バスケットボールをしていると手の指、足の指、踵(かかと)にひび・あかぎれになったことはありませんか?
私は中学生の時、体育館で練習ができず、外のコートでの練習の日々でしたので毎年冬になると繰り返し手のあかぎれに悩まされていました。
ようやくくっ付いたかと思えば、パスをキャッチした瞬間にまた裂けてしまうという繰り返しでした。
私は現在プロチームでトレーナーとして活動しています。
毎日のようにボールを触っていますし、テーピングを巻く時にあかぎれになることがよくあります。
この記事ではひび・あかぎれに対する知識を記し、この記事を読むことでバスケットボールに携わる方のひび・あかぎれの対策になればと思っています。
また、その他の競技の方、主婦の方や職業柄でひび・あかぎれになりやすい方のヒントになればと思い、記載しています。
この記事の結論
- バスケ選手は手の指、足の指の付け根、踵(かかと)のひび・あかぎれはなりやすい
- 手や足のケアを日々行なって皮膚の状態を良くし、予防しましょう!
- ひび・あかぎれの対策として5つの知識を確認しよう
- ドーピング対象選手は薬の選び方・使用可能な薬をチェック
ひび・あかぎれの対策として5つの知識
- 手の保湿をしっかりと
- テーピング等で保護しよう
- セカンドスキンで負担を軽減
- 裂けない位置で固定する
- 薬の選び方
ひび・あかぎれの起こるメカニズム
皮膚には表面にある表皮、奥にある真皮、さらに奥にある脂肪が主の皮下組織で構成されています。
表皮に亀裂が入ることをひびと言います。
ひびが悪化するとあかぎれといい、出血を伴ったり、亀裂が赤みを帯びて、シミたり、ジンジンしたりと日常でも痛みを伴います。
乾燥している皮膚
冬になると寒くなり、汗や皮脂の分泌が低下して乾燥しやすくなります。
さらに乾燥すると表皮の角質層なども剥がれやすく、より水分が逃げやすくなり、カサカサな状態になります。
そのような状態が続くと亀裂が入りやすくなり、ひびになります。
ひびになった状態で外力などの刺激を受けることであかぎれとなってしまい、治りにくくなってしまうのです。
あかぎれの対策
写真は指の第二関節に沿ってあかぎれとなっています。
関節部分なので、動きが大きいため、なかなか傷がつかなく治りません。
ちょっとしたキズですが、仕事にも影響が出るレベルです。
バスケットボールで実際にあかぎれになってしまうケースを確認しましょう。
パスのキャッチやスナップで繰り返す
バスケットボールをキャッチするときに手の皮膚にはかなりの衝撃が加わります。
特に外で練習するときのゴムタイプのボールだと、皮膚に対する負担はより多いため、あかぎれになりやすいです。
一度あかぎれになるとボールをキャッチする時、パスを出す時、シュートの際と手指への負担は繰り返し行われます。
そのため治りにくいので、予防をすることがとても大切となります。
ドリブルで繰り返しの刺激
ドリブルも繰り返し同じ部分に負担がかかるので、あかぎれになる要素です。
ドリブルからドライブをする際にボールを握りしめて、手を叩かれるファールをされることでもパカっとあかぎれになるケースもあります。
上記のようにボールを扱うケースではひび・あかぎれになるケースはとても多いので、皮膚の保湿で予防するように心がけましょう。
プロトレーナーの場合
テーピングを毎日のように選手に使用します。
その際にテーピングの芯の穴に指を入れて引き出すシーンがよくあります。
冬場乾燥していると皮膚が弱く、テーピングの芯の穴のエッジで指を擦り付けてあかぎれになってしまうことがよくあります。
とても痛く、テーピングを巻く際に同様に指を使うと、同じ部位にさらに負担がかかり、あかぎれがさらにひどくなります。
一度このようになると、なかなか治らないので指を変えてテーピングを巻きますが、技術力が低下してしまうので、厄介なのです。
ひび・あかぎれの5つの知識
ひび・あかぎれの予防策、再発予防策、痛い時の対応の仕方を5つの知識として解説していきます。
ひび・あかぎれの対策として5つの知識
- 手の保湿をしっかりと
- テーピング等で保護しよう
- セカンドスキンで負担を軽減
- 裂けない位置で固定する
- 薬の選び方
1.手の保湿をしっかりと
ハンドクリームなど手を保湿することで、皮膚の水分の蒸発・乾燥を抑えましょう。
手を洗ったり、消毒することで乾燥しやすくなります。
手のケアをしっかり行いましょう。
