の肥大や肺の確認

 

心臓検査

心臓の検査としては3種類あります。

通常の心電図の測定は全員実施要件となっています。負荷心電図と心エコーは新規加入選手や移籍選手、継続5年、10年と長期間チームに滞在している選手は実施しなければなりません。

 

安静時心電図 寝た状態で体の複数部位に電極をつけて測定します。

 

負荷心電図 運動時と同じように心臓に負荷をかけて問題がないか確認していきます。

エアロバイク、ランニングマシーン、踏み台昇降などいくつかのパターンがあり、実施医療機関によって設備が異なるため、いづれかで実施して問題がなければ大丈夫となります。

 

心エコー エコー検査にて心臓に問題がないか確認

 

血液検査

 

血液検査の項目は実際にはたくさんの種類がありますが、スポーツ選手に影響を及ぼすような項目で構成されています。

以下に記していきます。

 

WBC 白血球数の項目、主な役割としては免疫であり、外部より侵入してきた外敵(非自己: 細菌、ウィルス等)に対応する細胞性免疫機能を有しています。 そのため、感染症では値が変動し、感染症・炎症の指標として用いられます。

 

Hb ヘモグロビン・血色素量、血液中のヘモグロビンは肺で酸素と結びつき、身体全体に酸素を運び、体内の組織にたまった二酸化炭素を回収して再び肺まで運ぶ働きをしています。鉄分が不足するとヘモグロビンを合成できず赤血球自体が小さくなり、数も減ってしまうので体内の組織に酸素を十分に行き渡らせることができなくなります。その結果、動悸・息切れ・疲労感・頭痛などが起きやすい鉄欠乏性貧血になります。

 

Ht ヘマトクリット値、ヘマトクリット値は血液中に赤血球が占める割合(%)、またはそれを測定する検査のことをさします。貧血を診断する指標となります。

 

TP 血清総たんぱく、血清中に含まれるたんぱくの総称です。主成分はアルブミン(70%)とγ-グロブリン(20%)で、これらはそのほとんどが肝臓で産生されます。 肝臓に障害が起こるとこれらのたんぱく質の合成能が低下してTPは減少します。

 

GOT AST(GOT)はアミノ酸を作り出す働きを持つ酵素です。肝臓や心臓、筋肉などに存在し、これらの臓器に障害が生じると、数値にもすぐに異常が現れます。そのため、肝機能障害、心筋梗塞などを発見する際の重要な手がかりとなります。

飲酒や運動後、またはステロイド剤を服用するとASTの数値が上昇します。

 

GPT ALT(GPT)は肝臓に最も多く含まれているため、肝臓にダメージがある場合に値が上昇します。つまり、ALTの値が高いということは、肝臓の病気である可能性が考えられます。

 

γGTP 肝臓の解毒作用に関係している酵素です。 肝臓や胆管の細胞がこわれると血液中にγ-GTP血液の中に流れ出てくることから、「逸脱酵素」といわれます。 そのため、γ-GTPは肝臓や胆管の細胞がこわれたことの指標として利用されています。

 

ALP アルカリ性フォスファターゼ肝臓、小腸、胎盤、骨などに多く含まれ、これらに異常が生じると、数値が高くなります。 そのため肝機能の異常や、肝臓から十二指腸への胆汁の動き、悪性腫瘍が骨に転移していないかなどがわかります。

 

CPK クレアチンフォスフォキナーゼ、心臓をはじめ骨格筋、平滑筋など筋肉のなかにある酵素です。 これらの細胞に異常があると、CPK血液中に流れ出すため、高い数値を示します。 CPK値に異常がある場合は、心筋梗塞などが疑われ、痛みの有無や心電図検査を総合して診断します。

 

BUN 尿素窒素、腎機能・肝機能の状態を調べる検査です。
体内のたんぱく質の老廃物が尿素窒素で、肝臓でアンモニアと二酸化炭素をもとに作られ、尿として排出されます。クレアチニン検査もあわせておこない、腎機能を総合的にしらべます。

 

Cr クレアチニン、筋肉に含有されるアミノ酸の一種であるクレアチンが代謝されて老廃物となり、腎臓を通って排出されます。 多くの場合、尿素窒素の検査とあわせてクレアチニン検査をおこない、腎機能を総合的に調べます。

 

