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【ジョーンズ骨折】第5中足骨の疲労骨折は治るのに期間がかかる

2020年6月7日

ジョーンズ骨折xp

 

足の小指の付け根の疲労骨折をジョーンズ骨折と言います。

ジョーンズ骨折になってしまうと、本当に時間がかかってしまい治りにくい症状です。

理由として

短腓骨筋という筋肉が付着していて、通常の歩行でも筋肉によって骨が引っ張られ骨が治りにくいのが特徴です。

 

そうならないために知識を蓄え、セルフケアで悪化させないように注意していく必要がある。

しかし、捻挫などがきっかけで骨折してしまった場合、その後の対応や判断がとても大切となるので、手術という選択も大いにあるのです

 

私はプロバスケチームでプロトレーナーとして現在も活動しています。学生からプロ選手まで多くの選手の対応をしてきました。

 

ジョーンズ骨折は高校生や大学生の学生レベルでの発生がとても多い怪我です。

学生の怪我が多く、サッカーやバスケは多い怪我
JUNK TRAINER

 

この記事を読むとジョーンズ骨折についての知識や対処方法を確認でき、この記事を読んでジョーンズ骨折をはじめ、足の怪我を予防する、または早期復帰できるよう保存療法で対応するのか、手術を選択した方が良いのかの判断基準にしていただければと思います。

 

 結 論 
  • 小指の外側に負担がかかることで疲労骨折となる
  • 捻挫などの外傷を機に骨折することが多い
  • 痛みがない場合もあるので要注意
  • 短腓骨筋が付着し歩くだけでも牽引されるので治りづらい
  • アスリートは早期復帰や強度のために手術がベスト
  • サッカーやバスケットボールは多い

 

ジョーンズ骨折(第5中足骨疲労骨折)

疲労骨折とは

疲労骨折とは急激な衝撃が加わって起こる骨折とは違い、繰り返し同じ部分に負担がかかることで骨の一部が傷つき亀裂が入ったり、ヒビが入ったりして骨自体に影響が出るタイプの骨折である。

 

スポーツでの練習にてジャンプを繰り返し毎日かなり行ったり、ひたすら走ったり、急なストップやターンが多い練習や不慣れな動作によって徐々に痛みが増して行く場合が多い。

骨折は急な外力で折れる
だんだんと痛くなってきた場合が疲労骨折
JUNK TRAINER

 

発生要因

ジョーンズ骨折x-p

個人差があるので、一概に何が原因とは言い切れないことが多いが、シューズやサーフェイスの問題から同じような反復動作を連日繰り返すことで起こる場合もある。

急なストップ動作から方向転換するスポーツでは、足の小指側に負担は多くかかるのも原因の一つとなる。

また疲労とともに筋肉の柔軟性や可動域の低下によって、一部分に負担がかかりやすくなる場合もある。

 

特に高校生や大学生は急に練習量が増加したり、多少痛くても言い出せなかったりと無理をせざるを得ないケースが多いかと思う。

そのような負担がかかった状態で足関節を捻挫した際にジョーンズ骨折である第5中足骨が骨折してしまうケースが多いかと思う。

 

衝撃が常にかかっていることで骨がもろくなっているところで急な外力が加わることで骨折してしまうというわけである。

個人差が大きいから要因はさまざまある
JUNK TRAINER

 

とても治りにくい部位

足部解剖図

第5中足骨には短腓骨筋という筋肉が付着している。そのため歩くだけで筋肉によって牽引されてしまうため、骨が修復しづらい部分である。

 

特に中学生や高校生の場合、治療のために安静にしておかないと骨がつかないと説明しても、じっとしていられずに痛みがなくなると勝手に動いてしまう。

せっかく骨がつき始めた頃に動き出してしまうと、骨は再び離れてしまうわけである。

 

その子の性格もあるが、怪我の知識や経験が乏しい中高生にはじっとしていろという方が酷であり、練習できない焦りなど無理なことの方が圧倒的に多い。

 

そのため、ジョーンズ骨折は本当によくならず6ヶ月以上たっても練習できないという悪循環に陥りやすい怪我である。

予定より回復に時間がかかる部位だから要注意
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手術する方が圧倒的に早く安全に復帰

ジョーンズ骨折手術

上記の理由から手術の方法は状況によって異なる場合もあるが、写真のようなネジを使って止める形となる。これによって強度が増して2ヶ月から3ヶ月くらいで復帰することができる。

 

ジョーンズ骨折の場合、保存療法よりも手術した方が確実に早期で復帰できるかと思う。

スポーツ選手の場合は、同じ部分への負担と筋肉の牽引力が強いため手術の方をするべきである。

 

