スポーツでのふくらはぎの肉離れや筋膜炎は起こりやすい部位でもあり、患部の再発しやすい部分でもあります。競技復帰にはリハビリで筋力の回復が必要となります。
今回、ふくらはぎ内側肉離れ予防のテーピングを紹介します。
私は現在プロバスケチームでアスレティックトレーナーとして活動しています。
毎日プロ選手にテーピングを巻いています。
小学生からプロ選手まで全ての年代カテゴリーで対応してきた経験がありますので参考にしていただければと思います。
肉離れはテーピングをしたから治るわけではなく、基本的にはまず治療とリハビリをして回復させていく必要があります。
問題となっている原因を突き止め解決策とリハビリで筋力強化し、テーピングによって患部をサポートする事、疲労を抑えること、時間での機能性低下を防ぐなどの目的で患部の炎症を抑えて再発防止となり予防する手助けをしてくれます。
スポーツや競技でプレイする際にテーピングによって安心感を得れる点も大切な役割となります。
ふくらはぎに対するテーピングを解説していきますので参考にしてください。
ふくらはぎの構造
ふくらはぎを構成する筋肉は腓腹筋(ひふくきん)という筋肉が2つの頭を持って内側と外側に分かれて構成しています。
その下にヒラメ筋という筋肉があり、大きく分けるとこの2つの筋肉がふくらはぎの筋肉でアキレス腱へと変化して踵(かかと)の骨についています。
さらに奥には指を動かしたり、関節を安定させるための細い筋肉があって実際に足首や指を動かしています。
ふくらはぎの筋肉は膝を伸ばした状態で足首を反らすと腓腹筋が伸ばされストレッチ効果があります。
膝を曲げて足首を反らすと、腓腹筋がゆるんでヒラメ筋が伸ばされストレッチ効果があります。
上記のように同じ部位の筋肉でも関節の状態で筋肉の抵抗が異なってくるので運動時にどの筋肉を痛めたのかが異なってくるというわけです。
この辺りの知識を活かすと、よくアキレス腱のストレッチは行いますが、膝を曲げてアキレス腱のストレッチをする機会は少ないかと思います。
※簡単なテストとして
1.膝を伸ばして足首を反らす(背屈させる) 通常のアキレス腱のストレッチ
2.膝を曲げて足首を反らす(背屈させる) 膝を曲げてアキレス腱のストレッチ
この2つの動作を確認してどちらが強い張り感が出るか確認してみましょう!
1.腓腹筋の張り感が強い(浅層) 足関節と膝関節に関与する筋肉
2.ヒラメ筋の張り感が強い(深層) 足関節優位の筋肉
この辺りが理解できるとリハビリでも適切に筋力強化でき日常生活でも意識できるかと思います。
どちらの筋肉が負担がかかりやすいタイプなのかも知ることでセルフケアや注意すべき点など合わせて良い状態に保つことにも繋がります。
肉離れの場合は筋肉の部分的な断裂が生じ、内出血が起こることで機能低下となり筋力も低下します。腫れが出ると治りも遅くなるので内出血による組織のダメージを防ぐため圧迫の応急処置もとても大切となります。
筋膜炎の場合は筋肉の断裂はなく症状としては軽い程度となりましすが、筋肉を包んでいる膜の損傷や炎症となります。比較的力は入りやすくストレッチ痛など強い張り感や違和感が出てしまうケースが多いです。
リハビリとしては筋膜炎と肉離れの軽傷ではさほどアプローチは変わらず、まずは安静にして運動を控えて筋肉や筋膜の回復を優先させることです。
テーピングのコンセプト
今回のテーピングの場合は、腓腹筋の内側をターゲットとしていますので、膝を伸ばした状態の方が負担がかかりやすいので、テープを巻く時には軽く膝を曲げると伸ばし切る手前でテーピングが抵抗感がでてふくらはぎの内側への負担を軽減できるというコンセプトとなります。
テーピングの巻き方
テーピングの巻き方も様々ありますが、今回はふくらはぎの内側に対するテーピングの方法をご紹介します。
テーピングの目的として
・筋肉の負担を軽減させるため筋肉の走行に対してキネシオタイプでサポートする
・患部を中心に筋肉に対して圧迫を全体的にかけることで耐える筋肉の収縮(エキセントリック)への負担を軽減させる
この2点をポイントとしていい状態を長時間持続させる筋持久力にもアプローチできる方法です。
使用テーピング
・キネシオタイプ50mm
・アンダーラップ
・伸縮ソフト50mm
体格によってテーピングの幅は変更しても大丈夫です。
(テープモデルは、身長183cmの私です)
3M(スリーエム) キネシオロジー テーピング 50mm
LINDSPORTS L-アンダーラップ
Mueller(ミューラー) ティアライトテープ ソフト伸縮テープ 50mm
※テープかぶれしてしまう皮膚の弱い方は↓こちらのクリームを事前に塗ると皮膚を保護して被れにくくなります。
3M キャビロン ポリマーコーティングクリーム 92g
テーピングかぶれに関する詳細記事はこちら
テーピングかぶれ防止や肌の弱い方にオススメな●●でお肌をブロック
貼り方
キネシオタイプのテープを足裏に貼ります
アキレス腱を通ってふくらはぎ内側に貼りあげます。
この時、足関節は反らせて貼るようにしましょう
ふくらはぎの途中から膝も伸ばしましょう。
写真では膝が曲がっていますが、動画の途中にて膝が曲がった状態です。すみません。
痛みのあるふくらはぎの上下にアンダーラップを巻きます
アンダーラップを上まで巻き上げました。
アンダーラップを巻く意味は皮膚のかぶれ防止と肌直接だと服はらぎの動きの制限が強く出てしまいます。
伸縮ソフトテープでアンダーラップの上からテープを巻いていきます。
痛みのある内側の部分だけ少し締めるように圧をかけます。
上まで巻き上げていきます。
この時に膝は軽く曲げるようにしましょう。
テープの先端の粘着面を下の粘着面につけると剥がれにくくなります。
完成です。
テーピングの代わり
キネシオタイプを縦に1本貼った後、ふくらはぎのサポーターで代用すると良いでしょう。
写真のカーフはAddElmのカーフカバーの記事はこちら
足が攣らなくなった【AddElm】アクティベイトカーフカバー
テーピングは使い捨てとなるため、学生には経済的な負担が大きいです。
テーピングを定価で使用した場合は、3回程度巻いたらサポーターを買えてしまうかと思います。
テーピングでは治らない
テーピングはあくまでも、その場の練習や試合をある程度無理してでも行うための対処策です。
医療機関やセルフケアをしっかり行って、練習をやりながらでも症状が改善していかなければなりません。
練習前に筋肉のストレッチやほぐし、練習後のアイシングやストレッチなどをして、筋力の強化も行って症状を良くしていきましょう。
アイシングに関しての詳細記事はこちら
【必須】選手のアイシングで怪我の予防と回復に
この記事が参考になれば幸いです。
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