

そもそもCBDって何...
CBDを使うとどうなるの...
CBDにはどんなタイプの製品があるの...
ドーピングは大丈夫なの...
こんな疑問にお答えします。
私は現在プロバスケチームでトレーナーとして長年活動しています。
3年間ですが、男子バスケ日本代表でもトレーナーをしていました。
そのため、常にドーピング対象の選手の管理をしています。
CBDは最近注目されるカンナビノイドで、体の機能を調節する働きがあり、特にリラックス・不安・痛みに対して使用している方が多いです。
CBDはドーピング禁止物質から除外されてまだ数年です。
大麻草やヘンプから採取できるため、まだまだ誤解が多く、正しい知識を身につけてほしいと思い、この記事を作成しています。
あなたのスポーツ生活にお役に立てていただければと思います。
結論
- カンナビノイドの一つであるCBDはハイにならず身体調節機能を良くする働きがあり、注目されている。
- エンドカンナビノイド・システムにより、体は調整され体内でもカンナビノイドは作られている
- CBDの使用者はリラックスしたい、不安を抑えたい、痛みを軽減したい人の使用が多い傾向
- 個人によって反応は違うため、1-2週間程度継続して使用すると体が良い反応を示す
- 様々なタイプの製品があり、製造方法や摂取方法によって吸収率、即効性、持続時間も異なる
- カンナビノイドでもCBDのみドーピングで使用可能な成分であるが摂取に対し注意が必要
- 競技会外検査(抜き打ち検査)ではカンナビノイドは使用可能である。
アスリートのためのCBD初心者講座

CBDとは
CBDとは、大麻草から採取できるカンナビノイドの一種でカンナビジオールという成分です。
カンナビノイドは100種類以上あり、その中にはいわゆる大麻のTHC(テトラヒドロカンナビノール)なども含まれている。
THCは医療大麻として治療としても世界では使用されていますが、別の働きとしてハイになる働きもあり、日本では所持も禁止されていて大麻取締法という法律に定められています。
CBDはハイにならず、さまざまな治療に期待できるとして近年注目され、日本でも発売されています。
エンドカンナビノイド・システム(ECS)
エンドカンナビノイド・システムとは
- 人間には身体調節機能(ホメオスタシス)が備わっていて、体を良い状態に維持する働きがエンドカンナビノイド・システムと言います。
- 食欲、痛み、免疫調整、感情制御、運動機能、発達と老化、神経保護、認知と記憶などの機能を調節している。
- 内因性カンナビノイドとも言って体内でカンナビノイドを作る働きを持っている。
エンドカンナビノイド・システムの詳細はこちらを参考に
-
必読!誰でもわかるエンドカンナビノイド・システムとは【ECS】
続きを見る
内因性カンナビノイドと植物性カンナビノイド
病気になる原因として
人間の体はエンドカンナビノイド・システムの働きが弱くなると病気や体調不良になってしまう。
要するに内因性カンナビノイドが不足することで、痛みや病気などの症状が出やすい状態になってしまう。
カンナビノイドには2種類の形がある
- 内因性カンナビノイド
- 植物性カンナビノイド
植物性カンナビノイド
大麻草やヘンプという植物にカンナビノイドが含まれている。
体内には植物性カンナビノイドをすぐに分解する酵素がないため、植物性カンナビノイドは長く持続できる。
そのため、内因性カンナビノイドよりもずっと大量のカンナビノイドが存在し治療効果が生まれる。
CBDとは
- 100種類以上あるカンナビノイドの成分の1つであり、その中には大麻成分のTHCもそのうちの一つ
- THCは医療大麻として使用されているが、日本では大麻取締法があり取り扱えないのが現状
- CBDにはハイになる要素はないため、とても注目されている
- エンドカンナビノイド・システムが体を調節しているが働きが弱くなると病気や不調になってしまう。
- 内因性カンナビノイドが不足すると痛みや症状が出るため、植物性カンナビノイドで補うことが可能
体でうまく作れなくなった内因性のカンナビノイドをCBDで補うことで体調が良い働きに改善されていきます。

