アスレティックトレーナーの働き方ってどんなのがあるの...
アスレティックトレーナーの年収は...
プロのトレーナーってどんな仕事...
こんな疑問にお答えします。
私はプロバスケチームでトレーナーとして長年活動しているベテラントレーナーです。
2009-11年の3年間、男子バスケ日本代表トレーナーとしても活動していました。
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーのひとりです。
アスレティックトレーナーとしての働き方にも様々な形があり、雇用形態もまた様々です。プロチームとして関わることもあり、実際に仕事環境によって仕事内容も異なってきます。
この記事では、アスレティックトレーナーの働き方や年収などイメージできるようにお伝えし、アスレティックトレーナーを目指している方の参考になれば幸いです。
結論
アスレティックトレーナーとしても働き方は、病院、接骨院、治療院、フィットネスジム、医療メーカー、スポーツメーカー、プロチーム、フリーランスとたくさんの選択肢があり活躍の場は多いものです。
アスレティックトレーナーの年収は、200-1000万以上とキャリアやその他の資格、組織の基準によっても大きく異なります。
やり甲斐や生き甲斐はあるものの、下積み時代は厳しい現実はあります。
アスレティックトレーナーの働き方
アスレティックトレーナーとは
スポーツ選手の治療やリハビリなどに関わる仕事をアスレティックトレーナーと言い、いくつかのタイプに分かれます。
- 日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー
- アメリカ公認のアスレティックトレーナー
- その他医療系の国家資格保持者など
日本でのイメージは、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーのイメージがありますが、実際のスポーツ現場では医療資格のみの方でも役職や肩書きでアスレティックトレーナーとして活動している方も多いかと思います。
病院勤務
病院の勤務の場合、アスレティックトレーナーの資格では保険請求ができないため、理学療法士(PT)の立場の方が良くなります。
そのため、理学療法士と日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー等の資格があるととても有利な立場となります。
アスレティックトレーナーのみの資格では、あくまでも理学療法士の助手的な立場となるでしょう。
病院によってはプロチームや社会人チームなどと業務提携をしていることもあり、スポーツ現場へいく機会もあるかと思います。
接骨院/治療院勤務
接骨院にもスポーツ選手がたくさん来院する施設もあり、怪我に関する知識や経験を多くできることができます。
病院では大きな怪我からの復帰に際して対応するケースが多いのに対して、接骨院では怪我をしているけどプレイは可能で疲労や痛みを軽減させたい選手が来院するケースが多いように感じます。
高校や大学など学生チームと業務提携しているケースもあり、スポーツ現場で活動する機会もあるかと思います。
接骨院や治療院を開業するには医療系の国家資格が必要となり、スポーツ現場で活動した方が独立することも多いです。
トレーナーの資格に関する詳細はこちらを参考に
>>【資格】スポーツトレーナーに必要な資格15選
プロチーム所属
プロチームではトップアスリートに毎日対応するので、テーピング、選手の治療、リハビリと高い水準を求められます。
アシスタントとして関わり、最初はかなり大変かと思いますが、プロチームで活動できること自体が貴重な体験になります。
プロチームは勝敗によっても現場の雰囲気が異なり、オンとオフの切り替えも難しく、メンタル的にも負担がかかり易い職場となります。
まずは1シーズンやり切れるように、事前の準備が大切になります。
フィットネスクラブ
フィットネスクラブではパーソナルトレーナーとしてマンツーマンで指導する機会が多いかと思います。
アスレティックトレーナーの医学知識があると怪我をしないように強化できるので、そのようにプログラムを組みサポートできれば、かなりニーズはあるかと思います。
実力次第では飛躍できる可能性も高いです。
医療/スポーツメーカー