いくつか実際に使用して良いと実感した製品を紹介します。
■ユースキン
こちらの商品はハンドクリームですが、ひび・あかぎれ・しもやけに有効な4つの成分配合
練習前や日常でも保湿に優れています。
ボールの滑り止めにも多少良いです。
・お家サイズ120g ¥818
・持ち歩きサイズ40g ¥381
■白色ワセリン
不純物の少ない油分性の保湿剤です。
皮膚に皮膜をはり、水分の蒸発を防ぎ保湿力を高めるタイプです。
テーピングを巻く際の皮膚の保護として白色ワセリンを使用しています。
また摩擦が多い部位に塗ることで皮膚のトラブルも回避できます。
・お家サイズ500g ¥699
・持ち歩きサイズ60g ¥485
■Grip-Spray
バスケットボールの滑り止めスプレーです。
基礎化粧品をベースとして開発され、手の保湿によって滑りを止めるタイプです。
ボールが吸い付くようになり、手の摩擦が軽減でき、あかぎれ予防・ハンドリング向上に最適です。
詳細はこちらを参考に
バスケットボールが滑って影響するドリブルやキャッチにシュート対策
上記の3点はプロバスケチームで実際に選手が毎日使用しているものです。
2.テーピング等で保護しよう
実際にひびの状態で練習すると、外力が加わることであかぎれになってしまう。
ひびの状態では痛みはあまりないので、放置しがちであるが保湿して傷口を修復するよう促すことは大切です。
またひびに負担がかからないように保湿やクリームを塗った後、絆創膏やテーピングであかぎれにならないよう保護することで予防になります。
テーピングは簡単に一周巻くだけでも負担はかなり軽減して予防になります。
ポイント
傷口に粘着面を直接貼り付けると、テープを剥がした際にひびの亀裂が大きくなる可能性もあるので注意が必要です。
ベースに絆創膏など粘着面がないものを使用することが良いです。
3.セカンドスキンで負担を軽減
実際にあかぎれになってしまうと、パックリと割れているため、意外と痛みが続き、バイ菌が入りやすい状態となり、炎症でジンジンして腫れが出てくる場合もあります。
そんな時はセカンドスキンというゲル状の人工皮膚を傷口にあて、テープで保護することでかなり痛みを軽減でき、傷口に対する負担を回避することができます。
練習や試合で痛みをなくしバスケットボールに集中できるので、対処法としては最適かと思います。
マメができた時などとても役立つアイテムです
・スクエア型(四角に切ってあるので小さな傷に) ¥6,475
・丸型(自分で切ってサイズ調整できるタイプ) ¥7,899
4.裂けない位置で固定する
あかぎれになるとくっ付いたかな? と思った次の練習で再びパカっと裂けてしまうことがよくあります。
繰り返し負担がかかって中々治らないのが悩ましい点です。
特に指の関節面ですと、指を伸ばしたり曲げたりした瞬間にパクッと再発してしまうケースは多いです。
修復させるポイント
指を伸ばすと切れてしまう場合では・・・
指を曲げてくっつけても、指を伸ばした瞬間にピキッと亀裂が再び入ってしまいます。
そのため、指を伸ばした状態でくっつける必要があります。
指を伸ばした状態で、皮膚を寄せて、くっつける工夫が必要です。
上の写真では指の付け根にテープを二股に貼った後、皮膚を寄せてテープで止めています。
5.薬の選び方
薬にもいろいろなメーカーのものがあってどれがいいのか正直迷います。
私はプロチームでトレーナーとして活動していますので、基本的な薬の選び方はドーピングに対応している薬を選びます。
国体ではドーピング対象の大会なので、高校生でも国体選手は薬やドーピングの知識が必要となるので、常に意識して薬選びをするようにして欲しいものです。
自分の症状にあっているのかもポイントとなります。
どれがいいのか分からない時にありがちなのが、値段の高い方が効くだろうと思ってしまう事です。
しかし、薬はブランド力の影響が強いので、同じような成分でもブランド力によって値段が異なるのが事実です。
薬を選ぶときのポイントとして
- ドーピング対応の薬か
- 自分の症状にあっているのか
- 値段が高いからすごい効くわけではない
【要注意】瞬間接着剤を使うと
何度も何度も繰り返し亀裂が入ると、嫌気がさしてきます。
なんとかならないかなと思い、瞬間接着剤が頭をよぎります。
実際に瞬間接着剤を使って、我が身を使い実験してみました。
実際に瞬間接着剤を使ってみた
塗って乾かすと、ドクドク・ジンジンと痛みが増してきました。