CBDを使うとどうなるのか
CBDはエンドカンナビノイド・システムに働きかけるため、身体調節機能を改善させる意味合いがあります。
そのため、薬とは違い人によってどのように 作用するのかは異なって体感していきます。
使い始めはよくわからなくても、1〜2週間程度継続的に使用することで、体調が良くなっていることを実感できてくるようなイメージです。
個人によって感じ方は異なる
個人個人によって体の問題点は異なるので、一概に何の症状に対して良い反応をするのかといったことは言えず、体の調節機能をよくすることで様々な症状などに良い反応が起こっています。
リラックスや不安にも
CBD製品を使用している理由として多いのが、リラックスして良い睡眠ができる、寝起きが快調、緊張が治る、不安が落ち着くなど精神的ストレスを感じている方の使用が多いです。
スポーツに例えると、試合前の緊張や試合後に体が熱って眠れないなどそういったシーンでCBDは良い働きとして手助けしてくれます。
痛みを軽減させる働き
CBD には痛みを軽減する働きがあり、痛みに対して使用することもよく効かれています。
CBDを使うとどうなるのか
- 特定の症状に対して反応するのではなく、身体調節機能の働きをよくする
- 個人によって反応は異なり、1-2週間程度継続して使用すると体調が良くなっていることを実感できる
- 実感できない場合は、CBDの摂取量(mg)を調整してみよう
- CBDを使用している3大症状は、リラックスしたい、不安を抑えたい、痛みを軽減させたい

CBDの製品のタイプはどんなものがあるのか

製造方法
CBDを大麻草やヘンプから抽出する際の製造方法が3つに分かれています。
製品を購入する際にどんな製造方法で製品化されているのかはポイントとなります。
- アイソレート
- ブロードスペクトラム
- フルスペクトラム
アイソレート
CBDのみの単体で抽出する製造方法
パウダーの形状で販売されています。
CBDのみ
ブロードスペクトラム
カンナビノイドの中でTHCを取り除いた形で抽出する製造方法
CBDだけでなく、CBNやCBGなどその他のカンナビノイドは含まれています。
THC以外含まれる
フルスペクトラム
CBDやTHC、CBGなどカンナビノイドが複数含まれた状態で抽出する製造方法
THCも含まれる

