足関節の捻挫でこんな疑問や質問にお答えします!
足首の捻挫をしちゃいましたがどのような応急処置をすればいいの?
RICE処置というやり方がありますよ!
難しい名前の靭帯や骨は難しくてよくわからない...
捻挫で必要な点をまとめたから参考にして!
自分でできる足関節捻挫の対処方法の1回目として足関節の基礎知識や実際に怪我をした際の対処方法、アイシングのやり方、アイスバスのやり方を紹介します。
今回の内容は医療関係の骨や靭帯、筋肉の難しい名称が出てきますが、足関節の捻挫のリハビリの際やトレーニングする際に知っておくとその部分を意識して実践できるようになるのでとても役立ちます。
勉強して知識から理解して足関節の捻挫に対して学んでいってほしいと思います。
まとめ
骨・・・腓骨、脛骨、距骨、踵骨の4つ覚えましょう
靭帯・・・前距腓靭帯、踵腓靭帯、前下脛腓靭帯の3つ覚えましょう
筋肉・・・腓骨筋(長・短)、後脛骨筋、腓腹筋、ヒラメ筋の4種類覚えましょう
応急処置・・・RICE処置とさらに固定するPRICE処置があります
アイシング・・・練習後に炎症を抑える目的で実施、凍傷と寒冷じんましんに注意
アイスバス・・・全体的に冷やせるが応急処置には向いていない
私は現在プロバスケチームでアスレティックトレーナーとして活動しています。
バスケットボールで最も多い怪我が足関節捻挫となります。
多くのプロ選手の対応をしてきて20年ほどのベテラントレーナーです。
高校生や大学生の全国区のチームも対応していた経験を活かしてあなたに解説していきます。
足関節捻挫をテーマにするとかなりのボリュームとなるので何回かに分けて投稿しますので参考にしていただければと思います。
足関節の基礎知識
足関節の構造を理解しておくと後々とても有効的なリハビリやトレーニングとなってあなたの競技力にも良い影響をします。
少し難しいですが、勉強して頂き、理解を深めていただければと思います。
骨に関して
足関節を構成している骨もいくつかあります。
ここでは特に足関節捻挫に対して知っておくと良い骨に関してのみ紹介いたします。
外側にある1本の細長い骨を腓骨(ひこつ)といい、外くるぶしとなっている骨です。
それに対して内側のスネになっている太い骨が脛骨(けいこつ)といい、内くるぶしとなっています。
腓骨と脛骨の2本が膝の下の骨となってふくらはぎの部分の土台になっています。
脛骨と腓骨の下にある骨が距骨(きょこつ)と言って足関節の土台の骨となり、さらにその下に踵骨(しょうこつ)と言って踵(かかと)になっています。
足関節捻挫ではこの腓骨、脛骨、距骨、踵骨の4つだけ覚えていただければ大丈夫です。
靭帯に関して
足関節捻挫では内返しの捻挫が多く、最も痛める靭帯は、腓骨と距骨を繋いでる靭帯で前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)という靭帯です。
非常に難しい名前なんですが、これをちょっと覚えておいてもらいたいなと思います。
さらにひどい捻挫の場合は外側のくるぶしと踵にくっついてる靭帯があり、踵腓靭帯(しょうひじんたい)と言います。
ここまで損傷してしまうっていうケースも実際にあります。
足関節を反った状態で捻挫してしまうケースもあります。
バスケットボールやバレーボールなどの球技ではジャンプの着地の際に人の足の上に乗ってしまい、足を反った状態で捻挫してしまうケースもあります。
その際に痛めてしまう靭帯が腓骨と脛骨を繋いでいる前下脛腓靭帯(ぜんかけいひじんたい)といいます。
この靭帯は通常の歩行でも足関節が反ってくると負担がかかり治りにくい靭帯なので症状が持続してしまうケースもあり、通常の歩行時でも負担がかからないようにテーピングで圧迫して足が反りすぎないようにするなどひと工夫が必要になります。
靭帯は前距腓靭帯、踵腓靭帯、前下脛腓靭帯の3つを覚えていただければと思います。
競技によっては内側が負担がかかってしまうケースもありますが、今回は内返し捻挫をテーマにしています。
筋肉に関して
筋肉は必ず1つ以上の関節をまたがってくっつく事で骨を動かしています。
一番表面にあるのがふくらはぎの腓腹筋(ひふくきん)という筋肉です。
その奥にあるのがヒラメ筋です。
この2つの筋肉の違いはヒラメ筋は膝の下についているので足首の動きに大きく関与しています。
腓腹筋は膝の上についているので足首の動きだけでなく、膝の動きにも関与している点です。
両方ともアキレス腱となって踵についています。