炎症症状と腫れが増してきて、痛みが強く、夜寝ている際も違和感と痛みで起きてしまいました。
アイシングして炎症を抑えようとしても腫れが増していきました。
翌日になって状態が悪いので、自ら接着剤を剥がし亀裂を出して接着剤を取り除きました。
結論
瞬間接着剤であかぎれを止めるのは危険ですのでやらないようにしましょう。
化膿して膿んでしまったら取り返しのつかないケースになる場合もあるかと思います。
ドーピングに対応しているもの
ドーピングに対応しているか調べる方法としては
参考サイト
- 日本薬剤師会の薬剤師のためのアンチ・ドーピングガイドブック
- Global DRO
ドーピングに関しての詳細はこちらを参考に
【わかる】選手がドーピングで実際に確認すべき7つの事
ドーピング使用可能の確認方法
今回紹介する2つの薬は上記の2つでは検索できませんでした。
そういった場合の調べ方を紹介いたします。
■Global DRO で成分を検索する
製品名で検索できない場合は、成分を検索すると上記の写真のようなに確認ができます。
2つの共通する成分のパンテノールを検索すると禁止されていないことが確認できました。
■日本薬剤師会の薬剤師のためのアンチ・ドーピングガイドブック で成分を調べる
P75ページに索引(使用可能薬リスト掲載医薬品の一覧表)に記載されていれば使用可能の成分となります。
トコフェロール酢酸エステルは2つの共通成分となります。
このように調べると使用可能かどうかさらに詳しく検索できるようになります。
ここからはひび・あかぎれの2つの薬の製品をみていきます。
ヒビエイド
こちらの製品はひび・あかぎれのクリームタイプの薬です。
傷口に塗り込むことで修復します。
私の場合、踵のひびで痛みが出てきたので使用したら治りが早く、愛用するようになりました。
・ひび・あかぎれの炎症が強い場合はヒビエイド15gで¥995
・コスパが良いのは35gで¥1,360
ヒビケア
こちらの製品はひび・あかぎれでも人気がある薬でクリームタイプです。
塗ってしばらくすると痒みがスッと治ります。凄いです!
・ひび・あかぎれでかゆみがあるならヒビケア20gで¥1,354
・コスパが良い35gで¥1,782
2つの薬の違い
成分 | 働き | ヒビエイド | ヒビケア |
アラントイン | ひび割れた皮膚組織を修復します | ○ | ○ |
パンテノール | 皮膚組織の修復に役立ちます | ○ | ○ |
トコフェノール酢酸エステル | 皮膚の血行を改善します | ○ | ○ |
グリチルレチン酸 | 皮膚の炎症を鎮めます | ○ | |
グリセリン | 皮膚を保湿し、潤いを与えます | ○ | ○ |
ジフェンヒドラミン | ひび・あかぎれに伴うかゆみをおさえます | ○ |
ほとんど同じ成分が含まれています。
- ひび・あかぎれで炎症が強い場合はヒビエイド
- ヒビ・あかぎれでかゆみがあるならヒビケア
2つの製品とも禁止物質は含まれていないので、ドーピング使用可能な薬です
まとめ
ひび・あかぎれに関して紹介してきました。
バスケットボール選手をはじめその他のスポーツ選手でも、手足のひび・あかぎれに悩まされている方は多いかと思います。
主婦の方や職業柄でヒビ・あかぎれになりやすい方も多いかと思います。
まとめ
■バスケ選手は手の指、足の指の付け根、踵(かかと)のひび・あかぎれはなりやすい
パス・ドリブルの繰り返し、ひびになると外力で裂けてあかぎれになる
あかぎれになると治りにくいので、ひびができたらテーピング等で予防しよう
■手や足のケアを日々行なって皮膚の状態を良くし、予防しましょう!
- 乾燥させないように保湿する
- Grip-Sprayで手の保湿・ボールの滑り止めにて摩擦を減らすとよい
■ひび・あかぎれの対策として5つの知識を確認しよう
- 手の保湿をしっかりと
- テーピング等で保護しよう
- セカンドスキンで負担を軽減
- 裂けない位置で固定する
- 薬の選び方
■ドーピング対象選手は薬の選び方・使用可能な薬をチェック
- 薬剤師のためのアンチ・ドーピングガイドブック
- Global DRO2つのサイトを活用して成分をチェックして安全・安心して薬を使おう
この記事が皆様のひび・あかぎれの対策や知識としてお役に立てれば幸いです。
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