後十字靭帯のテーピングの巻き方を解説していきます。
簡単な略歴
私は現在プロバスケチームでトレーナーとして活動しています。
2009年-2011年は男子バスケットボール日本代表のトレーナーをしていました。
医学に携わり30年以上が過ぎ、スポーツ現場で活動しています。
この記事を読むことで後十字靭帯のテーピングの巻き方が確認できるかと思います。
実際にプロチームの現場でも使用している巻き方となっています。
後十字靭帯とは
後十字靭帯は膝の中にある太い靭帯です。
膝を強打したり、膝が過伸展した際に痛めるケースがあります。
膝の靭帯
膝の靭帯は大きく分けると4つあります
- 内側側副靱帯 (ひざの内側)
- 外側側副靭帯 (ひざの外側)
- 前十字靭帯 (膝の中にある)
- 後十字靭帯 (膝の中にある)
この4つの靭帯によって膝が安定性を保っています。
その他の靭帯としては
- 膝蓋靭帯 (膝のお皿とスネを繋ぐ靭帯)
この辺りがとても有名な靭帯となります。
今回は後十字靭帯について解説していきます。
後十字靭帯の役割
後十字靭帯の役割としては、大腿骨に対して下腿が後方にずれてしまいます。
特に膝を深く曲げた際に後十字靭帯に対する負担は大きくなる傾向です。
受傷しても痛みがあまりないようなケースもあります。
膝の不安定感やジャンパーズ・ニーのような膝蓋靭帯に痛みや違和感が出るケースもあります。
一般的には手術はしなく、様子をみてテーピングやサポーター等で競技復帰するケースが多いのも特徴となります。
後十字靭帯の特徴
- 下腿が後方にズレる
- 膝の不安定感が出る
- 痛みは伴わないケースもある
- ジャンパーズ・ニーのような膝蓋靭帯に違和感が出るケースも
- 手術せず競技復帰が一般的(その他の損傷程度にもよりけり)
- テーピングやサポーターで競技復帰している
【膝のテーピング】後十字靭帯(PCL)に対する巻き方
後十字靭帯に対するテーピングの巻き方を紹介します。
テーピングの巻き方はその選手や競技によっても異なり、トレーナーも工夫してテーピングを実際の現場では巻いています。
今回紹介するテーピングは、一つの例としてイメージしていただければと思います。
実際にプロ選手もこちらのテーピング方法でバスケットボールの競技しています。
テーピングの種類
- アンダーラップ
- 伸縮ソフトタイプ75mm 又は50mm
- 伸縮ハードタイプ75mm 又は50mm
テーピングのサイズは身長によって変更してきます。
およそ175-180cm以上の選手は75mm幅のテーピングの方が効果的かと思います。
後十字靭帯(PCL)に対する巻き方 (自分自身に巻く方法)
1.アンダーラップを膝に巻いていく
2.アンダーラップをらせんに巻き上げる
3.伸縮ソフト75mmでアンダーラップの上にアンカーを巻く
4.スネ側もアンカーを巻く
5.伸縮ハード75mmで横から後ろを通して前に引き出す
6.引き出しながらお皿の横を通って上まで引き上げる
7.アンカーまで貼ったらハサミで切る
8.逆側も同様に横から後ろを通り引き出しながら貼る
9.引き出しながらお皿の横を通って引き上げる
10.上まで貼ったらはさみで切る
11.ももの横から貼り、押し込むように斜め下に貼っていく
12.ひざの裏を通って引き出すように斜め下に貼っていく
13.膝下横まで貼ったらハサミで切る
14.逆側も同様にももの横から斜め下に貼っていく
15.押し込みながら膝の後ろを通って巻いていく
16.スネを引き出すようにはり膝下の横で切る
17.伸縮ソフト75mmでアンカーを巻く
18.アンカーは膝下は1周で良い
19.膝の上もアンカーを巻く
20.膝上は2周巻く、
21.これで完成。
後十字靭帯は膝を強打することでも受傷するので、テーピングの上からパッド入りのレッグスリープを装着するといいです。
レッグスリープのメリット
- 膝を強打した時に対してパットが衝撃緩和
- テーピングが剥がれにくくなる
- 締まりが出てパフォーマンス安定
- アンカー部分を軽減できテーピングコストダウン
注意点/ポイント
- アンダーラップがゆるいとズレ落ちてきてしまいます。
- スネを前に引き出すようにしながら張り上げるようにしましょう
- 11-16番のテーピングの巻く時は膝上から巻いていきましょう
- 11-16番のテーピングは膝下から巻くとスネを押し下げてしまい後十字靭帯に負荷をかけます
- 膝裏を貼るときに引っ張りすぎると運動制限が強く出てしまうので練習してコントロールできるようにしましょう
- テーピングによって不安感が取り除かれ、運動に支障が出なければ、正しい巻き方となります
まとめ
今回は後十字靭帯のテーピングを紹介しました。
1点注意ですが、テーピングをしたからといって怪我が治るわけではありません。
テーピングはあくまでも練習や試合を行うための、安心感、膝の安定感、再発防止などの目的であり、リハビリやトレーニングで膝の状態を良くしていく努力を継続していきましょう。
まとめ
■後十字靭帯の特徴として
- 下腿が後方にズレる
- 膝の不安定感が出る
- 痛みは伴わないケースもある
- ジャンパーズ・ニーのような膝蓋靭帯に違和感が出るケースも
- 手術せず競技復帰が一般的(その他の損傷程度にもよりけり)
- テーピングやサポーターで競技復帰している
■テーピング
- 手術せずに競技復帰するため、最初はテーピングやサポーターが必須となる
- テーピングは消耗品のため費用がかかるので、テーピングとレッグスリープを併用すると良い
- 身長によってもテーピングの幅サイズの効果が変わってくる
- 自分で巻く場合は、何度も巻いていくうちに圧力の感覚も掴めてくるのでテーピングの練習を
■セルフケア
- 練習後はアイシングやストレッチで常に膝を良い状態にしよう
- リハビリやトレーニングで改善して強化していこう
- 定期検診や治療など専門家のアドバイスも大切となる
セルフケアの詳細はこちらを参考に
【中高生必見】テーピングでは症状は改善しないのでセルフケアを
この記事が後十字靭帯の怪我で悩んでいる方の参考になれば幸いです
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