足にも細くて細かい筋肉はいくつもありますが、足関節の安定感に関与している筋肉を2つ紹介します。
内側の安定性の筋肉として後脛骨筋(こうけいこつきん)という筋肉があります。
外側には腓骨筋(ひこつきん)という筋肉があり、さらに長腓骨筋と短腓骨筋に構成されています。
内返しの捻挫では腓骨筋が捻挫した際にダメージを受けてしまい、筋力の低下が著しくなってしまうケースもあります。
腓骨筋が機能しなくなると捻挫を繰り返してしまいやすいということがポイントとなります。
外くるぶしの後ろを通って小指についているのが短腓骨筋、さらに足の裏を通って親指についているのが長腓骨筋です。
足関節の捻挫では特に奥にある細いインナーマッスルを強化して安定感が出るように強化していくのもリハビリのポイントになってきます。
怪我をした際の対処方法
怪我をしたときの対処法として、RICE処置とPRICE処置という応急処置の仕方について紹介していきたいと思います。
RICE処置
怪我をした時にRICE処置っていう形を実際にします。
REST(レスト)は安静にするということです。
ICE(アイス)は冷却する、氷で冷やすということです。
Comprestion(コンプレッション)と言って圧迫をするという意味です。
Elevation(エレベーション)と言って心臓よりも高く上げるという事です。
怪我をした後に、バケツの水に足を突っ込む形では安静と冷却はできますが、圧迫と挙上というのができないので駄目な対処方法となります。
ですから写真のような形で、心臓よりも高く足を挙げて安静にして、氷で冷やして、さらに固定して圧迫をするっていうのがRICE処置になります。
PRICE処置
最近はさらに進化してPRICE処置というのがあります。
Protect(プロテクト)はしっかりと固定しましょうという事です。
特にアイシングも20分間ぐらいした後にそのままにしておくのではなく、固定をして、安定させることも大切であり、PRICE処置となり、症状がひどい状態の時はPRICE処置をする必要があります。
捻挫をした際にこのようなRICE処置やPRICE処置をするかしないかで、あなた自身の復帰が大きく変わってしまいます。
復帰に際して1〜2週間変わってくる場合もあります。
ですから、捻挫をした時は正しい応急処置の対応がとても大切で、さらに必要な場合は整形外科を受診して検査をして骨折していないか、の確認は必要となり、程度がひどい場合はMRI検査も必要になるケースもあります。
こういった怪我をしたときには、お風呂の入浴に入るのではなくてシャワー程度にした方がいいです。
なぜかというと冷やさなければいけない時に温めてしまうと悪化してしまいます。
血の循環がよくなって出血したものが細胞の中に入り込んでしまうと細胞自体が死んでしまい機能低下となります。
それを極力防ぐっていうことが目的で冷やして、血流を最低限にする必要があります。
動脈は血液を送るので止まることがないので流れていきます。
損傷した部分の静脈を足の方に溜めないようにて心臓より高くして戻りを良くすることで腫れを抑える働きもあります。
アイシングのやり方
アイシングの目的
怪我をした時、運動した後、リハビリをした後は炎症症状が出るのでアイシングをする必要があります。
そのため、患部や後遺症のある部位などアイシングを行なって冷却することで痛みの軽減や回復にも影響するわけです。
アイシングによる皮膚の感覚4ステップ
アイシングをやったことのある人はわかると思いますが、最初はとっても冷たくて我慢できないくらい、冷たくて痛かったりします。
アイシングは慣れてしまうまで耐えれば次からは普通にできるようになり、幼稚園児も問題なく実施できます。
ただ慣れるまで痛くて我慢しなければならず、皮膚の感覚には段階的なステップがあります。
実際に4つのステップがあります。
アイシングの時間も夏場と冬場では気温の関係で違ってきますが、夏場は図のような4つのステップを辿り、最終的には感覚がなくなるまでやってほしいです。
1つ目のステップとしては冷たく感じます。
しばらくすると冷たいから、2つ目のステップとなり痛いっていう感じに変化します。
ここを我慢して乗り越えてくるとステップ3としてポカポカするという感覚となり、痛いという感覚が抜けてきます。
さらに次の感覚になると深部の方まで冷たさが浸透していくことによって感覚がなくなって全然問題なくなってきます。
アイシングはバンテージでしっかり固定した方が冷却効果があるので、取り外しが簡単にできないようバンテージで巻き付けましょう!
