トレーナー 怪我

怪我をした際の応急処置の仕方【部位別】



結論

・怪我をした時の応急処置としては、RICE処置を行う事が前提である。
・状況によってはさらに固定保護もするPRICE処置
・軽傷な怪我に対してなど目的に応じてPOLICE処置
・怪我の種類や部位によってはやり方も異なってくる。


練習中や試合中に選手が怪我をした際にまずやるべきことが応急処置となる。

その前にトレーナーや医師などがいた際は確認する場合もある。

ただし、あまりにも早期に判断をすると誤診につながるケースもあるので、スポーツ現場で怪我が起こった際はまず応急処置をして、それから再度確認する方が良い。

明らかに軽傷であれば、少し時間が経てば再びプレイ再開できる場合もあるし、明らかに大怪我の場合は救急処置が必要となってくる。

今回の場合は捻挫や肉離れ、打撲や骨折なども含めた応急処置となる。

RICE処置



RICE処置とは、REST(安静)、ICING(冷却)、COMPRESSION(圧迫)、 ELEVATION(挙上)の頭文字を取ったものである。怪我をした際の応急処置としてRICE処置が一般的であり、日本でも浸透してきている。

やり方

1.氷嚢やビニール袋に氷を入れて空気を抜いて口を結ぶ
2.バンテージや包帯、アイシング用ラップ等で氷を圧迫しながら固定する。
3.足を高くして安静に保つ
時間:20分くらい行う
4.その後はU字パットなどでより圧迫し包帯等で圧迫して安静にする。
5.40分くらいたったら再び氷で冷やす(RICE処置を繰り返す)
6.必要ならば医療機関へ受診する。

安静(Rest)

怪我をした時は安静にすることがとても大切である。

無理に動かすとさらに悪化する可能性もある。

また損傷部位では内出血が起こり、動かすことで血液の成分が広がってしまう。

細胞に血液が浸透すると細胞が壊死するため、回復に時間がかかってしまう。

そのため腫れも広がってしまうので安静にしておくことは復帰に際しても重要である。

冷却(Icing)

怪我をした部位は氷を使って冷やすことがポイントとなる。

怪我をすると痛みが出るため、冷やすことで痛みを抑える働きがある。

また冷やすことで損傷した血管を収縮させ出血を小範囲で済ますことができる。

怪我をするとその部分は炎症症状が出て熱を発するので氷で冷やすことは大切である。

氷を使うことが必要なため、スポーツ現場では応急処置のための氷の準備もしておくと良い。

圧迫(Compression)

怪我をした部分を圧迫すると、腫れを抑えることができ、内出血での損傷も軽減できる。

この圧迫をするか、しないかで怪我をした部分の腫れ方が大きく変わってしまう。

復帰をする際に最も時間がかかるのが腫れを引かせることである。

腫れたことで細胞が壊死し、運動機能が低下してしまう。

挙上(Elevation)

怪我をした際にその部分を高くすることも大切である。

基本的には心臓よりも高くすると良い。

怪我は運動している時に起こるので、怪我をした時でも血行はかなり良い状態となっている。

そのため動脈に乗って血流は防ぐことができないが、損傷部位では表面にある静脈の損傷が大きい、静脈は心臓に戻る血管であり、そこが損傷すると心臓に戻る量も減少して、腫れの要因となってしまう。

そのため心臓より怪我をした部分を高くして心臓に戻りやすくする必要がある。

足を低くしていると腫れの大きさが増してしまう。

その他の考え

上記のようにRICE処置のすべての項目を行うことで、損傷を最小限に抑えることができ、同じ程度の怪我でも復帰に際し大きく異なってしまうので、実施してもらいたい。

最近では医学も進歩してRICE処置にプラスした考え方やケースもあるので有効活用してもらいたい。

PRICE処置

PはPROTECTION(保護)として骨折などは動かないように固定保護した方が良い。

骨折の場合振動によって痛みが増加する。PRICEにて医療機関に行くことが大切となる。

POLICE処置

Pは上記同様PROTECTIOIN(保護)、OLはOPTIMAL LOADING(最適な負荷)となりREST(安静)ではなく適度に動かして筋肉の癒着を防ぐという考えである。

この辺りは専門家のトレーナーなど現場にいる際により良い対応として判断されるところである。

怪我の種類、部位、状態によって異なってくるかと思う。

最近では電気治療にも様々なものがあり、治療として良いMCR(微弱電流またはマイクロカレント療法)などを併用しながらRICE処置する場合もよくある。

※バケツに足を入れて冷やす【注意】

この方法は応急処置としては現在は間違った方法であるので使用しないでもらいたい。

なぜなら、圧迫(C)と挙上 (E)がないのでとても腫れやすい状態となり、復帰する際大きく時間を要してしまうためである。

怪我をした時でなければ活用できるので使い分けてほしい。

練習後に痛みを軽減させたり、疲労回復させるためにバスケットボールの選手はアイスバケツをよく実施している。

腫れを起こす事がない状況であればとても有効であるので、実施してもらいたい。

もう一度言うが応急処置では使用しない事である。

症状別の応急処置



怪我の種類や状態によって応急処置も少しづつ異なってくる。

基本はRICE処置を実施していただき、専門家がいる際はより良い対応を心がけていただければ幸いである。

捻挫

捻挫でも足関節捻挫、膝関節捻挫など様々な部位で起こる。

基本的な考えとしてはRICE処置となるが怪我の状態によってその後の対応も含めて変わってくる。

足関節捻挫の場合

初回捻挫

RICE処置
今まで足関節の捻挫をした事がない場合は、必ず内部で損傷(靭帯、筋肉、組織など)がある。

そのためしっかりとRICE処置を行ってほしい。歩ける場合はひと安心であるが、一応整形外科に受診し、医師の診察をしていただきたい。

重症捻挫

RICE処置またはPRICE処置(移動する際はしっかり固定したい)