CBDの摂取方法
CBDの製品には色々なタイプの製品があります。
- 吸入
- 経口
- 舌下
- 局所(経皮)
吸入(吸い込むタイプ)
- 煙を吸い込み肺から毛細血管に吸収するタイプ
- 30分でピークに達し、バイオアベイラビティ(吸収率)が35%と高い
- 2-4時間持続する
- ベーピング/リキッド/ペン/ワックス/カートリッジ/パウダーなどの製品がある
経口[(食べるタイプ)
- 胃から肝臓へいき血中に入る
- 30-90分かかり、バイオアベイラビティは消化の関係で15%と低い
- 6-8時間と長く持続する
- グミ/カプセル/クッキー/プロテインバーなどの製品がある
舌下(舌の下にある粘膜から吸収)
- 舌の裏側に90秒程度保持する
- 粘膜から毛細血管に入り拡散させ血中に入る
- 15-30分程度と短時間、バイオアベイラビティは20%
- 4-6時間程度持続する
- オイル/ティンクチャーなどの製品がある
局所(経皮)皮膚から
- 皮膚に塗り込むタイプ
- 皮膚から血中には入り込まないが、皮膚の受容体に反応して痛みを軽減させる
- 10-15分程度と即効性があり、痛みを軽減するが、バイオアベイラビティは0%
- 2-4時間持続する
- クリーム/バーム/フェイスマスク/リップ/フットマスクなどの製品がある
CBDの製造方法や摂取方法の詳細はこちらを参考に 続きを見る
オススメスポーツ選手のためのCBD摂取に確認すべき8つのポイント
製品のタイプ
CBDの製品には様々なものが販売されています。代表的なものを紹介致します。
- ベイプ
- グミ
- オイル
- バーム
- パウダー
- その他
ベイプ(タバコのように吸うタイプ)
CBDを気化させて吸う吸入タイプです。
たぼこを吸う方にとっては抵抗なく使用できるタイプ
グミ(食べるタイプ)
最も手軽にCBDを使用できるタイプの製品
グミを食べるので経口となりますが、噛み砕いたら舌の裏側で保持して舌下吸収も行えます
多くのメーカーから発売され、味も複数あります
オイル(舌下に垂らす)
CBDオイルはティンクチャーという瓶に入っていて、スポイトで舌に垂らして使用します。
90秒程度保持して舌下吸収させます。
コーヒーなどの飲み物に数滴入れてCBDを摂取する方法もできます。
バーム(皮膚に塗るタイプ)
痛みがある部分に塗り込むタイプがバームです
短時間で痛みが緩和されるのでとても使いやすい
各メーカーでも特徴があるので、自分にあったものを見つけたい
パウダー(調合できる)
CBDのパウダーはアイソレートであればCBDのみの単体で摂取することもできます
CBD上級者になると、パウダーをオイルに混ぜたりといった自分好みの調合することも可能です。
その他の製品
パックやシャンプー、プロテインなど様々な商品が登場しています。
CBDを使用するに際して、シャンプーのような洗い流してしまう製品はCBDが体に吸収される前に洗い流してしまうため、勿体無い使用方法かと思います。
せっかくお金をかけて使用するなら、持続することができるような製品を選びましょう
CBDの製品にはどんなタイプがあるのか
- 製造方法にはCBD単体のアイソレート、THC以外のブロードスペクトラム、全てのフルスペクトラムと3種類ある
- 摂取方法は吸入、経口、舌下、局所(経皮)とあり、それぞれ吸収率や即効性、持続性によって使い分けられる
- 局所(経皮)は血中から吸収されないが皮膚から痛みを軽減する働きがある
- CBDの製品はベイプ、グミ、オイル、バーム、パウダー、その他とたくさんの種類で製品化されている

CBDってドーピングは大丈夫なのか

参考:薬剤師のためのアンチ・ドーピングガイド
世界アンチドーピング機構(WADA)の禁止表一覧でS8.カンナビノイドが禁止物質として示されている。
競技会(時)検査に禁止される物質となっている。
そのため、競技会外検査(抜き打ち検査)では禁止ではないということである。
カンナビノイドでもCBDのみ禁止されない