アイシングの作り方(アイスバッグ)
アイシングの作り方として、アイスバックでの作り方について説明していきます。
1.アイスバッグとバンテージ、氷を準備する
2.アイスバッグのキャップを取って氷を入れる
3.氷を板状にして平らにする
4.空気を抜いてキャップを閉める
5.バンテージで巻きつける
6.キャップを抜いてさらに空気を抜く
ゴムタイプのアイスバッグは臭くなりにくい、カビが生えない、漏れにくいといった衛生面に対して利点があります。
欠点としては汗をかいたように表面に水滴がついてしまうことです。
清潔感や衛生面を考えゴムタイプが好きです!
アイシングを巻き付けたら端を間に入れて固定できます。
バンテージは1つ持っておくと何かと便利です!
アイシングの注意点
凍傷にならないようにしましょう
家庭用の氷は冷凍庫の温度が0度以下で設定されているので、氷に霜がついています。
そのため、そのまま当てがってしまうと皮膚が凍傷になってしまう場合もあるので注意が必要です。
氷の表面が溶けるように水を少しだけ入れて氷が溶けるようにすれば大丈夫です。
寒冷じんましんにも注意
急な温度の変化によってアレルギー反応が出るケースがあり、赤くみみず腫れのような症状が寒冷じんましんです。
敏感肌の方は寒冷じんましんになりやすいケースもありますので、痒みが出た場合は一旦取り外して様子を見るか、手ぬぐい等一枚間に挟んでアイシングをするようにしましょう。
アイスバスのやり方
アイスバスのやり方
1.足が入る縦長の入れ物、トーキャップ、水、氷を準備する
2.入れ物に水と氷を入れる
3.足の指先にトーキャップを着用
4.足を入れて冷却する10〜15分程度
足の指先は冷えすぎてしまうと、足を入れておくことが困難となるため、指先の保護を目的としてトーキャップがあると継続して実施しやすい。
耐えられる場合はトーキャップなしでも問題ありません。
アイシングとアイスバスの違い
アイスバスの利点としては短時間でも全体的に冷却することができることが利点となります。
ただし欠点としては圧迫することができないこと、心臓より高く実施することができません。
そのためRICE処置としては安静⚪︎、冷却⚪︎、圧迫×、挙上×、なのでアイスバスは不適合となります。
アイスバスは応急処置としては使用せず、日頃の練習やリハビリ後に実施すると良いわけです。
アイシングの利点としてはRICE処置にも対応できること。
冷却しながらも移動できるのでアイシングしながら帰宅する選手も実際にいます。
どちらを行なっても大丈夫ですので、注意点や特徴を活かしていただき、あなたの適切な手段を活用してください。
ちょっと良くなるとやらなくなりがちですが、しばらくは継続して習慣化させると良いでしょう。
高さがあって膝下まで冷やせる点、ソフトタイプで折りたたんで持ち運びも簡単なので遠征時にも荷物にならない、水を入れても安定感がある点がとてもいいです。
欠点は内側は丈夫ですが、外側の生地は重さで破けてしまうので、最初に外側の底を手縫いでもいいので補強しておくと大丈夫です。
プロチームでも毎日使用しています!
足先の冷えすぎる苦痛を軽減できます
まとめ
まとめ
骨・・・腓骨、脛骨、距骨、踵骨の4つ覚えましょう
靭帯・・・前距腓靭帯、踵腓靭帯、前下脛腓靭帯の3つ覚えましょう
筋肉・・・腓骨筋(長・短)、後脛骨筋、腓腹筋、ヒラメ筋の4種類覚えましょう
応急処置・・・RICE処置とさらに固定するPRICE処置があります
アイシング・・・練習後に炎症を抑える目的で実施、凍傷と寒冷じんましんに注意
アイスバス・・・全体的に冷やせるが応急処置には向いていない
今回は足関節捻挫でも一番基礎となる知識としての紹介と応急処置のやり方を紹介しました。
そして実際に練習後やリハビリ後に起こる炎症症状をアイシングやアイスバスを活用して鎮めて回復させていく方法も紹介しました。
足関節捻挫に関しての記事をこれからいくつか投稿しますので参考にしてください。
この記事が参考になれば幸いです。
こちらもどうぞ