怪我をした際に歩く事ができない(足をつく事ができない)場合は、靭帯だけでなく骨にも問題がある可能性がある。

RICE処置またはPRICE処置後すぐに整形外科を受診してほしい。

軽傷捻挫

RICE処置またはPOLICE処置
捻挫の程度としては軽く歩行も可能であるが、練習に参加することは困難な場合は、RICE処置またはPOLICE処置になる。

通常はRICE処置後に関節を動かして確認したり、MCR(微弱電流)の電気を流しながらのPOLICE処置になる。

繰り返しの捻挫

RICE処置またはクライオキネティクス(以下で解説)

同じ部分を何度も捻挫していると、捻挫してもあまり痛みを伴わなかったり、すぐプレイできてしまう。

その際は状況を見て少し時間を見て、できないようであればRICE処置を行う。

アイシングをして冷やした状態で可動域運動をする事で運動機能を損なわないようにするやり方がクライオキネティクスである。

打撲



バスケットボールの場合、相手の肘や膝が当たって打撲になることはよくあることである。

特に大腿前面(ももの前)の打撲は痛みが伴うのでプレイできないこともよくあることだ。

打撲は場合によっては復帰に長期間かかるケースもある。

骨折よりも時間がかかるケースもある。特に筋肉の中で出血が広かってしまい、過度な刺激をかけると筋肉の中に骨が形成される。

この状態を骨化性筋炎と言って手術して取り除かなければならなくなる。

対応としてはRICE処置であるが関節を曲げて筋肉を伸ばした状態で行う事が必要となる。

筋肉は冷やした際に硬く縮む性質があるため筋肉を伸ばしながら冷やす事が必要となる。

バスケットボールの場合、大腿前面の打撲のケースでは、膝が90度曲がらないとプレイは厳しいので最低限の曲げ伸ばしができなければプレイは厳しいと判断する事が多い。

もちろん大会の重要な試合の場合は強行出場しなければならない場合もあるかと思うが、その後のリハビリは必須となる。

肉離れ



肉離れと打撲では真逆の対応となってくる。

判断としては打った覚えがあれば打撲であり、自分自身で痛めた場合は肉離れや筋膜炎の可能性が高い。

この場合筋肉自体が引き伸ばされて起こっているので、筋肉を伸ばす事でさらに悪化する事がある。

RICE処置をするときは筋肉を縮めて負担がかからないようにしなければならない。

要するにストレッチ禁止となる。

※足がつった際の対応【注意】

スポーツ現場でよくあるシーンで足がつってしまった際の応急処置である。

足つった経験がある選手は判断が自分自身でも分かると思う。

そのためつったから伸ばしてとなり、ストレッチをする。

その際に一度縮めてから伸ばした方が効果的である。(ケースによる場合もある。)

足をつった経験がない選手はつった感覚が分からないので自分自身判断がつかないが、周りの経験から足がつったという事がある。

その際の注意点としては、本当に足がつっているのか、肉離れや筋膜炎でないかの判断をしなければならない。

肉離れや筋膜炎でストレッチをしてしまうと損傷が増す場合がある。ここは慎重に確認をする必要がある。

骨折

骨折しているのかはトレーナーや医師でも判断を誤るケースはよくある事である。

そのため医療機関への受診が必要である。

まずはRICE処置をして形状が変形していないか、叩打して響く痛みがあるかなど確認する必要がある。

痛みが強い場合はPRICE処置で固定をして整形外科を受診したい。

指や前腕部は小学生でも多い怪我である。

脱臼

脱臼の場合、見た目で変形を確認できるかと思う。

初心者の場合は無理に整復しないで整形外科を受診した方が良い。

無理に整復すると骨の破片が挟まったりと二次損傷の危険もある。

専門家と一般の方では知識と経験で大きく異なる。

RICE処置またはPRICE処置で対応しつつ、大きい関節の場合は救急車を呼ぶことも選択肢の一つである。

脱臼の場合は関節がはまっていないため何もしなくとも痛みが続く。

より短時間での処置がその後の復帰にも影響する。

クライオキネティクス(CRYO KINETICS)

Cryo(冷却)、Kinetics(動かす)という意味からなっている。

氷で患部を冷やして痛みの感覚を鈍させた状態で関節を動かしていく方法である。

何度も繰り返し捻挫をしていたり、復帰に際し十分な時間がない緊急時などではよく利用する方法である。

何度も繰り返しの捻挫の場合、様々なケースがあるが腫れが出ないこともある。

このような時は特に有効となる。

私が実際に行なっている方法

やり方

10分-アイシング
3分-痛みが出ない程度で関節運動
5分-アイシング
3分-別の痛みの出ない運動
5分-アイシング
3分-別の運動
10分-RICE処置


といった内容の事を患部に行なって怪我をした早期でも積極的に動きを作り、筋肉や関節の癒着をさせないようにコントロールするやり方である。

冷やすことから始めて痛みの感覚を鈍くする。最後は動かしたため腫れる可能性もあるためRICE処置を行う。

まとめ

怪我をした時の応急処置としては、RICE処置を行う事が前提である。

状況によってはさらに固定保護もするPRICE処置

軽傷な怪我に対してなど目的に応じてPOLICE処置

怪我の種類や部位によってはやり方も異なってくる。

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