さらにS8.カンナビノイドの詳細欄では例外としてカンナビジオール(CBD)が掲載されている。
要するにCBDのみがカンナビノイドでも禁止物質ではないということである。
カンナビノイドはCBDのみ禁止されていない
CBD以外のカンナビノイドは競技会検査(大会や試合後)では禁止
CBD以外のカンナビノイドは競技会外検査(抜き打ち検査)では禁止されていない
日本人の場合 | |||
カンナビノイド | 競技会外検査 | 競技会検査 | 所持・使用 |
THC | 使用可能○ | 使用禁止✖️ | 麻薬取締法✖️ |
CBD | 使用可能○ | 使用可能○ | 可能◯ |
CBNなど他 | 使用可能○ | 使用禁止✖️ | 可能○ |
日本ではそもそも大麻(THC)は違法のため所持も禁止
海外では合法の国やアメリカでは州によっても合法のところがある。
CBD製品の中にはTHCが含まれている
THCが実際に混入してしまうケースもある
CBDは抽出の際にTHCが混入してしまうケースがよくある。
そのため、使用する製品が安全性があるか確認する必要がある。
THCが含まれている製品は日本での販売は禁止されている。
製品の成分表や検査結果を公表しているところが安心な製品である。
海外の国では国によっても異なるが、THC含有量0.3%以下なら合法にしている国も多い。
要注意事項として
日本やドーピングでは微量のTHC検出でも不可なので使用できないというわけであり、製品選びが難しい点である。
THCが微量でも含まれる製品は日本では所持できないため、要注意となる。
その代わり日本で販売されている製品に関してはTHC検出不可の認定を得ている製品てある。
しかし、実際にTHC検出不可の製品もTHCが含まれていたために販売中止となっているケースもある。
よく海外の選手で〇〇選手がCBDを使用しているなどの情報が入ってくることがあるが、THCが含まれているCBDでも合法エリアであれば、競技会外検査は禁止ではないため、競技会に合わせて使用を控えればTHCが含まれている製品も日常から使えるわけである。
この辺りが日本では通用しないので、ドーピング対象のアスリートがCBDの使用する際に、しっかりとした知識を持っていないと処分を受けてしまう可能性がある。
ドーピングに関しては最終的に選手自身の責任となってしまうので、自分の身は自分で守るように努めてほしい。
CBDのみの製品はアイソレート
CBDの製造方法からみると、日本でアスリートがCBDを使用するには、アイソレートの製造方法であれば、CBDのみ単体で抽出するため最も安全となる。
またバームなどの局所(経皮)からの摂取方法のタイプは血中に入らないので、体内に残る可能性は低い。
ドーピングで使用可能なCBDとして
- アイソレートの製造方法であるパウダー
- 局所(経皮)での摂取方法のバーム
- アイソレートでも様々な製品が商品化されている
上記のタイプであれば安全性は高い


上記はCBDfxのマッスルバームを2週間毎日2回使用して薬物検査キット(MEDICAL-STAT)を尿検査で実施してみました。
10種類の薬物の確認ができ、左写真の茶色がTHCの検査となります。10種類では全て陰性です。
薬物検査キットに関する詳細はこちらを参考に
【薬物】薬物検査キットMEDICAL STATの使い方
アイソレートの抽出方法のCBD製品
上記の2点の製品は薬物検査で陰性を確認済みです
私も首の痛みが気にならなくなったいます

CBDってドーピングは大丈夫なのか
- カンナビノイドの中でもCBDのみ禁止されていない
- CBDの製品はCBD以外のカンナビノイドも含まれているかから注意
- CBDのみ単品のアイソレート製法なら禁止されない
- THC以外のブロードスペクトラム製法だと競技会外検査(抜き打ち検査)では禁止されない
- THCも含まれるフルスペクトラムは使用禁止、日本での所持も禁止
- 国によって合法の国もあり、トップ選手が使用しているからといっても日本ではダメなケースもある
- 最終的に選手の自己責任になるため、しっかりとした知識を身につけよう
まとめ
CBDやカンナビノイドのことをわかりやすく解説したつもりです。
難しい用語があり理解しづらい点も多いかと思います。
何度も読み返していただければ十分理解ができ、ドーピングに対応したCBDの知識として備わるかと思います。
アスリートにとってドーピングの知識はとても難しいと思いますが、人任せにせず、知識を得ていただきたい内容となっています。
まとめ
- カンナビノイドの一つであるCBDは肺にならず身体調節機能を良くする働きがあり、注目されている。
- エンドカンナビノイド・システムにより、体は調整され体内でもカンナビノイドは生成作られている
- CBDの使用者はリラックスしたい、不安を抑えたい、痛みを軽減したい人の使用が多い傾向
- 個人によって反応は違うため、1-2週間程度継続しようすると体が良い反応を示す
- 様々なタイプの製品があり、製造方法や摂取方法によって吸収率、即効性、持続時間も異なる
- カンナビノイドでもCBDのみドーピングで使用可能な成分であるが接種に対し注意が必要
- 競技会外検査(抜き打ち検査)ではカンナビノイドは使用可能である。
この記事がアスリートや関係者のお役に立てれば幸いです。
参考本:CBDのすべて
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