医療メーカーは病院や接骨院、プロチームのアスレティックトレーナーと話をして治療機器の説明をするなどとても重要なポジションです。
現場の人間は実際にトレーナーとして知識や経験がある方と話せた方がその器械の活用イメージもしやすく、詳細な活用方法なども提示していただけるため、とてもありがたい存在です。
スポーツメーカーの場合、シューズやウェアなどの開発に関わることもでき、現場の実際の声としても関わるケースもあります。
またメーカー専属のトレーナーとして、サポートチームやサポート選手の対応や施設で働くことも可能となります。
かなり狭き門となり、それなりの実績が必要になるかと思います。
フリーランス
特別な組織と専属で契約するのではなく、年間を通して様々な組織と業務提携する形態となります。
組織でも常勤もいれば、パートタイムもあり、また一定の期間のみ契約もあります。
まだまだ難しく安定していませんが、コロナ禍でトレーナーが濃厚接触者判定となると穴埋めする人材も必要になります。
今後フリーランスとして活動する形態も増えていくかと思います。
アスレティックトレーナーの年収
キャリアや資格、実力、組織によっても年収は大きく異なります。
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーの資格を取得したからといって、年収が大きく増加するわけではありません。
アスレティックトレーナーという職業柄、経験値がとても重要で、実績を積むことでステップアップしていきます。
年収としては200万-1000万円程度に収まるのかと思います。
1000万以上の年収の方は全体の5%程度になるかと思います。
平均すると300-400万円台が平均なように感じています。
500万円以上の年収になるとそれなりの経験値が必要になってきます。
接骨院や治療院、その他独立してトータルして大きな収益を出している方は大勢いるかと思いますが、アスレティックトレーナーという仕事のみでは上記の範囲での活動が多いかと思います。
雇用形態もさまざま
- 正社員
- 契約社員
- 業務委託
正社員
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーや医療資格の合否が出るのは遅いため、新卒で正社員採用することはなかなか企業にとっても難しい状況になります。内定をもらっても不合格になってしまい、取り消されたり、契約社員扱いになってしまうケースもあります。
メリット | ・安定な生き方 ・ボーナスがある ・組織としての肩書きがもらえる ・福利厚生がある |
デメリット | ・仕事は選べない ・終身雇用ではなくなりつつある ・副業できないケースも |
契約社員
アスレティックトレーナーで契約社員の場合、企業メリットの方が多いように感じます。
しかし、目的としている会社に就職できることは大いにプラスとなるし、合わない場合は契約期間を満了すれば次のステップにも繋がります。
トレーナーは経験値がとても大切なので、色々な働き方をすることも勉強になるので生かせる方も多いと思います。
メリット | ・目的の企業でも働けるチャンスはある ・組織としてのメリットがある ・色々な仕事を経験できる可能性もある |
デメリット | ・企業に技量を見定められる ・福利厚生が軽減 |
業務委託
企業やチームと契約して、その業務を契約期間行う働き方。プロチームも業務委託として1年間等契約するという形となります。
その仕事を行い、余計な雑務はする必要がないかなどは契約条件の双方の合意にて取り決めなければならない。
メリット | ・自分のやりたいことができる ・組織に属さなくても活動できる ・自由度は高い |
デメリット | ・不安定な働き方でもある ・契約内容をしっかりしないとこじれる事もある ・病気や怪我での補償はない |
プロチームとの契約の仕方の詳細記事はこちらを参考に
>>【契約】スポーツトレーナーがプロチームとの業務契約の種類
プロチームでのアスレティックトレーナー
プロチームでの働き方にも実際はいくつかあります。
私は長年プロバスケチームに関わっていますので、バスケットを例えると、社員なのか業務委託なのかにわかれます。
そしてチームもトップチーム/U15/U18とあり、関わり方も全てを任されるヘッドトレーナーやサポート役のアシスタントトレーナーによっても仕事の範囲が異なってきます。