手術の方が良い理由

ジョーンズ骨折の程度としては軽症レベルであった場合、保存療法を選択する場合もあるかと思う。

ただし、医師やトレーナーが予想していた復帰よりもかなり経過が悪いことが実際である。

なぜなら、選手が誰も見ていないところで動いてしまうことが大きい。

そのため、骨が形成せずに大幅に遅れてしまう。

こういうケースを何度か経験している。

これはトレーナーとして高校のチームに常駐できず、行けても週一回程度と連携が取れないことが原因となる。

高校生は3ヶ月間スポーツから離れると別人のように感覚や筋力が落ちてしまい、戦力外になりやすい。

であるなら手術してリハビリで病院で管理し、早い段階から段階的に強化した方が圧倒的に将来があるかと思う。

確実に復帰させることができるわけである。

 

手術適応なら迷わず手術がベスト
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予防策

予防策

 

シューズの相性

様々な競技においてシューズは異なる。特にスパイクを履く種目はしっかりと考慮しなければならない。

 

シューズもメーカーや種類によって多種多様となっているので、見た目のデザインで選ぶのではなく、自分の足にあったシューズを選ぶようにしてほしい。

シューズ選びは重要だよ
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よくあるパターン

新しいシューズをデザインで購入して、いざはいて練習したら足に合わず痛みが出始めた。

だけど買ったばかりで、このシューズは足に合わないから履けないとは親には言えない...

痛いのを無理してシューズを履いて練習し続けるとどんどん痛みが増して疲労骨折となってしまう。

 

こんなケースはよくあることです。

以前関わっていた全国区の女子チーム

全員同じメーカーの同じシューズで統一していたが、怪我人が続出していたことがあった。

選手に確認するとシューズが合わないという意見が圧倒的に多かった。

しかし先生には言い出せないので、私が代わりに伝え、そのルールは排除してもらった。

 

ひと昔前はチームの統一感は見た目の強さやメーカーのアピールにもなっていたかと思います。

足の形状は十人十色、皆異なるのでデザインではなく、足に合ったシューズを選んでもらいたい。

 

動作改善

足の外側に体重がかかりやすいと負担が多いので、一度理学療法士やトレーナーに確認してもらうと良いかと思う。

 

足の使い方はその時は良くても、疲労が溜まってくると筋肉の動く範囲も悪くなったりと重心の移動も変わってしまうケースもある。

 

その辺りは強化するポイントとなるし、改善できる部分でもあるかと思う。

 

また足の動作を補助するためにはインソールをオーダーメイドすることでかなり負担は軽減できるかと思う。

 

悪い動作は改善したい
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セルフケア

練習したら負担がかかっている部分に対してケアをしなければ疲労骨折になりやすい状態となる。

セルフケアを習慣づけよう
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アイシング

アイシング

患部を冷やすことで炎症が抑えられるので、練習後には実施しよう

 

アイシングの詳細はこちらを参考に

【必須】選手のアイシングで怪我の予防と回復に

 

ストレッチ

下腿ストレッチ
膝を曲げてアキレス腱を伸ばすようなストレッチで腓骨筋のストレッチとなる。

 

腓骨筋ストレッチ

足を開いて、つま先を内側に向けて、体を倒していくとさらに腓骨筋のストレッチとなる。

 

ストレッチボード

ストレッチボード

ストレッチボードを利用するのも良い。足の裏側全体を伸ばすことで大きな筋肉から奥にある細かい筋肉のストレッチも行うことができる。

 

ストレッチボートの詳細はこちらを参考に

【ポイント】迷ったらこれ! ストレッチボードの有効な使い方

 

セルフチェック

1.小指を押してみる

セルフチェック押す

小指を押して局部に痛みが出るかを確認しよう。

 

2.足全体に圧をかける

セルフチェック圧をかける

足全体を手で握って圧力をかけてみる。その時に痛みや違和感があるかを確認しよう。

 

3.シューズの紐を締めて痛みが出る

シューズの紐を締めただけで痛みが出る場合があるかを確認しよう。

 

医療機関受診

上記の1から3が全て当てはまる場合は疲労骨折の疑いがあるので医療機関を受診してレントゲンを確認しよう。

※ただし、疲労骨折の場合はレントゲンで確認できないことが多い。

およそ3週間程度の時間差が生じるので、痛みと画像ではズレが生じる。その際はMRI検査など医師に相談しましょう。

セルフチェックの3項目

  1. 小指を押して痛みの確認
  2. 足全体に圧をかけて痛みの確認
  3. シューズの紐を締めて痛みの確認

 

上記の状態で捻挫などアクシデントが起こると、骨折になる場合は十分考えられる。

 

まとめ

ジョーンズ骨折は本当に治りが悪く、学生にとっては致命傷になるケースもある。

そのため日頃のセルフケアを含めて障害にならないようにしなければならない。

 

セルフケアで対応しきれない場合は、医療機関で専門家に指導してもらい、未然に防ぐことが大切である。

 

 ま と め 
  • 小指の外側に負担がかかることで疲労骨折となる
  • 捻挫などの外傷を機に骨折することが多い
  • 痛みがない場合もあるので要注意
  • 短腓骨筋が付着し歩くだけでも牽引されるので治りづらい
  • アスリートは早期復帰や強度のために手術がベスト
  • サッカーやバスケットボールは多い

 

この記事が参考になれば幸いです

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