T-chol 総コレステロール、数値が高いと動脈硬化の原因となり、心筋梗塞などを誘発してしまいますが、コレステロールは細胞膜を作ったり、腸内での脂肪の消化に役立つ胆汁酸やステロイドホルモンの原料になっているので、低すぎるのも危険です。

 

TG 中性脂肪、エネルギーとして使われ、余分なものは皮下脂肪や内臓脂肪として蓄えられます。高値の場合が問題となります。LDL-Cほどではありませんが、動脈硬化の危険因子となり、又、異常高値では急性膵炎を起こす可能性がありますので注意が必要です。

TGは食事の影響をかなり受けますので、検査を受ける場合は空腹時が望ましいです。

 

HDL-C 善玉コレステロール、HDLコレステロールは善玉コレステロールと呼ばれ、血液中のLDL(悪玉)コレステロールを回収します。 HDLコレステロールの値を調べることで、動脈硬化などのリスクがわかります。

 

UA 尿酸、タンパク質の一種であるプリン体を代謝した結果生じる老廃物です。尿酸の産生と排泄のバランスがとれているかが分かります。尿酸が血液中に異常に多くなる状態を「高尿酸血症」と言います。これが高い状態が続くと結晶として関節に蓄積され関節痛を起こし、これが痛風発作です。

 

HbA1c ヘモグロビンエーワンシー、血糖の値が正常かそうでないかの判断目安となる数値で、糖尿病のリスクを判別します。

 

以上が必須項目の血液検査となります。

各項目で様々な症状が分かり、血液検査は体調管理として一つの指標となります。全ての検査項目で正常範囲で異常なしと医師の判断が出なければ、再検査となります。

 

スポーツ選手の場合

スポーツ選手の場合、練習後に検査するとCPK値が水準より高く出てしまいます。筋肉損傷など疲労が重なることで数値がとても高くなってしまいます。この辺りはスポーツ選手の大きな特徴であります。

 

メモ

私の場合、チームスタッフで病院には付き添いとしてはよくいきますが、自分の診察や検査はなかなか時間がなく行えないのが現状です。

しかし50歳となり健康に関しても不安を抱く歳となり、健康診断を行いたいけど行えないというジレンマが続いてしまいます。

そんな時にオンラインで申し込んで、自分で実施できる手軽な検査キットがとても便利です。

  

 

尿検査

蛋白 尿蛋白が多い場合は、腎臓病の可能性がある

 

  糖尿病の有無を診断するのに有効です。

 

潜血 尿潜血が多い場合は、結石や癌の可能性もある

 

薬物検査

バスケットボールのプロリーグでは外国籍選手が多く在籍しています。

薬物も国やアメリカの場合は州によっても合法のエリアがあり、日本とはかなり薬物に対しても法律が異なっています。

そのため、日本ではうつ病の薬でも、他国とは異なり所持や使用が違法となるものも多くあります。

こちらの検査キットは尿検査で簡易的に10種類の薬物検査を行えるものとなります。

 

AMP アンフェタミン(覚醒剤)

 

MAMP メタムフェタミン(覚醒剤)

 

BAR バルビツレート(鎮痛・麻酔薬)

 

BZO ベンゾジアゼピン(抗不安薬)

 

COC コカイン(麻薬)

 

THC マリファナ(大麻草)

 

MTD メタドン(合成鎮痛・麻酔薬)

 

OPI オピエート(アヘンやモルヒネ)

 

PCP フェンサイクリジン(幻覚剤)

 

TCA トリサイクリック・アンチディブレサント(抗うつ薬)

 

 

選手エントリー条件

選手が試合に出場するためにはいくつかの条件があります。

 

選手エントリー条件

  • メディカルチェック結果を提出
  • ドーピングeランニングの修了証の提出
  • 薬物検査の結果提出
  • 2週間に1度実施されるPCR検査にて陰性
  • リーグの健康管理アプリにて異常初見なし
  • 試合会場での検温パス

 

リーグでの選手エントリーやメディカルチェックの実施は、選手の健康を守ること、ドーピングの知識を身につけフェアプレイ精神に則って競技すること、薬物違反での社会的制裁から選手やチームを守る、コロナ禍でもリーグや試合を行いファンやスポンサーや地域貢献を行うことを目的としています。

この記事が参考になれば幸いです。

 

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