- 正社員/契約社員
- 業務提携/パート契約
- トップチーム/U15/U18
- ヘッドトレーナー/アシスタントトレーナー
まずはアシスタントトレーナーとして経験を積んでいき、信頼されるとヘッドトレーナーとして任されるようになります。
U15/U18は若手のトレーナーに任され易いポジションですが、実際には成長期の選手はさまざまな問題があり、チームとしてはアンダーカテゴリーにストレングスコーチを常駐するまでの資金が確保できないため、U15等のアンダーカテゴリーに対応するのは経験値があるトレーナーの方が向いているかと思います。
接骨院など学生が多く通う施設で経験を積むと対応がし易いです。
プロチームではステータスは高い
プロの試合を観戦すると華やかな世界でスタッフとして活動している方を見ると憧れの存在になるかと思い、私もプロチームでトレーナーとして働きたいと目標にしてこの世界に入る方は多いかと思います。
実際にプロチームの現場では直接選手と関わり、選手のケアやリハビリなどサポートをすることで選手が良いパフォーマンスを試合で発揮してスポットライトを浴びるので、トレーナーとしてもやり甲斐や生き甲斐は大いにあります。
さらに日本代表チームに関わることができると見える世界も変わってさらなる飛躍のステップになるかと思います。
プロチームの待遇は決して良くない
プロチームのスタッフはチームを指揮するヘッドコーチは別として、その他のスタッフは厳しい現実は実際にあります。
毎週のように試合で勝負がかかっているので、その時その時で雰囲気も大きく変化しますし、チームが勝っていても試合に出れない選手もいるので、チーム内でも温度差は生まれ易いのも事実です。
ヘッドコーチの機嫌によっても空気がピリつく事もあり、常に緊迫した状況であり、メンタル的にも追い込まれ易いのがプロチームです。
怪我人が出れば、OFFの日に病院を受診して休みは年間通してほぼない状況にもなります。
そのため、肉体的、精神的な強さが必要になり、トレーナーがよく体調不良で欠勤というわけにはいかないのです。
プロチームでの仕事に関する詳細はこちらを参考に
>>プロチームのトレーナーの仕事【1日の業務スケジュール】
物品提供は意外とあるのでありがたいプロチーム
一般の会社の社員でも専門的に扱っている製品はもらえたりとするかと思います。
プロチームの場合も同様で、さまざまな業種のスポンサーがあるので、いただける機会はそれなりに多いです。
ウェア、スーツ、バックなどチーム関連のものから、食材や生活品までその時々でいただける機会はあります。
ただし、SNSでお礼の宣伝という形は必須となるのが現代の流れです。
この辺りはバランスが難しいのも事実ですが、生活費としてまかなえる部分も大きいかと思います。
まとめ
アスレティックトレーナーの働き方と年収に関して記してきました。
仕事としてのやり甲斐や生き甲斐は大いにありますが、年収としては現実にはまだまだアスレティックトレーナー単体としては厳しく、収入を増加させるには独立していく必要があるのも事実かと思います。
働き方はさまざまあり、色々な形態も増えてきていることも事実です。
今後はe-sportsのチームでも専属のトレーナーとして活動していく機会は増え、企業でも専属のトレーナーとして社員の健康管理を任される時代になっていくかと思います。
新たなチャンスも巡ってくるかと思いますので、可能性を感じる職業だと思っています。
まとめ
アスレティックトレーナーとしても働き方は、病院、接骨院、治療院、フィットネスジム、医療メーカー、スポーツメーカー、プロチーム、フリーランスとたくさんの選択肢があり活躍の場は多いものです。
アスレティックトレーナーの年収は、200-1000万以上とキャリアやその他の資格、組織の基準によっても大きく異なります。
平均すると300-400万円台である
やり甲斐や生き甲斐はあるものの、下積み時代は厳しい現実はあります。
今後はe-sportsなど新たなニーズも生まれてくるので期待できる仕事である
この記事があなたのアスレティックトレーナーとしての今後のお役に立てれば幸いです。
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